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RNAi実験のお役立ち技術情報集
RNAi実験のお役立ち技術情報集
掲載日情報:2025/03/12 現在Webページ番号:71669
Horizon Discovery社(Dharmacon)のsiRNAおよびshRNA製品を用いて、RNAi(RNA interference)実験を行う際に有用な、実験を成功させるためのポイント、トラブルシューティングなどお役立ち技術情報をまとめました。
※ 本製品は研究用です。研究用以外には使用できません。
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siRNA実験を成功させるための4つのポイント
siRNA実験を計画する際に考慮すべきポイントをご紹介します。
ここ20年の間にsmall interfering RNA(siRNA)は、遺伝子機能を研究するための日常的な遺伝子ノックダウン実験ツールとなりました。そして、よくある落とし穴を避けるためのいくつかの実験上のポイントが明らかとなってきました。siRNA実験を成功させるために考慮すべき4つのポイントをご紹介します。
ポイント1:細胞のタイプに合った適切なsiRNA試薬とデリバリー方法の選択
ご使用の細胞はトランスフェクションが容易でしょうか。それとも、初代細胞や浮遊細胞などトランスフェクションが難しい細胞でしょうか。従来のsiRNA試薬では標準的な脂質ベースのトランスフェクション試薬で送達を行い、トランスフェクションが困難な細胞では物理的な送達方法(例えばエレクトロポレーション)で導入を行っています。
トランスフェクションが困難な細胞に対する新しい選択肢として、DharmaconのAccell siRNAがあります。Accell siRNAは、初代ニューロン、免疫由来細胞、in vivoシステムのようなトランスフェクション試薬の使用が難しい細胞への自己取り込みを促すような特別な化学修飾が付加されています。
ポイント2:適切なポジティブコントロールとネガティブコントロールの使用
コントロールは、トランスフェクションやアッセイ条件を最適化およびモニターし、非特異的反応と区別するために不可欠です。各実験には、以下のコントロールを置くことが推奨されています。
詳細については、アプリケーションノート「RNAi実験に効果的なコントロール」(pdfファイル)も併せてご覧下さい。
(1)ポジティブコントロールsiRNA
主に、トランスフェクションによる導入を確認するために使用します。トランスフェクション効率は、siRNA実験において最も変動しやすい要素です。そのため、ターゲット遺伝子を効果的にノックダウンさせるために、良好なトランスフェクション効率の確認が不可欠です。一般的に、最適化された条件下で検証されたポジティブコントロールでは、95%以上のノックダウンレベルが確認されています。ノックダウン効率が80%以下の場合、さらなる最適化が必要です。
(2)ノンターゲティングネガティブコントロールsiRNA
配列特異的なサイレンシングと非特異的反応を区別するために使用します。また、遺伝子発現データのノーマライズにも使用されます。
(3)未トランスフェクション細胞
遺伝子発現、表現型、細胞生存率に対するsiRNAトランスフェクションの影響の有無を確認するために、siRNAをトランスフェクションしない細胞を置きます。
ポイント3:siRNA導入条件の最適化
過小評価されがちですが、確実な結果を得るためには、導入に関していくつかの条件を検討する必要がある場合があります。
脂質ベースのトランスフェクションを実施する場合、Horizon Discovery社のsiRNAトランスフェクション用のプロトコル(pdfファイル)には、細胞密度やトランスフェクション試薬の量をいくつかの条件で検討するなど、最適化のためのガイドラインが記載されています。また、Horizon Discovery社では、siRNAおよび低分子RNAの脂質ベースのトランスフェクション試薬として、DharmaFECT1~4を販売しています。これら4つの試薬は、それぞれがさまざまな細胞タイプ(pdfファイル)へ効率的に導入できるよう最適化されています。
最適化の条件を比較検討し、再現性があり、ご使用の細胞タイプにおいて高いsiRNA導入レベル(ポジティブコントロールsiRNAで測定)と低い細胞毒性を示す条件をご選択下さい。
ポイント4:qPCRを用いたmRNAレベルでのノックダウンの確認
複数のアッセイでノックダウンを検証するのは良い方法ですが、最終的に求めているのがmRNAレベルのデータではなくても、必ずmRNAレベルで目的遺伝子のノックダウンを確認して下さい。なぜなら、siRNAが標的mRNAの分解を起こすツールだからです。そのため、qPCRはsiRNAを介したターゲットのノックダウンを評価する最も直接的な方法と言えます。また、定量的な測定であることもqPCRの大きな利点です。以上の理由から、qPCRを行うことは、タンパク質レベルでの測定データに基づいて検証を行うよりも、トラブルシューティングや実験条件の最適化をシンプルに行うことができます。これが、Horizon Discovery社がmRNAデータに基づいてsiRNA製品の機能保証を行っている理由です。qPCRによる検出条件については、qPCRの基礎に関する記事をご覧下さい。
qPCRによってmRNAの妥当なノックダウンを確認できたら、タンパク質量や表現型の変化を解析するために、実験のタイムコースをさらに最適化することができます。その後の実験でウエスタンブロッティングを行う際には、因子によってタンパク質の安定性が異なることを考慮する必要があります(つまり、因子によってはタンパク質レベルでの発現低下を確認するまでに時間を要する場合があります)。また、正確にタンパク質レベルでのノックダウン効率を推定するためには、ノーマライゼーション用のコントロールと標準曲線が必要となります。
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RNAi実験(siRNA / shRNA)におけるトラブルシューティング
Horizon Discovery社のサポートチームは、熟練した科学者で構成され、長年のサポート経験があります。
Horizon Discovery社のサポートチームがまとめた、RNAi実験におけるトラブルシューティングを実験ステップ順にご紹介します。
理想的なRNAi実験のデータを得るためにも、これらの3つのステップをご検討下さい。
siRNA | shRNA | |
Step 1: 実験の セット アップ |
siRNAペレットの適切な溶解 Horizon Discovery社推奨プロトコル(pdfファイル)に従って、siRNAペレットを完全に溶解します。 siRNAのストック溶液濃度が適切でない場合、サイレンシングに必要な量のsiRNAが細胞に導入されない可能性があります。 |
レンチウイルス粒子の導入条件最適化 形質導入培地中の血清を減らし、ポリブレンなどの形質導入エンハンサーを添加します。 機能的なウイルス力価の検討 細胞株ごとに最適な力価は異なるため、使用する細胞株ごとに力価を計算します。 |
Step 2: 導入 |
ポジティブコントロールsiRNAを用いた導入効率の評価 80%以上の細胞生存率を維持した上で、qPCRによって評価したmRNAレベルで80%以上ノックダウンされていることが望ましいです。ポジティブコントロールsiRNAのノックダウン効率(%)は、トランスフェクション効率に相当し、siRNAの導入効率の指標となります。一般的に、トランスフェクション効率が80%以下の場合*は、導入条件の最適化をご検討下さい。 * 細胞株によっても効率は異なります。 |
導入細胞における抗生物質耐性およびレポーター遺伝子発現の確認 期待される抗生物質耐性およびレポーター遺伝子の発現が確認できない場合には、導入条件の最適化を行います。 ポジティブコントロールshRNAを用いたノックダウンの評価 ポジティブコントロールshRNAによる標的mRNAのノックダウンのqPCRでの評価は、対象の細胞株においてshRNAの実験系が機能しているかを確認する上で重要です。 多重感染度(MOIs)の最適化 遺伝子や細胞株によってノックダウンに必要なshRNAの発現レベルは異なるため、幅広い範囲でのMOIの最適化を行います。 |
Step 3: 評価 |
ノックダウンの評価方法 RNAiは標的mRNAを分解することで遺伝子発現を抑制するため、qPCRは最も定量性・再現性高く、siRNAやshRNAのパフォーマンスを評価することができます。ウエスタンブロッティングやFACSのようなアッセイは、ノックダウンの副次的な影響を評価するものであり、抗体の特異性やタンパク質のターンオーバーなどに大きく影響を受けます。このような理由から、qPCRを用いてsiRNAやshRNAのパフォーマンスを評価することを推奨しています。siRNAやshRNAがうまく機能していることが分かれば、タンパク質レベルや表現型の評価に移ることができます。 |
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Horizon Discovery社ウェブの関連ページ
- Top 4 ways to make your siRNA experiment a success
- Top three tips for troubleshooting your RNAi experiment
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関連した製品記事
Web面談を承ります
Web面談にてDharmacon siRNA製品のご紹介をさせていただきます。
Dharmacon siRNAに興味はあるものの、どのシリーズ、フォーマットを選べば良いか分からない方、ご自身のターゲット遺伝子の製品を見つけたい方向けに、Dharmaconの各シリーズの特長、技術、お勧めの製品などをご説明いたします。
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