アシル補酵素A（CoA）結合タンパク質（ACBP）定量キット Human Acyl-CoA-binding Protein ELISA Kit

アシル補酵素A（CoA）結合タンパク質（Acyl-coenzyme A (CoA)-binding protein、ACBP）は、遍在的に発現する86 aaのポリペプチドであり、中鎖および長鎖のアシルCoAエステルに非常に高い親和性で結合します。アシルCoAエステルの細胞内キャリアとしての役割を果たし、ほとんどの細胞型の細胞質において脂質代謝を調節します。細胞内でアシル補酵素A（CoA）結合タンパク質として機能するだけでなく、ACBPは、γ-アミノ酪酸（GABA）タイプAレセプターであるGABAARのベンゾジアゼピン（Benzodiazepine）結合部位と相互作用してその活性を調節できる、ジアゼパム結合阻害物質（Diazepam-Binding Inhibitor、DBI）と呼ばれる分泌タンパク質としても機能します。ACBPは、ヒトやマウスを含む様々な生物でエネルギー欠乏によるオートファジーが誘導されると分泌されます。ACBPレベルはヒトのボディマス指数（BMI）と相関しています。マウスでは、ACBPレベルを上げると脂質生成、食物摂取、体重増加が引き起こされ、ACBPが中和されると脂肪分解が増加し、飢餓後の食物摂取が減り、体重減少が起こります。

肥満患者は血漿においてACBPレベルの上昇を示しますが、重大な体重減少後にはACBPのmRNAおよび血漿でのACBPタンパク質レベルの低下が見られます。ACBPは、肥満やメタボリックシンドロームの予防や治療に役立つ可能性があります。