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Cygnus Technologies社 ELISAキットトラブルシューティングガイド

掲載日情報:2023/03/22 現在Webページ番号:70981

ELISAプレートの洗浄操作テクニック

ELISAでトラブルが生じる場合、プレートの洗浄操作で装置や手技に不備があることが多い、とCygnus Technologies社では長年の経験から感じています。洗浄操作の目的は結合しなかった反応物を除くことですが、同時にプレート上の抗体と結合した反応物も解離させてしまう恐れがあること、また洗浄操作次第でその程度が大きく変わります。経験上、マニュアル法での洗浄と比較すると、自動化されたプレートウォッシャーやハンディタイプのマルチチャンネル洗浄器はパフォーマンスが劣ることがあります。一部のプレートウォッシャーは、ごく少量とは言え、無視できない量の液体をウェル内に残してしまい、マニュアル法での洗浄と比べてばらつきのある、そして高いバックグラウンドの原因となる場合があります。逆に、前工程の試薬の持ち越しを減らすためのウォッシャーによる過剰な洗浄は、洗浄と吸引が物理的に強すぎて、プレート上の抗体に結合した反応物を解離させてしまうことに繋がります。これは低い吸光度と高いCV値、両方の原因となり得ます。これらの理由から、最適なアッセイの結果を得るため、Cygnus Technologies社では以下のマニュアル法での洗浄操作を推奨しています。

ELISAプレートの洗浄操作_1
ELISAプレートの洗浄操作_2
ELISAプレートの洗浄操作_3

マニュアル法での洗浄操作(クリックで開閉します)

必要な装置

洗浄操作に必要なものは、洗浄瓶とペーパータオル(繊維が出にくいもの)のみです。洗浄瓶のノズル先端の細い部分はカットすることをお勧めします。液量を多く、穏やかに排出できるようになります。またWash bufferが周囲にこぼれる恐れがありますので、洗浄操作は大きなシンクの上での実施を推奨します。

ステップ1. プレートから液体を捨てる

まずプレートを底面側から掴みます。中心部のストリップのツメを親指とその他の指で両側から押さえていれば、フレームからストリップが外れることは通常ありません。シンクの上で手のひらを返し、プレートを反転させ、腕と手をすばやく少し下に押し出すようにします。反転と同時にこの腕の動きを止めることで、プレート内の液体を勢いよく捨てることができます。この動作を適切に実施していれば、指が濡れたり、液体がストリップの外側やフレームに付着したりすることはありません。同じ操作をもう一度繰り返して下さい。

ステップ2. プレートをペーパータオルへ打ちつける

プレートを上下逆さまにした状態で、すぐにペーパータオルへ打ちつけて、水分を吸い取ります。その後、ペーパータオル内の未使用の場所で打ちつけることを3回繰り返します。この際、プレート内に残った液体を完全に除こうと過度に強い力で打ちつける必要はありません。プレートへ不均等に衝撃が加わることで、反応物が解離する恐れがあります。

ステップ3. 洗浄

洗浄瓶を用いて、プレートの端からすべてのウェルに指定の調製済みWash bufferを満たしていきます。バッファーは溢れるほど入れても問題ありません。

指定以外の組成のWash bufferを使用しないで下さい。結果に影響する場合があります。
バッファーがウェルの外に溢れても問題ありません。プレートの底面が汚れた場合は、基質添加前に拭いて下さい。
各ウェルを長時間バッファーに浸さないで下さい。

すべてのウェルにWash bufferを入れ終えたら、速やかにプレートを裏返し、ステップ1・2に沿ってプレート内の液体を捨てて下さい。

ここまでの流れをもう3回繰り返します(合計4回の洗浄操作)。2回目と4回目の操作では、Wash Bufferをそれまでと逆の順でウェルに添加して下さい(例:1、3回目にウェルA1からWash bufferを添加した場合、2、4回目はウェルH12からスタートするなど)。これにより、Wash bufferに触れる時間をすべてのウェルで揃えることができます。5回以上の追加の洗浄操作は必要ありません。むしろ、余分に洗浄を増やすことで一部の反応物が解離し、感度低下の原因となり得ます。

最後のWash操作を終えたら、ステップ1・2に沿ってプレート内の液体を捨てて下さい。プレートは上下逆さまにしたまま20秒ほど静置し、水気を切ります。最後にプレートをもう4回、しっかりとペーパータオルに打ちつけます。この時、1回打ちつけるごとにプレートの向きを180度回転して下さい。これにより、プレートの外側が平均して同じ力を受けるよう調整できます。

ステップ4. プレートの拭き取り

プレート底面についた液体を綺麗に拭き取ります。これで洗浄操作は完了です。速やかに基質を添加して下さい。

ウェルを乾燥させないように注意して下さい。酵素の活性低下の原因となります。
一連の洗浄操作を行なったシンクと実験台の近くで基質を添加しないで下さい。洗浄操作により生じたエアロゾルがプレートや基質へ混入する恐れがあります。

動画

Washing Technique for Microtiter Plate - ELISA(英語、約5分)

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