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ユーザーレビュー︓VECTASHIELD Vibrance® Antifade Mounting Medium VECTASHIELD Vibrance®を用いたmulticolor組織蛍光染色

掲載日情報:2022/12/15 現在Webページ番号:70633

長崎大学 原爆後障害医療研究所
放射線災害医療学研究分野
鈴木 啓司 准教授

長崎大学 鈴木様

はじめに

放射線による生体影響の全体像の理解には、DNA二重鎖切断の誘発による細胞死が、どのようなメカニズムで組織の機能障害を誘引するかを解明することが求められる。そのためには、組織標本での詳細な解析が必要不可欠であるが、これまでの免疫組織化学染色では、同時に解析できる分子の種類が限られていた。そこで、蛍光免疫染色法の導入による多重解析手法が応用されてきたが、標本観察中の蛍光の退色や染色標本の長期保存に難があり、これらの問題を払拭する革新的な封入剤が望まれていた。今回、新たに販売されたVECTASHIED Vibrance®が、従来の封入剤の域を超えた数々の優れた特徴を合わせ持つ封入剤であることが明らかになったため、その詳細をここに報告する。


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実験方法

マウスより採取した小腸をホルマリンにより固定した後にパラフィン中に包埋し、4 μm厚の薄切切片を切り出し、スライドガラス上に固相化した。脱パラフィン処理後に、一次抗体およびAlexa Fluor®標識の二次抗体を反応させて染色を行った。標本を洗浄後に、VECTASHIELD Vibrance®を用いて封入し、12時間後に蛍光顕微鏡にて観察を行った。


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結果

1.組織形態の変化

発色法の場合と異なり、蛍光染色の場合には、封入剤の選択肢が極めて限定され、多くの適用可能な封入剤は水系のものであった。しかしながら、長期保存に適さない、蛍光の退色が著しいなどの問題が生じ、このため、退色防止剤の添加や集中的に観察を行うなどの工夫が必要であった。最近になって、固化タイプの封入剤が導入されるようになり、これらの問題が解決されると大いに期待されたが、実際に使ってみると、蛍光の退色防止効果が十分でないことに加え、組織形態の変質が容認できないほど著しいことが判明した。同時期に、水溶性の永久封入剤などもラインナップされたが、同様に組織形態への影響が大きく、使用を躊躇せざるを得なかった。
そこで今回の検討では、まず、組織形態への影響を徹底的に精査することから始めた。その結果、図−1に示すように、VECTASHIELD Vibrance®を用いた場合、封入後も微細な組織の構造が完全に保持されていることが明らかになった。

結果1

図−1. 小腸絨毛-クリプト構造の位相差顕微鏡画像

2.各種Alexa Fluor®蛍光シグナルの検出

次に、一般的なmulticolorの蛍光染色で利用されている各種Alexa Fluor®蛍光の強度について検討を行った。用いたのは、Alexa Fluor® 488、Alexa Fluor® 555、Alexa Fluor® 647、Alexa Fluor® 800である。その結果、いずれの蛍光色素でも十分な蛍光強度が検出され(図−2)、VECTASHIELD Vibrance®による封入が、多様な蛍光色素に対して利用できることが証明された。

結果2-1 結果2-2

図−2. 小腸絨毛-クリプト構造の蛍光顕微鏡画像


3.蛍光強度の保持の評価

組織蛍光染色にとって、一番の障害になるのは、観察中の蛍光の退色である。既に市販されている退色防止剤はあまたあるが、実際に使ってみると能書きほど十分ではなく、期待外れのことが多い。そこで、3分間の励起光の露光という、普段は絶対に行わない過酷な条件での退色を検証した。その結果、VECTASHIELD Vibrance®によって封入した標本では、いずれの蛍光色素もその蛍光強度がほぼ保持されているという結果が得られた。特に、緑色蛍光であるAlexa Fluor® 488は、一般的に、蛍光の退色が顕著であることで知られているが、図−3に示すように、3分間の露光の後で標本を観察したときに、露光直後とほぼ同じ蛍光強度のシグナルが眼下に広がっているのを確認したときの驚きは筆舌に尽くしがたいものであった。

結果3

図−3. 小腸絨毛-クリプト構造の蛍光顕微鏡画像

緑色:Cytokeratin-8(Alexa Fluor® 488染色)
10%グリセリン/PBS封入剤は、従来、当研究室で用いてきた封入剤。


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まとめ

VECTASHIED Vibrance®は、組織形態をそのまま保持でき、多様な蛍光色素に対応し、長時間の観察にも堪えうる蛍光強度の保持能力があり、そして保存条件も選ばない、革新的な固化タイプの封入剤であることが証明された。組織標本のmulticolor組織蛍光染色を得意とする研究者にとっては、強力な相棒となることが大いに期待される。



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製品記事

退色しにくい蛍光染色用封入剤
VECTASHIELD Vibrance® Antifade Mounting Medium

新しい組成の蛍光染色用封入剤で、封入後1時間で切片の観察ができます。室温で数時間かけて固化し、細胞/組織切片における蛍光タンパク質および蛍光色素の急速な光退色を防ぎます。
お客様からのフィードバックをもとに、使いやすさやシグナル強度の保持などの点を従来品から改良しました。

VECTASHIELD Vibrance Antifade Mounting Medium

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