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お手持ちの組織のRNAおよびタンパク質情報を同時に定量解析します! GeoMxシステムによる空間プロファイリング解析受託解析サービス

掲載日情報:2023/02/28 現在Webページ番号:70813

GeoMxシステムは米国NanoString Technologies社が開発したハイプレックスなデジタル空間プロファイリングシステムです。空間イメージングとハイプレックスプロファイリングを統合した解析を行うことができます。多重免疫染色スライドを用い、任意に指定した腫瘍や間質などの関心領域(Region of Interest: ROI)の遺伝子発現やタンパク質の定量解析を行います。あらかじめ組織上に結合させたインデックスオリゴを回収して解析するため、物理的に組織自体を傷つけることなく空間情報を維持したままトランスクリプトーム解析が行えます。

GeoMx 空間プロファイリング

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GeoMxシステムによる空間トランスクリプトーム解析とは

意義と概要

生物は、多種多様な細胞により構成されており、それぞれの細胞が「個性」を獲得することにより組織固有の機能を担っています。トランスクリプトーム解析を実行する上で、生体を構成する遺伝子やタンパク質などの標的物質を網羅的に解析することが重要となります。しかし、従来のin situ hybridizition法(FISH法)や免疫染色法(IHC法)では、特定の標的物質の評価しか行えませんでした。NGSにより網羅的な解析は可能ですが、各標的物質の組織上の空間分布は把握できません。

一方で、空間トランスクリプトームを用いることにより、空間の特定領域における標的を網羅的に解析することができます。

空間トランスクリプトーム解析の2つの手法

空間トランスクリプトーム解析には、研究目的・用途によって以下の2つのアプローチの方法に大別されます。

GeoMx Digital Spatial Profiler

図をクリックすると拡大します(拡大図

GeoMx Digital Spatial Profiler

空間トランスクリプトーム解析

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空間トランスクリプトーム解析

網羅型

組織切片全体を俯瞰できるよう等間隔に領域を選定し、切片全体の標的情報(遺伝子発現)を解析する手法で、10×Genomics社が「Visium」という商標でサービス化しています。専用のスライドガラスに病理切片を貼付し、スライドに一定の間隔でデザインされたスポット上の分子バーコードを回収後、mRNAの定量解析を行います。

局在型

NanoString社がGeoMxという商標でサービス化している手法で、マーカー抗体による多重蛍光免疫染色標本を画像処理でイメージ化し、それをもとに腫瘍や間質などの関心領域(resion of interest、ROI)を設定します。ROIごとに分子バーコードを回収後、mRNAやタンパク質、あるいはその両方の定量解析を行います。この手法は、従前の解析手法であるlaser capture microdissection(LCM)を高精度に進化した技術になります。免疫染色で使用するマーカー抗体を試験目的に応じて選択することで、様々な病態の研究に対応することが可能です。

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GeoMxの解析ステップ概略

免疫染色やISHでは限られたターゲットの情報しか得ることができません。一方、NanoString社のGeoMxを用いることにより、ヒトおよびマウスの約20,000種の遺伝子や100種以上のタンパク質を1回のアッセイで解析することが可能です。このような特徴から、免疫腫瘍学や神経科学のアーリーフェーズのマーカー探索研究などに有用と考えられます。ユーロフィンジェネティックラボ社では、マーカー選定後の免疫染色やISHなどの従前技術にも対応でき、幅広い研究フェーズをカバーしたワンストップな研究支援をご提供いたします。

GeoMxの解析ステップ概略

GeoMxの解析ステップ概略

  • 蛍光多重染色標本の作製:RNA検出にはインデックスオリゴならびにRNA検出用プローブを、タンパク質検出にはインデックスオリゴと抗体を使用します。
  • イメージング、ROIの選択:①で染色した画像を共有し、回収するROIの選定を行います。
  • インデックスオリゴの遊離:1 μm角のミラーが100万個整列した「デジタルマイクロミラーデバイス」を用い、ミラーの角度を変えてROIにUV光を照射することでインデックスオリゴを遊離させます。
  • ROI回収:回収したプローブは96ウェルプレートの各ウェルに保存されます。
  • 定量・解析:プローブは個々のターゲットを標識する分子バーコードで標識されており、タンパク質であればnCounter、RNAであればNGSを用いて判読します。判読後のデータをGeoMxへインポート後、アプリケーションソフトで解析したデータをご報告します。

ROIの選択方法

ROIについては、GeoMxアプリケーションツールから下記の5種類の回収方法を選択することが可能です。

GeoMxの解析ステップ概略

ROIの選択方法

  1. Geometric:円型や四角型、五角形型またはフリーハンドのパターンで領域を選定・回収します。組織上の様々な領域中の発現不均一性の研究に適しています。直径または一辺が10~650 μmの範囲で選択が可能です。
  2. Segmentation:マーカー抗体により細胞を識別し、染色パターンに基づいて領域を指定します。例えば、腫瘍微小環境(TME)など、生物学的コンパートメントごとの発現プロファイルの研究に適しています。
  3. Rare Cell:単一細胞ごとに選定・回収します。特定細胞集団の発現プロファイルの研究に適しています。
    単一細胞レベルでの解析はできません。マーカーで識別した同一細胞集団での解析となります。
  4. Contour:天気図の等圧線のように、特定の領域から等間隔に選定・回収します。微小環境において、境界の両側でどのような発現変化が生じているのかを確認する研究に適しています。
  5. Gridded:切片全体にグリッド線を引き選定・回収します。複数ターゲットの変動を特定の組織領域で詳細にマッピングする研究に適しています。ROIあたり250分子程度のバーコードオリゴを回収できれば解析が可能です。目安として、≧直径200 μm/ROIまたは≧200 cells/ROIが必要な回収量となります。

ROIの回収方法

ROIの回収としてレーザーマイクロダイセクション(LCM)が一般的に知られています。LCMでは、スライドガラスに貼り付けた組織中のROIをレーザーで切り出し、回収された組織から抽出した核酸を用いてシークエンサーなどで解析を行います。GeoMxシステムでは、組織そのものではなく、組織にあらかじめ結合させていた抗体やプローブを標識しているインデックスオリゴを回収します。

1 μm角のミラーが100万個整列した「デジタルマイクロミラーデバイス」を用い、ミラーの角度を変えてROIに選択的にUV光を照射することでバーコードを遊離させ、キャピラリーで回収して96ウェルプレートの各ウェルに保存します。このバーコードを定量化し、各ROIにマッピングすることで空間情報を保持したまま発現プロファイリングを完成させることができます。ユーロフィンジェネティックラボ社の受託サービスでは、遺伝子発現解析はNGS、タンパク発現解析はnCounterにて定量化を行います。遺伝子発現解析、タンパク発現解析、ともに様々な特徴のパネルが展開されており、腫瘍学、免疫腫瘍学、神経生物学などの分野で有用です。

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特長

  • 豊富な網羅的発現解析データ(18,000以上のRNA、数十以上のタンパク質)を取得できます。
  • ROIを識別し、位置情報を保持したまま数十から数百細胞レベルでの解析が可能です。
  • FFPEアーカイブ検体を用いた解析が可能です。
  • 蛍光染色画像やヒートマップなど美しくインパクトのある解析データが取得できます。
  • 煩雑な国外への検体輸送手続きは不要です。
  • 概算所要日数:ご注文後、報告まで35営業日前後
  • 基本納品物:試験報告書、解析データおよび画像データ(HDD)

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適用

  • ディスカバリーおよびトランスレーショナルリサーチ
  • 腫瘍免疫、神経科学分野など
  • トランスクリプトーム解析
  • バイオマーカーの探索

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解析例

解析例1.ボルケーノプロット

解析例.VOLCANO PLOT

図をクリックすると拡大します(拡大図

解析例2.クラスタリング

解析例.クラスタリング

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解析例3.ボックスプロット

解析例.OX PLOT

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GeoMx概算費用・受託解析フロー

受託解析フロー



プラチナコースおよびスタンダードコースの詳細

プラチナ・スタンダードの2コースをご用意しており、解析内容・ご予算に応じてご選択いただけます。
表中に記載の価格は概算価格です。ご依頼内容に応じてお見積もりします。詳細は、☞ 受託・特注品担当jutaku@funakoshi.co.jp)までお問い合わせ下さい。

コース名 プラチナコース スタンダードコース*1
概算価格(税別) ご依頼内容に応じてお見積します 198万円
このような場合に
  • 多数のスライドを解析を希望
  • 指定領域を代表的なリンパ球や上皮マーカーのみならず様々なマーカーで細かく確認したい
  • 多数の指定領域を解析してほしい
  • Volcano Plotなど詳細解析なども希望
  • 1枚のスライドで解析
  • 代表的なリンパ球や上皮マーカーで指定領域を確認したい
  • 指定領域は限られた数のみ希望
  • 単一試料・小解析により、できるだけ低コストで解析費用を抑えたい
用いるパネル RNAの解析パネル
  • Whole Transcriptome Atlas(ヒト/マウス)
  • Cancer(ヒト/マウス/イヌ)
タンパク質解析パネル
  • 免疫(ヒト/マウス)
  • 神経(ヒト/マウス)
RNAの解析パネル
  • Whole Transcriptome Atlas(ヒト/マウス)
1アッセイ 4スライド 1スライド~
ご提供いただく
試料*2
  • HEスライド1枚
  • 未染色スライド(1枚+予備1枚)×試料数
  • HEスライド1枚
  • 未染色スライド1枚+予備1枚
未染色スライド上の
ROI染色
  • PanCK、CD45、Nucleiの他、ご指定のマーカーも可能
  • Nucleiを含む計4種まで
  • 別途条件検討も実施可能
  • PanCK、CD45、Nucleiのみ
1スライドあたりの
解析数
(ROI*3数)
22か所 22か所
解析および納品時
技術者打ち合わせ
(打ち合わ例〉
  • 抗体・条件検討のご提案
  • ROI設定のアドバイス・ご提案
  • 詳細データ解析のサポート
  • データ内容の詳細説明
(左記ご希望の場合は、費用別途オプション・応相談)
納品データ
  • DCCファイル
  • ROIの位置が入った蛍光画像(PNGファイル)
  • Cluster解析(3比較まで)
  • Volcano作成(3比較まで)
  • DCCファイル
  • ROIの位置が入った蛍光画像(PNGファイル)
解析
  • Cluster解析(3比較まで)
  • Volcano作成(3比較まで)
(左記ご希望の場合は、費用別途オプション・応相談)

*1 スタンダードコースは、複数のお客様の試料を同時に解析いたします。お申し込みから3ヶ月経過時点でユーロフィンジェネティックラボ社に3スライド以上の申し込みがない場合は自動的にキャンセルとなりますので、必要に応じて再度のお申込みをお願いします。
*2 HE染色スライドに解析ご指定領域をマーカーして下さい(このご指定領域がROIの参考になります)。
*3 ご指定領域・関心領域


オプション

  • RNAscopeによるスライドの品質確認
  • RNA抽出およびDV200測定によるスライドの品質確認
  • 免疫染色

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製品情報は掲載時点のものですが、価格表内の価格については随時最新のものに更新されます。お問い合わせいただくタイミングにより製品情報・価格などは変更されている場合があります。
表示価格に、消費税等は含まれていません。一部価格が予告なく変更される場合がありますので、あらかじめご了承下さい。