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[FNA] GST研究用製品 40%OFFキャンペーン[~2024/02/29]

掲載日情報:2023/11/15 現在Webページ番号:71511

フナコシ /
フナコシ株式会社
[メーカー略称:FNA]

[期間:2023/11/15~2024/02/29]

メーカー略称:FNAのGST研究用製品3製品を40%OFFのキャンペーン価格でご提供いたします。ぜひこの機会をご利用下さい。
本キャンペーンと同一の期間にシグナル伝達研究用製品および抗体2製品のキャンペーンも実施中です。ぜひこちらもご覧下さい。
本製品は研究用です。研究用以外には使用できません。


キャンペーン対象製品

製品名をクリックすると該当箇所へページ内ジャンプします。細胞内の主たる抗酸化因子・解毒因子であるGlutathione S-Transferase(GST)の酵素活性を生細胞レベルで「測定」および「阻害」できる製品があります。


GST活性を生細胞で測定したい GST活性を生細胞で阻害したい
幅広いサブタイプを見たい
細胞の総GST活性を見たい
がん細胞で活性を見たい
(GSTP1活性の可視化)
不可逆的にGSTファミリーを阻害したい
CellFluor™ GST

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CellFluor™ GSTP1

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CNBSF

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製品名: CellFluor™ GST 製品名: CellFluor™ GSTP1 製品名: CNBSF

GST活性に応じて緑色の蛍光が発生します。

GSTP1活性によって緑色蛍光が発生します。

GSTに対する不可逆的な阻害物質です。既知のGST阻害物質として汎用されるEthacrynic Acidと比べ,高い阻害活性を示します。



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Glutathione S-Transferase(GST)の機能

GSTは細胞外から取り込まれた異物物質や細胞内代謝物,酸化ストレスで産生する毒性物質などをグルタチオン抱合体に変換して排出させる生理的な抗酸化・解毒因子として機能します(下図左)。また,がんで高発現し,抗がん剤などの医薬品を代謝しやすい形に変換する活性(下図右)も示すため,薬剤排出を促す薬剤耐性原因遺伝子と考えられています。

生理的な抗酸化・解毒作用

GSTの生理的な抗酸化・解毒作用

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がん細胞における薬剤代謝

GSTのがん細胞における薬剤代謝

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生細胞ハイスループットスクリーニングに最適なGST活性測定試薬
CellFluor™ GST

生細胞に適用できるGlutathione S-transferase(GST)の酵素活性応答性蛍光プローブです。細胞内に迅速に取り込まれ,細胞内GSTにより緑色蛍光を発するため,生細胞レベルでのGST活性の評価に有用です。測定前の洗浄も不要で,培地に試薬を添加するだけのプロトコルのため,蛍光プレートリーダーを用いたハイスループットスクリーニングを簡便に構築することができます。細胞・組織ライセートなどのin vitroアッセイにも使用でき,さらに従来試薬に比べて検出感度が高いという利点もあります。


CellFluor™ GST概要図

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CellFluor™ GST概要図

CellFluor™ GSTは,Rhodamine110にGST応答性保護基を導入した無蛍光性化合物で,優れた細胞透過性を有する。また,細胞内において各種GSTによって保護基が除去されることによりRhodamine110の緑色蛍光を生じる。蛍光プレートリーダーや蛍光顕微鏡観察により緑色蛍光強度を測定することで,生細胞レベルでのGST活性を評価することができる。

GSTの活性測定手法について

GSTの活性測定における問題点とCellFluor™ GSTについて

GSTは第Ⅱ相薬物代謝酵素として抗酸化因子,異物代謝・解毒作用因子,薬剤耐性因子と多機能を有することから,生細胞におけるGST活性の測定技術が求められています。しかし,従来のGST活性の測定は,細胞ライセートを用いたin vitroアッセイによる方法に限られていました。CellFluor™ GSTは,細胞膜透過性を有する低分子化合物であり,GSTの活性により緑色蛍光を生じるGST活性応答性プローブです。in vitroアッセイのみならず生細胞アッセイで使用できることから,蛍光プレートリーダー,蛍光イメージング,フローサイトメトリーなど各種細胞ベース蛍光アッセイ(Cell-based fluorescent assay)に適用でき,生細胞でのGST活性の定量比較や刺激依存的なGST活性のモニタリングが可能です。また,蛍光プレートリーダーを用いることで,生細胞ベースでハイスループットなGST阻害物質探索にも有用です。

GST活性測定用プローブの比較

プローブ名 CellFluor™ GST
(本製品)
CDNB
(従来法)
測定方法 緑色蛍光 UV
測定波長 励起 496 nm/蛍光 520 nm ~340 nm
測定対象 広範なGSTファミリー
実験系 in vitro
(ライセートや精製酵素など)
生細胞 蛍光プレートリーダー 不可
イメージング 不可
フローサイトメトリー 不可
測定感度 高い
(蛍光のため)
低い
(UV吸収のため)
ハイスループット性・簡便性 高い
(生細胞のまま観察可能で,洗浄操作も不要)
低い
(ライセート調製が必要)
他の因子との同時測定
青色蛍光や赤色蛍光を併用可能)
困難

原理

CellFluor™ GSTは,幅広いGSTの基質である2,4-dinitrobenezensulfonamide(DNB)を緑色蛍光色素Rhodamine 110に2つ付加した化合物で,通常は消光状態になっています(量子収率 0.0007)。GSTによりDNB基が外れてグルタチオン抱合体に変換されると,Rhodamine110(量子収率 0.647)が放出され,緑色蛍光(励起極大波長 496 nm/蛍光極大波長 520 nm)を発します。

CellFluor™ GST(原著論文名 bis-DNs-RhまたはDNs-Rh)は,当初チオール基(-SH)を検出する試薬として開発されましたが,その後の解析によりGST活性の検出試薬として有効であることが分かりました。チオール基に対する応答性に比べGSTに対する応答性が著しく高いことから,CellFluor™ GSTは生細胞用のGST活性測定プローブとして利用できます。細胞質型GST(GSTA, GSTM, GSTP, GSTO, GSTT, GSTZ),およびミクロソーム型GST(MGST)に応答することが確認されています。

:各種チオール含有化合物に対しても弱いながら反応性を示します。アッセイバッファー中のチオール含有化合物(GSH,DTTなど)の濃度や反応時間には注意が必要です。


CellFluor™ GSTの原理

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CellFluor™ GSTの原理

生細胞アッセイ系においては,細胞内GSTの酵素活性により産生されたRhodamine 110はミトコンドリアを中心に細胞内に拡散しますが,細胞内滞留性は高くなく徐々に培地中に放出されます。そのため,蛍光プレートリーダーを用いる測定においては,CellFluor™ GST添加後の培地交換を行わずにそのまま蛍光強度を測定することを推奨します。一方で,各種蛍光顕微鏡観察の場合では,培地中に放出されたRhodamine 110が観察時のバックグラウンドになる可能性もあり,洗浄後に速やかに観察することを推奨します。

特長

  • GST活性によってRhodamine 110が放出され緑色蛍光を発します(Ex 496 nm/Em 520 nm)。
  • 生細胞アッセイ(蛍光プレートリーダー,蛍光イメージング,フローサイトメトリー),およびin vitroアッセイ(精製酵素,細胞/組織ライセートなど)にも使用できます。
  • in vitroアッセイでは,従来のCDNBアッセイに比べて高い検出感度を示します。
  • 生細胞アッセイでは,細胞膜透過性により培地に添加するだけで使用できます。また,GSTの応答前後において高いSN比(量子収率比~900倍)を示すため,洗浄操作を必要とせずに測定できます。
  • さまざまなGSTファミリーに対し反応性を示します。

実績のあるGSTサブファミリー

  • GSTα(GSTA1, GSTA2, GSTA3, GSTA4) 
  • GSTμ(GSTM1, GSTM2)
  • GSTπ(GSTP1)
  • GSTω(GSTO1)
  • GSTθ(GSTT1)
  • GSTζ(GSTZ1)
  • MGST(MGST1)

組換え体GSTO1およびGSTT1の精製タンパク質を用いた解析では,他の細胞質型GST(GSTA1,GSTM1, GSTP1, GSTZ1)に比べて活性が弱いことが認められています。

使用例

下記以外にも使用例は多数ございます。その他の使用例,スペクトルデータ,参考文献についてはこちらをご覧下さい。

蛍光顕微鏡による生細胞イメージング

蛍光顕微鏡による生細胞イメージング

3種類の細胞株(CHO,786-O,Neuro2a)をガラスボトムディッシュに播種し,10% FBS含有DMEM培地で20時間培養した。その後,無血清・フェノールレッド不含のDMEM培地に交換し,CellFluor™ GSTを終濃度 30 μMになるように添加し,10分間反応させた。培地を交換し,直ちに落射型蛍光顕微鏡(Ex 435~475 nm/Em 530~543 nm)で観察した。いずれも細胞内から緑色蛍光シグナルが観察された。一方,事前にGST阻害物質であるCNBSFを処理(100 μM,30分)した場合では,細胞内蛍光が顕著に減弱していることが分かる。


組織ライセートを用いたin vitroアッセイ

組織ライセートを用いたin vitroアッセイ

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マウス由来の4つの組織(肝臓,脳,脾臓,腎臓)を細かく切断後,可溶化バッファー(50 mM sodium phosphate(pH 7.4), 150 mM NaCl, 1% NP-40)に懸濁した。遠心上清の可溶化画分の総タンパク質濃度をBCA法で定量し,各組織ともタンパク質濃度を1 mg/mlに調整した。アッセイバッファー(50 mM sodium phosphate(pH 7.4), 150 mM NaCl, 1% NP-40,100 μM GSH)に各組織ライセートを総タンパク質の終濃度 0.1 mg/mlになるように添加し,最後にCellFluor™ GST(終濃度1 μM)を添加した。室温で30分間反応後,蛍光プレートリーダー(Ex 475±5 nm/Em 525±10 nm)で蛍光強度を測定した。また,CellFluor™ GSTの添加前にGST阻害物質であるCNBSF(終濃度 100 μM)を処理した試料も用意した。検証した4つの組織試料では,肝臓試料で顕著に強いGST活性が観察された。また,いずれの組織試料においてもCNBSFによりGST活性が阻害されることが確認できた。

価格

[在庫・価格 :2023年12月01日 11時51分現在]

※ 表示されている納期は弊社に在庫が無く、取り寄せた場合の納期目安となります。
詳細 商品名
  • 商品コード
  • メーカー
  • 包装
  • 価格
  • 在庫
  • 法規制等
納期 文献数
CellFluor GST <Cell-based GST Activity Assay Reagent>
1週間程度 ※ 表示されている納期は弊社に在庫がなく、取り寄せた場合の目安納期となります。 0
キャンペーン期間 2023/11/15 ~ 2024/02/29
説明文
Glutathione S-transferase(GST)の酵素活性を生細胞で観察することができる蛍光プローブ。GST活性に応じて緑色の蛍光が発生するため,細胞内GSTの活性評価に有用。広範なGSTサブファミリーに交差するため,総GST活性を可視化できる。
法規制等
保存条件 -20℃,暗所保存 法規備考
掲載カタログ ニュース2022年11月15日号 p.20
ニュース2022年3月1日号 p.10

製品記事 CellFluor™ GST
脂質過酸化研究用製品特集
関連記事

[在庫・価格 :2023年12月01日 11時51分現在]

※ 表示されている納期は弊社に在庫が無く、取り寄せた場合の納期目安となります。

CellFluor GST <Cell-based GST Activity Assay Reagent>

文献数: 0

キャンペーン期間 2023/11/15 ~ 2024/02/29
説明文 Glutathione S-transferase(GST)の酵素活性を生細胞で観察することができる蛍光プローブ。GST活性に応じて緑色の蛍光が発生するため,細胞内GSTの活性評価に有用。広範なGSTサブファミリーに交差するため,総GST活性を可視化できる。
法規制等
保存条件 -20℃,暗所保存 法規備考
掲載カタログ ニュース2022年11月15日号 p.20
ニュース2022年3月1日号 p.10

製品記事 CellFluor™ GST
脂質過酸化研究用製品特集
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生細胞中のGSTP1酵素活性を特異的に可視化する試薬
CellFluor™ GSTP1

CellFluor™ GSTP1は,Pi-class Glutathione S-Transferase (GSTP1)の酵素活性を生細胞で観察できるプローブです。広範なGSTファミリーのうちGSTP1に特異的で,GSTP1活性によって緑色蛍光が発生するプローブであり,がん化プロセスや薬剤耐性と密接な関係が報告されるGSTP1の機能解析や阻害剤探索などに有用です。
本製品は東京薬科大学生命科学部 藤川雄太博士の研究成果をもとに,フナコシ(株)が製品化し,販売しています。


CellFluor GSTP1による生細胞内のGSTP1酵素活性測定

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CellFluor™ GSTP1による生細胞内のGSTP1酵素活性測定

CellFluor™ GSTP1 は細胞膜透過性を示し,細胞内でGSTP1活性によりグルタチオン抱合体に変換されることで,緑色蛍光を発します。イメージングにおける蛍光強度からGSTP1活性を相対定量可能です。

GSTファミリーとGSTP1について

GSTについて

Glutathione S-Transferase (GST) ファミリーは,バクテリアから動物,植物まで幅広く保存されている酵素ファミリーで,第Ⅱ相薬物代謝酵素の1つです。第Ⅰ相薬物代謝酵素シトクロムP450により細胞内で産生された求電子代謝物や,細胞外から取り込まれた異物化合物(xenobiotics)をグルタチオン(Glutathione,GSH)に付与し,グルタチオン抱合体(GS抱合体,GS-conjugate)に変換する活性を有しています。グルタチオン抱合体は,多剤耐性関連タンパク質(Multidrug resistance-associated proteins,MRP)トランスポーター群により積極的に細胞外に排出され,毒性を軽減させる機構が存在します。そのため,GSTは細胞毒となりうる代謝物質や異物化合物の排出にかかわる解毒因子として機能すると考えられています。細胞内の主たる抗酸化因子として,酸化ストレスや脂質過酸化反応の抑制にも寄与すると考えられています。

一方,多くの抗がん物質などの医薬品はGSTの基質となりうることから,GSTによりグルタチオン抱合体に変換されて細胞外に排出されるケースが報告されています。また,GSTは薬効を低下させる薬剤耐性効果も示します。特に,がんの悪性化にともない特定のGSTアイソフォーム(GSTP1)の発現量が亢進することが知られ,それによりがん細胞は薬剤耐性を獲得すると考えられています。

GSTファミリーに共通する薬剤排出機構

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GSTの活性測定における問題点とCellFluor™ GSTP1について

このように,GSTは第Ⅱ相薬物代謝酵素として抗酸化因子,異物代謝・解毒作用因子,薬剤耐性因子と多機能を有することから,生細胞におけるGST活性の測定技術が求められています。しかし,従来のGST活性の測定は,細胞ライセートを用いたin vitroアッセイによる方法に限られていました。また,多数あるGSTファミリーのうちGSTP1に特異的な活性測定試薬はありませんでした。CellFluor™ GSTP1は,東京薬科大学 藤川雄太博士らにより開発されたGSTP1特異的応答性活性測定プローブで,細胞膜透過性を示すため,生細胞で使用できます。従来技術では困難であった各種細胞のGSTP1活性の定量化や刺激依存的なGSTP1活性のモニタリングに加え,従来難しかった細胞ベースでの阻害剤探索など様々なアプリケーションに応用可能です。

キット内容

  • CellFluor™ GSTP1 0.1 mg
  • 補助試薬(MK571; MRPトランスポーター阻害剤) 0.5 mg

原理

プローブの構造

CellFluor™ GSTP1は3つの部位より構成されており,GSTP1特異的基質(5-mesy-2-nitrolbenzenanilide),緑色色素骨格(フルオレセイン誘導体),さらに細胞膜透過性を上げるため色素にアセチル基が付与された構造を有します。この状態ではCellFluor™ GSTP1は消光状態にあります。

CellFluor GSTP1のプローブ構造

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CellFluor™ GSTP1のプローブ構造


測定原理

CellFluor™ GSTP1は色素骨格に付加されたアセチル基の効果により高い細胞膜透過性を示します。細胞内に取り込まれた後,細胞内のエステラーゼにより脱アセチル化され活性体(以下CellFluor™ GSTP1 (*)と記載)に変換されます。この活性体にGSTP1がGSHを付加しグルタチオン抱合体を形成すると,プローブの分子内の消光機構が解消され,緑色蛍光を発します。
CellFluor™ GSTP1は生細胞専用にデザインされており,in vitroアッセイには使用できません。

CellFluor GSTP1による生細胞作用機序

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CellFluor™ GSTP1による生細胞作用機序

MRPトランスポーター活性の影響について

GSHが付加した反応生成物はGSTの本来の異物排除機構に沿って,MRPトランスポーターにより細胞外に排出される恐れがあります。そのため,添付の補助試薬(MRPトランスポーター阻害剤MK571)を併用することを推奨しています。細胞種によってMK571の必要性は異なるため,MK571がお客様のアプリケーションに影響を与える可能性もあります。そのため事前にお客様のアッセイ系でMK571の有無条件にてお試し頂くことを推奨します。なお,すべての細胞でMK571の補助効果を保証するものではありません。

MRPトランスポーターがCellFluor GSTP1に及ぼす影響

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MRPトランスポーターがCellFluor™ GSTP1に及ぼす影響

MRPトランスポーター阻害剤MK571存在下でのCellFluor GSTP1の使用例

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MRPトランスポーター阻害剤MK571存在下でのCellFluor™ GSTP1の使用例

特長

  • プローブ自体は消光状態にありますが,GSTP1により消光状態が解除され,緑色蛍光を発します。
  • 測定波長:励起493 nm/蛍光510 nm
  • 生細胞用にデザインされており,培地に添加するだけで,細胞膜を透過し,観察できます。
    本試薬は生細胞専用です。in vitroのアッセイ(精製タンパク質やライセート)では使用できません。in vitroのGSTアッセイにはCellFluor™ GSTを推奨しています。
  • 緑色蛍光を発する反応生成物はMRPトランスポーターにより細胞外に排出される可能性がありますが,付属の補助試薬(MRPトランスポーター阻害剤 MK571)を併用することで抑えることができます。
    細胞によりMRPトランスポーター阻害剤の必要性や効果が異なります。事前評価をおすすめします。
  • GSTP1に高い特異性を示すことが確認されています
  • GSHとの非特異的な反応はほとんど観察されていません。

操作方法概略

CellFluor GSTP1の操作方法概略
  1. CellFluor™ GSTP1 (+MK571) 溶液の調製
    CellFluor™ GSTP1 およびMK571(必要に応じて)をHBSS*1 (Hanks’Buffer with 20 mM HEPES) に添加
    *1 CellFluor™ GSTP1は生細胞用にデザインされており,DMSO溶液では安定ですが,水溶液中では加水分解による脱アセチル化が進む場合があります。反応溶液は必ず実験直前に調製して下さい。また,培地はHBSSが必須ではありませんが,CellFluor™ GSTP1の安定化のため,HEPESなどを含む緩衝能を有する培地を推奨しています。FBSは脱アセチル化反応を促進する恐れがあるため,FBS非含有HBSSを推奨しています。
  2. 培養細胞の培地除去
  3. 1で調製した試薬溶液を細胞に加える
  4. 5分以上*2培養する
    *2 反応時間は細胞のGSTP1活性や使用濃度により異なります。ご使用の細胞系で最適な反応時間をご検討下さい。
  5. 培地交換および細胞洗浄*3
    *3 フェノールレッドは測定に影響を及ぼす可能性がありますので,フェノールレッドフリーのイメージング用培地を用いた観察を推奨しています。
  6. 蛍光顕微鏡による観察*4
    *4 本試薬は固定試薬により固定することができません。観察は未固定状態(生細胞)で行って下さい。

アプリケーションデータ

下記以外にもアプリケーションデータは多数ございます。その他のアプリケーションデータ,スペクトルデータ,参考文献についてはこちらをご覧下さい。

GSTP1特異性の検証(各種GSTファミリーの比較)

CellFluor GSTP1のGSTファミリー特異性検証

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GSTP1低発現細胞であるMCF7に18種類のヒトGSTファミリーメンバーを過剰発現し,CellFluor™ GSTP1を添加して蛍光強度を評価した。評価した18種類の中でGSTP1でのみ緑色蛍光が観察され,GSTP1に高い特異性を示すことが確認できた。

経時的解析

CellFluor GSTP1による生細胞レベルでの反応速度解析

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GSTP1高発現細胞HT1080(ヒト繊維肉腫細胞)およびGSTP1低発現細胞LNCaP(ヒト前立腺がん細胞)にGSTP1(2.5 μM)添加時の経時的蛍光強度の変化を20分間観察した。HT1080では経時的な蛍光強度の上昇が観察された一方で,この時間域ではLNCaP細胞ではほとんど蛍光は観察されなかった。

価格

[在庫・価格 :2023年12月01日 11時51分現在]

※ 表示されている納期は弊社に在庫が無く、取り寄せた場合の納期目安となります。
詳細 商品名
  • 商品コード
  • メーカー
  • 包装
  • 価格
  • 在庫
  • 法規制等
納期 文献数
CellFluor GSTP1 <Cell-based GSTP1 Activity Assay Reagent>
1週間程度 ※ 表示されている納期は弊社に在庫がなく、取り寄せた場合の目安納期となります。 0
キャンペーン期間 2023/11/15 ~ 2024/02/29
説明文
がん細胞で高発現するGSTP1 (Pi-class Glutathione S-Transferase)の酵素活性を生細胞で観察できる蛍光プローブです(励起 493 nm/蛍光 510 nm)。広範なGSTファミリーのうちGSTP1に特異的で、GSTP1の機能解析や阻害剤探索などに有用です。※本製品にはプローブ 0.1 mgと補助試薬(MRPトランスポーター阻害剤 MK571) 0.5 mgが含まれます。
法規制等
保存条件 -20℃ 法規備考
掲載カタログ ニュース2022年11月15日号 p.21
ニュース2022年3月1日号 p.10

製品記事 CellFluor™ GSTP1
脂質過酸化研究用製品特集
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[在庫・価格 :2023年12月01日 11時51分現在]

※ 表示されている納期は弊社に在庫が無く、取り寄せた場合の納期目安となります。

CellFluor GSTP1 <Cell-based GSTP1 Activity Assay Reagent>

文献数: 0

キャンペーン期間 2023/11/15 ~ 2024/02/29
説明文 がん細胞で高発現するGSTP1 (Pi-class Glutathione S-Transferase)の酵素活性を生細胞で観察できる蛍光プローブです(励起 493 nm/蛍光 510 nm)。広範なGSTファミリーのうちGSTP1に特異的で、GSTP1の機能解析や阻害剤探索などに有用です。※本製品にはプローブ 0.1 mgと補助試薬(MRPトランスポーター阻害剤 MK571) 0.5 mgが含まれます。
法規制等
保存条件 -20℃ 法規備考
掲載カタログ ニュース2022年11月15日号 p.21
ニュース2022年3月1日号 p.10

製品記事 CellFluor™ GSTP1
脂質過酸化研究用製品特集
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生細胞で使用可能な不可逆的GST阻害物質
CNBSF(Irreversible GST Inhibitor)

CNBSF(2-Chloro-5-Nitrobenzen Sulfonyl Fluoride)はGlutathione S-transferase(GST)に対する不可逆的な阻害物質です。GSTを不活化することにより,従来の可逆的阻害物質に比べて長期間に渡りGST活性を抑制できます。


DMSO CNBSF
CellFluor™ GST(GST activity)
CHO細胞画像(DMSO-Control)
CHO細胞画像(CNBSF処理)

図をクリックすると拡大します(拡大図

CNBSFによる細胞内GSTの酵素活性の抑制

CHO細胞にCNBSFを添加して細胞内のGSTを不可逆的に阻害後,残存GST活性を生細胞に使用できる緑色蛍光性のGST活性測定プローブであるCellFluor™ GSTを用いて観察した。観察結果から,細胞内GSTの酵素活性はCNBSFの添加により著しく抑制されたことがわかる。

GSTと阻害物質の意義

細胞内でのGSTの作用機構

Glutathione S-Transferase(GST)ファミリーは,バクテリアから動物,植物まで幅広く保存されている酵素ファミリーで,第Ⅱ相薬物代謝酵素の1つです。第Ⅰ相薬物代謝酵素シトクロムP450により細胞内で産生された求電子代謝物や,細胞外から取り込まれた異物化合物(xenobiotics)をグルタチオン(Glutathione,GSH)に付与し,グルタチオン抱合体(GS抱合体,GS-conjugate)に変換する活性を有しています。グルタチオン抱合体は,多剤耐性関連タンパク質(Multidrug resistance-associated proteins,MRP)トランスポーター群により積極的に細胞外に排出され,毒性を軽減させる機構が存在します。そのため,GSTは細胞毒となりうる代謝物質や異物化合物の排出にかかわる解毒因子として機能すると考えられています。細胞内の主たる抗酸化因子として,酸化ストレスや脂質過酸化反応の抑制にも寄与すると考えられています。

一方,多くの抗がん物質等もGSTによってグルタチオン抱合体に変換後に細胞外に排出されることから,GSTは第Ⅱ相代謝酵素の主たる因子である一方で,薬効を弱めることで薬剤耐性効果も示します。特にがんの悪性化に伴い特定のGSTアイソフォーム(GSTP1)の発現量の亢進が知られ,それによりがん細胞は強い薬剤耐性を獲得すると考えられています。


細胞内でのGSTの作用機構

図をクリックすると拡大します(拡大図

細胞内でのGSTの作用機構


GST活性の抑制により抗がん物質の細胞内滞留性の向上が期待できますが,これまでGSTに対する十分な阻害活性を有する物質は知られていませんでした。従来のGSTの阻害物質は,GSHに対する競合性阻害物質が主に用いられてきました。これらは,in vitroでは優れた阻害活性を示しても,細胞内ではGSH濃度は数 mMオーダーと非常に高濃度であるために競合が起こりにくく,十分な阻害効果が得られないという問題がありました。


新規GST阻害戦略BSF阻害物質

CNBSFは,benzensulfonyl fluoride(BSF)基を利用し「細胞内で不可逆的な阻害物質を作り出す」をコンセプトに開発された新規GST阻害物質です。CNBSFは細胞膜透過性を有し,細胞内に取り込まれた後にGSTの異物認識部位であるH-siteに結合します。GSHはGSTのG-siteに結合し,次にGSTタンパク質内部でCNBSFはGSHに付加されてGSH抱合体(GS-5NBSF)に変換されます。GS-5NBSFは,その後直ちにGSTのTyr108(ヒトGSTP1の場合)と不可逆的に反応します。この反応により,GS-BSFはGSTから解離できずにH-siteとG-siteはともに塞がれた状態になるため,GSTは不活性となります。従来の競合型阻害物質に対してGSTを不可逆的に不活性化するこから,長期間に渡り阻害効果が得られます。


CNSBFのGST阻害機構

図をクリックすると拡大します(拡大図

CNSBFのGST阻害機構

原理

阻害の反応機構モデル(GSTP1-1の例)

阻害の反応機構モデル(GSTP1-1の例)

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  1. CNBSFおよびGSHは,それぞれGSTのH-siteまたはG-siteに結合し,GSHのチオレートアニオンがGSTの酵素活性依存的にCNBSFに反応する。CNBSFの塩化物イオンCl-が脱離する。
  2. GST酵素内でGS-5NBSFが形成される。
  3. GS-5NBSFのbenzensulfonyl fluoride基にGSTP1-1の108番目のTyr残基中の水酸基が反応する。
  4. フッ化物イオンF-の脱離を伴い,GSTとGS-5NBSFが共有結合により架橋される。

特長

  • 膜透過性を有し,生細胞に使用可能です。in vitroで使用する場合は,GSHの添加が必要です。
  • 細胞内においてGSTによりGSHに付加されることで,GST阻害物質(GS-5NBSF)として機能します。
  • GSTの活性中心に不可逆的に付加する阻害作用でGSTを失活させるため,長期間の阻害が可能です。in vitro・生細胞アッセイの両方において,洗浄操作後も阻害能を維持します。
  • 細胞質型GST(GSTα,GSTμ,GSTπ,GSTω,GSTθ,GSTζ)に反応することが分かっています*
  • 質量分析により,GS-5NBSF付加体として内在性のGST(GSTP1)に共有結合することが確認されています1
  • 生細胞用GST活性測定試薬CellFluor™ GSTとの併用により,生細胞におけるGST阻害活性を定量的に評価できます。

:膜結合型GST(GSTκ,MGST,PTGESなど)に対する反応性は未検証です。

実験の注意点

CNBSFは化学的反応性が高く,DMEMなどの基礎培地中で培地成分との副反応生成物が認められます(DMEM中37℃条件下10分間で60%,30分間で約95%分解)。そのため,生細胞実験においてはHBSなどの無機塩類をベースとしたバッファーの使用を推奨しています。CNBSFはDMSOストック溶液として安定的に保管できますが,ワーキング溶液は添加直前に調製し,直ちに使用して下さい。HBS中であっても徐々にsulfonyl fluoride基の加水分解が認められ(HBS中37℃条件下30分で約50%,60分で約70%の加水分解),薬効の低下につながります。培地中で使用する場合は,使用濃度を高めに設定(eg. 100 μM~1 mM)し,実験に合わせた条件の最適化をご検討下さい。

CNSBFの安定性

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CNSBFの安定性

使用例

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原著論文

  1. Shishido, Y., et al., "A Covalent Inhibitor for Glutathione S-Transferase Pi (GSTP1-1) in Human Cells." ChemBioChem, 20(7),900~905 (2019). [PMID:30548113]

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CNBSF <Irreversible GST Inhibitor>
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キャンペーン期間 2023/11/15 ~ 2024/02/29
説明文
Glutathione S-transferase(GST)に対する不可逆的な阻害物質。既知のGST阻害物質として汎用されるethacrynic acidと比べ,高い阻害活性を示し,不可逆的なため,長期的なGSTの不活性化が可能。
CAS No:3829-23-0
別名:2-chloro-5-nitrobenzensulfonyl fluoride
法規制等
保存条件 -20℃ 法規備考
掲載カタログ ニュース2022年11月15日号 p.21
ニュース2020年10月1日号 p.19

製品記事 CNBSF(Irreversible GST Inhibitor)
脂質過酸化研究用製品特集
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CNBSF <Irreversible GST Inhibitor>

文献数: 0

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説明文 Glutathione S-transferase(GST)に対する不可逆的な阻害物質。既知のGST阻害物質として汎用されるethacrynic acidと比べ,高い阻害活性を示し,不可逆的なため,長期的なGSTの不活性化が可能。
CAS No:3829-23-0
別名:2-chloro-5-nitrobenzensulfonyl fluoride
法規制等
保存条件 -20℃ 法規備考
掲載カタログ ニュース2022年11月15日号 p.21
ニュース2020年10月1日号 p.19

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