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世界初!血液凝固反応の初期に産生する微量トロンビンを検出 SMAT®シリーズ:初期トロンビン産生検出キット

掲載日情報:2024/05/02 現在Webページ番号:71320


独自の蛍光トロンビン基質を用いて血漿試料の微量な初期トロンビン産生を検出するキットです。4種類のキットがあり、それぞれ血液凝固カスケードを部分的に活性化することで、試料の潜在的な血液凝固活性を評価することができます。疾患が血液凝固に及ぼす影響の研究や、凝固阻害剤開発研究などに有用です。

SMARTシリーズの試薬が入ったバッグの外観

血液凝固とトロンビン:測定上の問題点

トロンビン(Thrombin)は血液凝固反応において中心的な役割を果たすセリンプロテアーゼであり、血液中のフィブリノーゲンをフィブリンに変換することで血栓形成を誘導します。トロンビンは、下記の2段階の血液凝固反応によって産生されると考えられています。

トロンビンはまず、組織因子(Tissue Factor: TF)などによって活性化される血液凝固カスケードの下流で産生されますが、ここで産生される初期トロンビン(下図. )は極微量であり、血栓形成を直接誘導することはできません。そのため、産生された微量なトロンビンがカスケード上流の因子を活性化することで、さらなるトロンビン産生が誘導されます。この正のフィードバックによって産生された膨大なトロンビン(下図. )によって血液凝固が進行します。

トロンビンは血液凝固や血栓形成のマーカーとして広く利用されてきましたが、これまでのトロンビン検査の検出感度ではフィードバックによって産生される増幅期のトロンビン()しか検出できませんでした。一方で、疾患や環境因子は血液凝固反応の初期に影響を与えることが知られているため、初期におけるトロンビン産生()を評価できる手法が求められていました。

トロンビン経路のアウトライン


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測定原理

SMAT®(Smart Analysis of Thrombin Production)は、独自に設計された蛍光性トロンビン基質を用いることで、トロンビン検出感度を劇的に向上させています。これによって、従来は検出が難しかった反応初期の微量トロンビン産生を評価することに初めて成功しました。SMAT®を用いることで、これまで見過ごされてきた疾患や薬物が血液凝固初期段階に及ぼす影響を評価することが可能となります。

SMARTで見える化する

図1. 従来のトロンビン検出は、増幅・拡大後を観察していたが、
SMAT®法では反応の極初期が「見える化」される。

従来法では見えない量をSMARTなら検出可能



図2. SMAT®法は、従来法よりも遥かに優れた検出能を示す。


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製品ラインナップ

血液凝固反応を誘導する「反応開始剤」(右図. 白バイアル)を血漿試料に添加し、それによって産生される初期トロンビン量を評価します。反応開始剤が異なる4種類のキットがあり、それぞれ血液凝固カスケードの異なる領域を活性化できます。用途や目的に応じた使い分けが可能です。

キットに含まれる各種バイアル

品名 SMAT®-TF
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SMAT®-FⅧ/IX
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SMAT®-APCD
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SMAT®-TFPI
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商品
コード
#TF-001a #VIII-001a #AP-001a #TFPI-001a
原理 組織因子(TF)と活性型凝固第Ⅶ因子の作用によって生じる初期トロンビン産生量を測定。 新規カスケード反応に基づき、第Ⅷ因子と第Ⅸ因子の作用によって生じる初期トロンビン産生量を測定。 血漿中の潜在的凝固因子や外部投与試料に含まれる凝固因子によって生じる初期トロンビン産生量を測定。 血栓形成を制御する組織因子インヒビター(TFPI)の活性を測定。
評価
領域
SMAT-TFの概略図


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SMAT-FVIII/IXの概略図


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SMAT-APCDの概略図


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SMAT-TFPIの概略図


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応用例
  • 種々の疾患が血液凝固に及ぼす機序の解明
  • 抗血栓治療薬の開発/モニタリング研究
  • 種々の疾患が血液凝固に及ぼす機序の解明
  • 抗血栓治療薬・止血薬の開発/モニタリング研究
  • 種々の疾患や環境要因による血液凝固リスクの評価
  • 新規の血液凝固因子や促進物質の探索研究
  • 種々の疾患が血液凝固に及ぼす機序の解明
  • 抗TFPI治療薬の開発/モニタリング研究
測定動物種(試料) ヒト、マウス(血漿) ヒト、マウス(血漿) ヒト、マウス(血漿) ヒト(血漿)
検体数 最大20検体 最大20検体 最大20検体 最大20検体
他の動物種への適用は、当社試薬担当までお問い合わせ下さい。


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使用法概説

キットの使用法概説

全血や血清試料の評価はできません。
溶血やビリルビン値が高い血漿試料は正確に評価できないことがあります。
別途必要な機器

  • 蛍光プレートリーダー:37℃の温度制御、励起波長(350 nm 付近)、蛍光波長(460 nm 付近)におけるカイネティクス測定が可能なもの
  • マイクロピペット、マルチピペット
  • 96ウェルマイクロプレート(平底)


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SMAT®-TF(スマット組織因子)

血液凝固カスケードは、血管壁に存在する組織因子(Tissue Factor: TF)が血液中の活性化第Ⅶ因子(FⅦa)と複合体を形成し、第Ⅹ因子(FⅩ)を活性化することで開始します(下図緑矢印で示したTF経路)。SMAT®-TFは血漿試料に反応開始剤としてTFを添加することでTF経路を誘導し、TF経路による初期トロンビン産生を評価するキットです1
また本キットは、TF経路によって誘導される活性化第Ⅷ因子(FⅧa)と第Ⅸ因子(FⅨa)から成る内因性経路(下図青矢印で示した経路)を遮断して検査することから、TF経路に対する高い特異性を有しています。試料が潜在的に有するTF経路の活性化能を知ることができるため、炎症、動脈硬化、がん、感染症などの疾患においてTFが血液凝固に及ぼす機序の解明に有用です。

参考文献
1. 神窪 勇一, 大藏 直樹.「生体成分を測定する~基礎から応用まで~新規の包括的血液凝固機能検査:凝固初期のトロンビン産生を解析する高感度トロンビン産生試験について」, 臨床化学, 53(1), 17~24 (2024). [J-GLOBAL ID:202402217536891305]

トロンビン経路のアウトライン2


TF経路の性能の比較

図3. SMAT®-TFを用いたメタボリック症候群モデルマウスの血栓形成リスク評価。肥満マウスは正常マウスと比較して有意に初期トロンビン産生量が亢進していることが分かった(株式会社血栓トランスレーショナルリサーチラボと帝京大学薬学部大藏直樹教授との共同研究)。



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SMAT®-FⅧ/IX(スマット第8因子・第9因子)

血液凝固カスケードにおけるTF経路(下図緑矢印で示した経路)と、内因性経路(下図青矢印で示した経路)は、いくつかのPathwayでクロストークすることでトロンビン産生量を増幅します。例えば、TF経路によって産生したトロンビンが第Ⅷ因子(FⅧ)や第Ⅸ因子(FXI)を活性化(正のフィードバック)し、内因性経路を誘導することが知られています。近年、TF経路初期に一過性で形成される、活性化第Ⅹ因子(FⅩa)、活性型第Ⅶ因子(FⅦa)およびTFの三者複合体(FⅩa-FⅦa-TF)が、FⅧを活性化し、内因系テンナーゼ複合体(Intrinsic Xase complex、FⅧa-FⅨa)を形成させることが明らかになりました2, 3

SMAT®-FⅧ/IXは、この新規クロストーク反応に基づく初期トロンビン産生量を評価するキットであり、反応開始剤によってFⅩa-FⅦa-TFの形成が誘導されるように設計されています。FⅧはその機能異常や欠損が重篤な出血を招くことはよく知られていますが、逆に過剰に存在する場合は血栓症を引き起こします。本キットは、血友病などに代表されるFⅧやFⅨの活性低下の評価や、抗血栓治療薬・止血薬の開発、モニタリング研究に有用です。

参考文献
2. Kamikubo, Y., et al., "Selective factor VIII activation by the tissue factor-factor VIIa-factor Xa complex.", Blood, 130(14), 1661~1670 (2017). [PMID: 28729433]
3. 神窪 勇一, 「内因系テンナーゼ複合体の新たな形成メカニズム:外因系凝固開始複合体中の活性型第X因子による第VIII因子の選択的活性化」, 日本血栓止血学会誌, 32(1), 42~45 (2021). [DOI: 10.2491/jjsth.32.42]

トロンビン経路のアウトライン2

トロンビン産生におけるApixaban投与の効果


図4. SMAT®-FⅧ/IXキットを用いた抗凝固剤アピキサバンの作用モニタリング(株式会社血栓トランスレーショナルリサーチラボと北海道医療大学 家子 正裕名誉教授との共同研究、特許6883899「血液凝固検査試薬、および血液凝固検査方法」から引用)。

SMATおよび従来法によるFⅧ/IX評価


図5. SMAT®-FVIII/IXキットを用いた抗凝固剤アピキサバンの副作用リスク評価
出血患者の血漿は非出血患者の血漿と比較して初期トロンビン産生が有意に低下することが分かった。この低下傾向は従来の血液凝固試験(PT-INR法)では検出できなかった。(株式会社血栓トランスレーショナルリサーチラボと北海道医療大学 家子 正裕名誉教授との共同研究、特許6883899「血液凝固検査試薬、および血液凝固検査方法」から引用)。



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SMAT®- APCD(スマット活性化凝固物質検出)

SMAT®-APCD(Active Pro-Coagulant Detector)は、他のSMAT®キットとは異なり、反応開始剤にタンパク質の凝固開始因子を含んでいません(凝固反応に必要な最低限の物質が含まれています)。そのため、健常の血漿試料であれば初期トロンビン産生が誘導されませんが、特定の疾患モデルの血漿試料であれば、試料に微量に含有している何らかの凝固開始因子によって微量の初期トロンビン産生が誘導されることがあります。これによって疾患などが血液凝固に与える潜在的な影響を評価できます。また、コントロール血漿に外部試料(細胞培養液、体液、生物製剤など)を添加して測定をすることで、試料に含まれる血液凝固因子や促進物質を探索・評価することも可能です。

SMATは外部因子の影響も評価できる


SMATによるメタボリック症候群マウスの血栓形成リスク評価

図6. SMAT®-APCDを用いたメタボリック症候群モデルマウスの血栓形成リスク評価(株式会社血栓トランスレーショナルリサーチラボと帝京大学薬学部生体防御学研究室との共同研究)。
メタボリック症候群モデルマウスは正常マウスと比較して有意に初期トロンビン産生量が上昇した(図6. 左)。この上昇は抗TF中和抗体によって阻害された(図6. 右)ことから、メタボリック症候群モデルマウスの血漿には微量の凝固活性を有するTFが存在していることが明らかとなった。



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SMAT®-TFPI(スマット組織因子経路インヒビター)

TFPI(Tissue Factor Pathway Inhibitor)は、TF-FⅦaやFⅩaの活性を阻害することでトロンビン産生を抑制する因子です。TF経路ではTFPIというブレーキ役によって初期トロンビン産生量が制御されており、TFPI活性の異常は種々の疾患に関連していることが知られています。TFPIで制御される初期トロンビン産生量は微量であるため、これまでTFPI活性を評価することは困難でしたが、SMAT®の高感度トロンビン検出によって血漿中のTFPI活性を評価することが初めて可能となりました。SMAT®-TFPIは反応開始剤とは別に抗TFPI中和抗体が内容物として含まれており、抗TFPI中和抗体添加時、非添加時のトロンビン産生量の差によって試料中のTFPI活性を算出します。抗TFPI治療薬の開発やモニタリング研究などに有用です。

SMATとTFPI経路

トロンビン産生におけるApixaban投与の効果

図7. SMAT®-TFPIの検証データ
外部TFPIの添加によって中和抗体が機能していることを評価した。外部TFPI無添加時(0 nM)の抗TFPI抗体存在下、非存在下のトロンビン産生量の差で、試料のTFPI活性を算出した。

SMATによるFⅧ/IX評価


図8.SMAT®-TFPIを用いたTFPI活性の個体によるばらつきの評価



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SMAT®を用いた受託試験

本キットによる初期トロンビン産生評価を代行する受託試験もご利用いただけます。受託試験には対象の血漿試料をご郵送いただく必要があります。詳細は、当社受託・特注品担当(✉ jutalu@funakoshi.co.jpまでお問い合わせ下さい。



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関連製品

血液凝固カスケード各因子(プロトロンビン、Factor Ⅷ/Ⅸ/Ⅸa/Ⅹa)の酵素活性を測定できる一連のキットです。
画像をクリックすると、Rossix社製品の掲載記事をご覧いただけます。

SMARTシリーズの試薬が入ったバッグの外観

ROXシリーズ:血液凝固因子の活性測定キット



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(テクニカルサポート 試薬担当)

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