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がん、肥満、糖尿病への影響も知られる概日リズム研究に有用です。 概日時計(Circadian clock)研究用低分子化合物

掲載日情報:2024/07/26 現在Webページ番号:71331

Focus Biomolecules社の、概日時計(Circadian clock)研究に有用な低分子化合物をご紹介します。


概日時計のイメージ

概日時計(Circadian clock)について

細胞や生物は、概日時計(Circadian clock)または概日リズム(Circadian rhythm)と呼ばれる、およそ24時間ごとに繰り返される周期的なプロセスに従います。概日時計は、睡眠、代謝、免疫機能、内分泌機能などのプロセスを調節し、内部要因(細胞の電気活動)と外部要因(光や温度など)の両方によって制御されます。概日時計は、がん、肥満、糖尿病などの疾患に大きな影響を与えます。


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製品ラインナップ

表中の商品コードをクリックすると価格表を、構造式の画像をクリックすると拡大画像をご覧いただけます。
品名 標的 概要 構造式 CAS 商品コード
KL-001 クリプトクロム(CRY)

CRY activator
CRYと特異的に相互作用し、ユビキチン依存性分解を阻害することにより概日周期の延長をもたらした1

KL-001の構造式 309928-48-1 10-1411
KL044

CRY stabilizer
概日時計タンパク質クリプトクロムの強力な安定化物質1。KL-001(#10-1411)の10倍以上の効力がある。

KL044の構造式 1801856-93-8 10-3911
KL101

Selective CRY1 stabilizer
CRY1アイソフォーム選択的安定化物質。Bmal1-dLucおよびPer2-dLucレポーター細胞の概日周期を用量依存的に延長した2

KL101の構造式 396721-89-4 10-3907
TH301

Selective CRY2 stabilizer
CRY2アイソフォーム選択的安定化物質。Bmal1-dLucおよびPer2-dLucレポーター細胞の概日周期を用量依存的に延長した2

TH301の構造式 450338-32-6 10-3909
GSK4112 REV-ERB

REV-ERBα agonist
選択的なREV-ERBα(アルファ)アゴニスト(EC50=250 nM)で、単離初代肺線維芽細胞および肺切片(10 µM)において、概日時計の位相シフトを誘導した3

GSK4112の構造式 1216744-19-2 10-5493
SR-8278

REV-ERBα antagonist
REV-ERBのアンタゴニストで、コトランスフェクションアッセイにおいて、GSK4112(REV-ERBαアゴニスト、#10-5493)がREV-ERB依存性の抑制を増強する作用を抑制した4

SR-8278の構造式 125944-66-5 10-1506
SR-9009

REV-ERB alpha/beta agonist
核内受容体REV-ERBAのアゴニストで、マウスの視床下部における概日行動とコア 時計遺伝子発現の概日パターンを変化させ、また肝臓、骨格筋、脂肪組織における代謝遺伝子発現の概日パターンの変化により、エネルギー消費を増加させた5

SR-9009の構造式 1379686-30-2 10-1511
GO289 Kinase

CK2 inhibitor
カゼインキナーゼ2(CK2)の強力な阻害物質(IC50=7 nM)。概日時計修飾因子であり、強い周期延長を引き起こした6

GO289の構造式 694522-87-7 10-4678
LH-846

Casein kinase 1 delta inhibitor
強力かつ選択的なカゼインキナーゼ(CK)1δ阻害物質(CK1δ、IC50 = 0.29 μM;CK1α、IC50 = 2.5 μM; CK1ε、IC50 = 1.3 μM)で、CK2は阻害しない。CK1δを介したPER1タンパク質のリン酸化と分解を阻害し、U2OS細胞の概日周期を延長した7

LH-846の構造式 639052-78-1 10-1465
PF-670462
dihydrochloride

Casein kinase 1 delta/epsilon inhibitor
カゼインキナーゼ1ε/δの強力な阻害物質(CK1ε、IC50 = 7.7 nM; CK1δ、IC50 = 14 nM)8で、ラット8およびカニクイザル9モデルにおいて強固な位相遅延を引き起こした。

PF-670462の構造式 950912-80-8 10-4692
Nobiletin ROR
(Retioid related Orphan Receptor)

Attenuates metabolic syndrome
柑橘類の皮から単離された天然物で、概日時計の振幅を高める特性があり、時計遺伝子依存の機構によりマウスのメタボリックシンドローム様症状の予防作用を示した10

Nobiletinの構造式 478-01-3 10-4763
SR1001

RORα gamma inverse agonist
RORαおよびRORγtに特異的に結合する合成リガンドで、IL-17A遺伝子の発現とタンパク質合成を抑制し、TH17細胞の分化と機能を阻害した11。マウスに投与すると、クエン酸シンターゼmRNA発現の概日パターンの消失が観察された12

SR1001の構造式 1335106-03-0 10-1290
SR1078

ROR agonist
RORαおよびRORγのアゴニスト13。 概日リズムの安定化ループ(stabilizing loop)の回復を介して、慢性膵炎モデルマウスにおける膵臓内の病理学的変化の軽減が見られた14

SR1078の構造式 1246525-60-9 10-4066
AE 51310 OPN4/ Melanopsin

GPCRであるOPN4/メラノプシンの強力なアンタゴニスト(ヒトOPN4、Ki=0.096 nM)で、概日リズム、瞳孔機能、メラトニン発現、認知、睡眠を制御した15

AE 51310の構造式 433966-92-8 10-4655
Lycorine HCl Protein synthesis system/ SCAP

細胞周期をG2/M期で停止させ、腫瘍細胞のアポトーシスを誘導した16。Bmal1転写を増強することで、哺乳類細胞における概日周期の長さを用量依存的に延長した17

Lycorine HClの構造式 2188-68-3 10-2608
SRT1720 HCl SIRT1

SIRT1活性化物質(EC1.5=0.16 μM、最大活性化率=781%)で、DIOマウス、Lepob/obマウス、およびZucker fa/faラットにおいて、高インスリン血症の軽減、およびグルコースレベルの部分的正常化が見られた18。概日時計遺伝子の発現を抑制し、時間特異的にヒストンH3のK9/K14アセチル化を減少させた19

SRT1720 HClの構造式 1001645-58-4 10-4628

参考文献

  1. Hirota, T., et al., Science, 337(6098), 1094~1097 (2012). [PMID: 22798407]
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  4. Kojetin, D., et al., ACS Chem. Biol., 6(2), 131~134 (2011). [PMID: 21043485]
  5. Solt, L.A., et al., Nature, 485(7396), 62~68 (2012). [PMID: 22460951]
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  13. Wang, Y., et al., ACS Chem. Biol., 5(11), 1029~1034. [PMID: 20735016]
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  18. Milne, J.C., et al., Nature, 450(7170), 712~716 (2007). [PMID: 18046409]
  19. Bellet, M.M., et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 110(9), 3333~3338 (2013). [PMID: 23341587]


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