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in situ近接ライゲーションアッセイキット Naveni Proximity Ligation Kitシリーズ

掲載日情報:2024/11/14 現在Webページ番号:70939

Navinci Diagnostics社独自の技術で改良されたin situ近接ライゲーションアッセイ(PLA: proximity ligation assay)によって培養細胞、凍結組織切片、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)試料切片中の単一タンパク質、タンパク質間相互作用およびタンパク質修飾を顕微鏡下で特異的かつ高感度に検出するキットです。検出対象を自由に選択できるフレキシブルタイプのキット(一次抗体なし)と、 特定の標的タンパク質相互作用の検出に特化した標的特異的なキット(一次抗体付属)をラインナップしています。

開発の背景と原理

開発の背景

タンパク質間相互作用は、タンパク質が正常に機能する上で非常に重要な役割を担っています。そのため、生体内のシグナル伝達経路や生理機能を明らかにするためには、タンパク質同志がどのように相互作用しているか正確に理解することが必要不可欠です。タンパク質間相互作用の検出方法には、生体発光共鳴エネルギー転移(BRET)、プルダウンアッセイおよび共免疫沈降法(Co-IP)などのさまざまな手法が用いられています。しかし、これらの手法の多くは解析過程でタグタンパク質の発現による細胞機能の改変や、試料調製時における組織の破壊が伴います。そのため、インタクトな組織では、本来は近接することがないタンパク質が解析過程で結合したり、相互作用しないタンパク質同士が相互作用しているように見える非特異的シグナルが問題となっていました。また、これらの手法は実験の簡便さや検出感度の面においても課題がありました。

in situ近接ライゲーションアッセイ(Proximity Ligation Assay:PLA)は、組織中で高感度かつ高い特異性でタンパク質間相互作用の検出を可能にした手法です。2種類の一次抗体を用いて標的タンパク質を特異的に認識し、さらに抗体に標識されたオリゴDNAのローリングサークル増幅(Rolling Circle Amplification:RCA)によるシグナル増幅を組み合わせて検出します。また、適切な一次抗体を用いることで、単一タンパク質及びタンパク質修飾の高感度検出にも利用できます。Navinci Diagnostics社はこのPLA法に改良を加えることにより、感度と特異性のさらなる向上を実現しました。Navinci Diagnostics社のキットは、下記の手順でターゲットの検出を行います。


原理

試料のブロッキング
Blocking workflow-1 workflow-2 workflow-3 workflow-4
試料のブロッキング workflow-1 workflow-2 workflow-3 workflow-4

  • ①:2種類の一次抗体が、1つのタンパク質または近接する2つのタンパク質上の標的エピトープに結合する。
  • ②:Navenibody(独自設計のオリゴDNAで標識された二次抗体)がそれぞれの一次抗体と結合する。
  • ③:Navenibodyに標識されたオリゴDNA同士が近接(40 nm以内)することで相互作用し、環状DNAを形成する。
  • ④:ポリメラーゼを添加し、RCAを行う。増幅されたDNAに蛍光プローブまたはHRP標識プローブを結合させ、蛍光または発色によって検出する。



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特長

  • 非常に高い感度と特異性を両立しています。
  • タンパク質間相互作用、単一タンパク質、タンパク質修飾の検出が可能です。
  • 培養細胞、組織切片試料の両方に対応します。
  • 実験間で高い再現性が得られます。

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適応試料

接着細胞(8 wellスライド) サイトスピン 細胞ペレット 組織切片(さまざまなサイズ) TMA(さまざまなサイズ)
接着細胞(8 wellスライド) サイトスピン 細胞ペレット 組織切片(さまざまなサイズ) TMA(さまざまなサイズ)


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フレキシブルタイプのキット

 ☞ NaveniFlex、NaveniBrightキット  ☞ Naveni TriFlex Cell MR Kit  ☞ NaveniLink Kit  ☞ Naveni Control Kit 

組織・細胞中におけるタンパク質間相互作用、タンパク質翻訳後修飾、単一タンパク質の検出に利用できるキットです。一次抗体を変えることでさまざまな標的を検出可能です。試料の種類、一次抗体の免疫動物の組み合わせ、検出に用いる蛍光色素、発色基質の種類に応じて製品を選択可能です。

一次抗体は製品に付属しません。別途ご用意下さい。


製品ラインナップ


商品コードをクリックすると各製品の価格表をご覧いただけます。

対応試料 一次抗体の免疫動物 品名 検出方法 商品コード
細胞 マウス、ウサギ NaveniFlex Cell MR RED 蛍光
(TEX615)
NC.MR.100.Red
NaveniFlex Cell MR Atto647N 蛍光
(Atto647N)
NC.MR.100.Atto
組織
(凍結またはFFPE)
マウス、ウサギ NaveniFlex Tissue MR RED 蛍光
(TEX615)
NT.MR.100.Red
NaveniFlex Tissue MR Atto647N 蛍光
(Atto647N)
NT.MR.100.Atto
組織(凍結またはFFPE)、
細胞
マウス、ウサギ NaveniBright HRP 発色
(HRP)
NB.MR.HRP.100


 測定波長

  • TEX615:励起596 nm/蛍光613 nm
  • Atto647N:励起646 nm/蛍光664 nm

染色例


■ NaveniFlex Cell

ヒストンH3およびラミンB1との相互作用とそのin situ近接ライゲーションアッセイの検出モデル

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ヒストンH3およびラミンB1との相互作用とそのin situ近接ライゲーションアッセイの検出モデル

Navenibodyが近接している場合のみ、ローリングサークル増幅反応が起こり、強く明瞭なシグナルが得られる。

NaveniFlex Cell MR Redを用いたMCF7細胞中のヒストンH3とラミンB1の相互作用の検出

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NaveniFlex Cell MR Redを用いたMCF7細胞中のヒストンH3とラミンB1の相互作用の検出

  • 赤色:検出されたシグナル
  • 青色:核染色シグナル
■ NaveniFlex Tissue

E-カドヘリンおよびβ-カテニンの相互作用とその<i>in situ</i>近接ライゲーションアッセイの検出モデル

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E-カドヘリンおよびβ-カテニンの相互作用とそのin situ近接ライゲーションアッセイの検出モデル

NaveniFlex Tissueを用いた正常な結腸組織のE-カドヘリン/β-カテニンの相互作用の検出

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NaveniFlex Tissueを用いた正常な結腸組織のE-カドヘリン/β-カテニンの相互作用の検出

  • 黄色:E-カドヘリン/β-カテニン相互作用
  • 赤色:サイトケラチン染色
  • 青色:細胞核のDAPI染色
■ NaveniBright

NaveniBright HRPを用いた皮膚組織のE-カドヘリン/β-カテニン相互作用の明視野観察像

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NaveniBright HRPを用いた皮膚組織のE-カドヘリン/β-カテニン相互作用の明視野観察像

キット内容


品名 NaveniFlex Cell MR NaveniFlex Tissue MR NaveniBright HRP
キット内容 Block
Diluent
Buffer 1/2*
Enzyme 1/2
Navenibody M1
Navenibody R2
Blocking buffer
Supplement 1/2
Antibody diluent
Navenibody diluent
HRP reagent & HRP substrate 1/2/3/4
HRP diluent
Nuclear stain

キットにより内容は異なります。

Naveni TriFlex Cell MR Kit(#TF.100.MR

細胞試料中の2種類のタンパク質について、相互作用しているもの、単独で存在するものを3種類の蛍光色素(検出にはFITCCy3Cy5フィルターを使用)で判別するキットです。一次抗体を変えることで任意の標的を検出できます。

一次抗体は製品に付属しません。別途ご用意下さい(一次抗体免疫動物はマウス、ウサギの組み合わせに対応します)。


検出原理

Naveni TriFlex Cell MR Kit(#TF.100.MR)の検出原理

検出は2種類の標的タンパク質AおよびBに対する一次抗体と、独自のTriFlex Navenibodies(オレンジ色で表記された抗体)によって行う。総タンパク質A(遊離およびBとの複合体、黄色)、総タンパク質B(紫色)、AB相互作用(青色)を3種類の蛍光色素によって独立したシグナルとして検出することができる。

染色例

Naveni TriFlex Cellによって細胞発生過程におけるヒストンH3とラミンB1間の相互作用の変化を観察した。

Naveni TriFlex Cell MR Kitによる有糸分裂細胞の染色例

有糸分裂細胞では、核膜が分解し、ラミンB1シグナル(黄色)が拡散するが、ヒストンH3(マゼンタ)は中期板付近に留まる。ヒストンH3-ラミンB1の複合体(シアン)は分解して見られない。

Naveni TriFlex Cell MR Kitによる非分裂細胞の染色例

非分裂細胞では、遊離したラミンB1が核膜に局在し、核質においてはクロマチンに結合したヒストンH3上で複数のヒストンH3とラミンB1相互作用が起こる。

Naveni TriFlex Cell MR Kitによるオンコーシス初期の染色例

オンコーシス初期の細胞では核が膨張している。核質中のヒストンH3-ラミンB1複合体の密度が低くなり、結合していないフリーのヒストンH3-ラミンB1が見られる。

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キット内容

  • Block TF
  • Diluent 1/2 TF
  • Navenibody M/R TF
  • Buffer 1/2
  • Enzyme 1/2

2種類の抗体にそれぞれ異なるオリゴDNAを標識し、Navenibodyを調製するコンジュゲーションキットです。本キットで調製したNavenibodyはNaveniFlex Cell、NaveniFlex Tissue、NaveniBrightキットを用いた近接ライゲーションアッセイに利用できます。

抗体は製品に付属しません。別途ご用意下さい。


キット内容

  • Oligo arm 1 and 2
  • Modifier and quencher

Naveni Control Kit(#NF.CK

Naveniキットのコントロールとして用いるためにデザインされたキットです。

適応するキット

キット内容

  • Anti-mouse Her2 primary antibody
  • Anti-rabbit Her2 primary antibody
  • Three slides with fixed, pre-treated, and dehydrated BT474 cells

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標的特異的なキット

 ☞ Naveni PD1/PD-L1キット 

Naveni PD1/PD-L1キット

PD1/PD-L1およびCD8/MHC-Ⅰの相互作用の検出に対応する一次抗体を含むオールインワンタイプのキットです。

製品ラインナップ


商品コードをクリックすると各製品の価格表をご覧いただけます。

検出ターゲット 対応試料 品名 検出方法 商品コード
PD1/PD-L1タンパク質の相互作用 ヒト組織試料
(FFPE)
Naveni PD1/PD-L1 HRP 発色
(HRP)
PPI.PDL1.HRP.100
ヒト組織
(凍結またはFFPE)
Naveni PD1/PD-L1 Atto647N 蛍光
(Atto647N)
PPI.PDL1.FR.100
CD8/MHC-Ⅰタンパク質の相互作用 ヒト組織試料
(FFPE)
Naveni CD8/MHC-Ⅰ Atto647N 蛍光
(Atto647N)
PPI.TCR01.FR.100

 測定波長

  • Atto647N:励起646 nm/蛍光664 nm

染色例


Naveni PD1/PD-L1 HRP

扁桃腺組織切片を用いたPD1:PD-L1タンパク質間相互作用の染色像

扁桃腺組織切片を用いたPD1:PD-L1タンパク質間相互作用の染色像

Naveni PD1/PD-L1 Atto647N

非小細胞肺がん細胞を用いたPD1:PD-L1タンパク質間相互作用の染色像

非小細胞肺がん細胞を用いたPD1:PD-L1タンパク質間相互作用の染色像

Naveni CD8/MHC-Ⅰ Atto647N

肝がん細胞を用いたCD8:MHC-Ⅰタンパク質間相互作用の染色像

肝がん細胞を用いたCD8:MHC-Ⅰタンパク質間相互作用の染色像

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キット内容


品名 Naveni PD1/PD-L1 Naveni CD8/MHC-Ⅰ
HRP Atto647N Atto647N
キット内容 Blocking buffer
Antibody diluent
Navenibody diluent
HRP reagent
HRP substrate 1/2/3/4
HRP diluent
Supplement 1/2
Nuclear stain
Navenibody M1
Navenibody R2
PD1 antibody
PD-L1 antibody
CD8 antibody
MHC-I antibody
Buffer 1/2
Enzyme 1/2
Block
Diluent
Post-block supplement
Detection reagent, Atto647N


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お問い合わせ先

(テクニカルサポート 試薬担当)

reagent@funakoshi.co.jp

製品情報は掲載時点のものですが、価格表内の価格については随時最新のものに更新されます。お問い合わせいただくタイミングにより製品情報・価格などは変更されている場合があります。
表示価格に、消費税等は含まれていません。一部価格が予告なく変更される場合がありますので、あらかじめご了承下さい。