HOME> 試薬> 抗体> 一次抗体> 抗チューブリン抗体(Synaptic Systems社)
HOME> 試薬> 抗体> 免疫染色(IHC)> 抗チューブリン抗体(Synaptic Systems社)

各種チューブリンの検出に有用な抗体 抗チューブリン抗体(Synaptic Systems社)

掲載日情報:2023/04/13 現在Webページ番号:71169

翻訳後修飾を区別しない、幅広い動物種に対する、Synaptic Systems社の各種α-チューブリン抗体(モノクローナル、ポリクローナル、および組換え抗体)です。また、翻訳後修飾を受けた、Glu-チューブリン、ポリグルタミル化チューブリン、およびTyr-チューブリンに特異的なモノクローナル抗体もあります。

免疫蛍光染色使用例

抗α-Tubulin抗体(#302008)を使用したメタノール固定マウス線維芽細胞の免疫蛍光染色像
赤色:抗α-Tubulin抗体、緑色:抗Giantin抗体、青色:核(DAPI)

細胞骨格とチューブリンについて

細胞骨格は細胞の構造を内部から補強する役割を担い、さまざまなタンパク質生体高分子で構成されています。これは複雑で動的なネットワークであり、真核生物では、アクチン-マイクロフィラメント、中間径フィラメント、微小管の3つの主要なタンパク質生体高分子から構成されています。これら3種類のフィラメントはすべて会合と解離により、細胞の要件に応じて急速に成長および収縮することができます1

微小管は、α-チューブリンとβ-チューブリンが繋がったダイマー(二量体)を基本構成単位としています。これらは重合することでプロトフィラメントとなり、最終的に会合して束となり中空の微小管を形成します。微小管は細胞骨格の重要な構成パーツであり、真核細胞に形状と構造を提供します。さらに微小管は、細胞分裂、細胞内輸送、細胞運動などのプロセスにも関与しています2

ハウスキーピング遺伝子として、チューブリンはすべての細胞で豊富に発現しているため、ウエスタンブロット実験のローディングコントロールとして頻繁に使用されます。それらは、免疫細胞染色および免疫蛍光染色で微小管ネットワークを可視化するために一般的に使用されるマーカータンパク質でもあります。

参考文献(クリックして開閉)

目次に戻る

チューブリンの翻訳後修飾

通常、微小管の半減期は5~10分とかなり短いですが、一部の翻訳後修飾を受けたチューブリンバリアントは数時間持続することがあります。一般的に、翻訳後修飾は微小管の重合と脱重合を調節し、細胞骨格の動的変化(cytoskeleton dynamics)の微調整に重要な役割を果たしています3

脱チロシン化/チロシン化:α-チューブリンのC末端のチロシンは遺伝的にコード化されていますが、翻訳後にバソヒビン(Vasohibin)によって除去され、新しく形成されたC末端で遊離グルタミン酸が露出します4。このチューブリンバリアントは、Glu-チューブリンと呼ばれることが多く、たとえばニューロンや腎臓の糸球体で観察されます。この脱チロシン化反応は、チューブリン-チロシンリガーゼ(TTL)によって復元することができます。チロシン化されたα-チューブリンは、Tyr-チューブリンと呼ばれ、出生後のマウス胚の生存に不可欠です5

ポリグルタミル化:いくつかのグルタミン酸(典型的に4~6個)が、α-およびβ-チューブリンのC末端部分にあるグルタミン酸残基に付加されます6,7。このポリグルタミル化されたチューブリンは、たとえばニューロンや有糸分裂紡錘体で観察されます。

δ2-Tubulin

α-チューブリンの最後の2つのアミノ残基の不可逆的な除去により、δ2またはδ2-チューブリンが形成されます。この高度に安定化されたα-チューブリンバリアントはニューロンに局在が限定されているため、ニューロン細胞骨格の標識のマーカーとして頻繁に使用されます8

参考文献(クリックして開閉)

目次に戻る

関連製品:β-チューブリン

β-Ⅲ Tubulin

TuJ1としても知られるクラスⅢβ-チューブリンは、中枢および末梢神経系(CNSおよびPNS)に豊富に発現し、胎児および出生後の発育中に顕著に発現します9。 また、神経由来でない特定の腫瘍で発現することも報告されています10

参考文献(クリックして開閉)

目次に戻る

製品ラインナップ

商品コードをクリックすると各製品の価格表をご覧いただけます。
品名免疫動物クローン名交差性性状標識適用包装商品コード
抗α-Tubulin抗体Rabbit-Mono
(Recombinant)
RbF2CHu、Ms、Rt、Bov精製IgG未標識IC、IHC、WB100 μg302008
Rabbit-Poly-Hu、Ms、Rt、Mam、Chkアフィニティ精製ELISA、IC、IHC、WB100 μg302203
Guinea Pig-Poly-Hu、Ms、Rt抗血清IC、IHC、WB100 μl302204
Chicken-Poly-Hu、Ms、Rtアフィニティ精製IC、IHC、WB50 μg302206
Mouse-Mono3A2Hu、Ms、Rt、Vertebrates、
Invertebrates、Yeast
精製IgGELISA、IC、IHC、IP、WB100 μg302211
Oyster 550IC50 μg302211C3
Rat-Mono37B5Mam、Chk精製IgG未標識IC、IHC、WB100 μg302217
Guinea Pig-Mono
(Recombinant)
Gp3A2Hu、Ms、Rt、Vertebrates、
Invertebrates、Yeast
精製IgGIC、IHC、WB50 μg302308
Mouse-Mono88B6Hu、Ms、Rt精製IgMIC、IHC、WB100 μg302411
抗δ2-Tubulin抗体Rabbit-Poly-Hu、Ms、Rt、Mamアフィニティ精製IC、IHC、WB50 μg302213
抗Glu-α-Tubulin抗体Mouse-Mono1D5Hu、Ms、Rt、Zebrafish、
Eukaryotes
精製IgGELISA、IC、IHC、WB100 μg302011
抗Tyr-α-Tubulin抗体Rat-MonoYL1-2Hu、Ms、Rt、Vertebrates、
Invertebrates、Yeast
精製IgGIC、IHC、IP、WB100 μg302117
抗β3-Tubulin抗体Rabbit-Mono
(Recombinant)
Rb356E3Ms、Rt精製IgGIC、IHC、WB50 μg302408
Rabbit-Poly-Hu、Ms、Rt抗血清IC、IHC、IP、WB200 μl302302
Guinea Pig-Poly-Hu、Ms、Rt抗血清IC、IHC、IP、WB100 μl302304
Chicken-Poly-Hu、Ms、RtIgY画分IC、IHC、WB200 μl302306
Mouse-Mono356E3D10Ms、Rt精製IgGIC、IHC、IP、WB100 μg302311
Mono:Monoclonal、Poly:Polyclonal、Hu:Human、Ms:Mouse、Rt:Rat、Mam:Mammalian、Chk:Chicken、Bov:Bovine、IC:免疫細胞染色、IHC:免疫組織染色、IP:免疫沈降、WB:ウエスタンブロット

目次に戻る

使用例


マウス腎臓組織の免疫染色像

マウス腎臓組織の免疫染色像
試料:マウス腎臓のPFA固定パラフィン包埋組織切片
茶色:抗Tyr-α-Tubulin抗体(#302117
青色:核(Hematoxylin)

マウス腎臓組織の免疫染色像

マウス腎臓組織の免疫染色像
試料:マウス腎臓のPFA固定パラフィン包埋組織切片
茶色:抗Glu-α-Tubulin抗体(#302011
青色:核(Hematoxylin)

マウス眼球切片の免疫蛍光染色像

マウス眼球切片の免疫染色像
試料:マウス眼球のPFA固定パラフィン包埋切片
赤色:抗α-tubulin抗体(#302211
青色:核(DAPI)


マウス大脳皮質組織の蛍光染色像

マウス大脳皮質組織の免疫蛍光染色像
試料:マウス大脳皮質のPFA固定組織切片
赤色:抗β3-Tubulin抗体(#302311
青色:核(DAPI)

マウス線維芽細胞の免疫蛍光染色像

マウス線維芽細胞の免疫蛍光染色像
試料:メタノール固定マウス線維芽細胞
赤色:抗α-Tubulin抗体(#302008
緑色:抗Giantin抗体(#263005
青色:核(DAPI)

ラット海馬ニューロンおよびアストロサイトの蛍光染色像

ラット海馬ニューロンおよびアストロサイトの免疫蛍光染色像
試料:ラット海馬ニューロンおよびアストロサイト
赤色:抗δ2-Tubulin抗体(#302213
青色:抗Synaptotagmin1抗体(#105011
緑色:抗GFAP抗体(#173004

目次に戻る

お問い合わせ先

(テクニカルサポート 試薬担当)

reagent@funakoshi.co.jp

製品情報は掲載時点のものですが、価格表内の価格については随時最新のものに更新されます。お問い合わせいただくタイミングにより製品情報・価格などは変更されている場合があります。
表示価格に、消費税等は含まれていません。一部価格が予告なく変更される場合がありますので、あらかじめご了承下さい。