動物由来成分不含のマルチクローナル組換え二次抗体 MULTICLONALS Anti-Human IgG Secondary Antibody

MULTICLONALS抗体は、Adipogen Life Sciences社のパートナー企業であるAbcalis社によって開発された組換え二次抗体です。慎重に選ばれた組換えモノクローナル抗体の混合物で、ヒトIgGの4つのサブクラスすべての異なるエピトープを認識します。各エピトープの結合部位は互いに競合しないため、シグナル強度が増幅されます。
従来ポリクローナル抗体が使用されてきた二次抗体として理想的であり、さらに組換え抗体特有の特異性と再現性を提供します。

※ Adipogen Life Sciences社の組換えモノクローナル抗体「RecMAbs」についてはこちらの記事をご覧下さい。
※ 本製品は研究用です。研究用以外には使用できません。

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※ FCM：フローサイトメトリー、IHC：免疫組織染色、WB：ウエスタンブロット

MULTICLONALS抗体は同量の動物由来ポリクローナル抗体よりも高い結合能力を示しました。また、感度の観点から、単一エピトープ検出によるモノクローナル抗体の限界が明らかになりました。
MULTICLONALS抗体に含まれる個々の抗体は抗原に特異的です。

図1. プレートに固層化したMULTICLONALS抗体、モノクローナル抗体、またはポリクローナル抗体による血清試料中のヒトIgGの検出

MULTICLONALS抗体は、自動化されたProtein Simple Western Immunoassayシステムによる定量的検出において、典型的な動物由来の二次抗体と比較して同等の結合力および高いダイナミックレンジを示しました。

図2. HRP標識MULTICLONALS抗体またはHRP標識ヤギ抗血清を用いた抗原結合ヒトIgGの定量的検出

動物血清に含まれる、未知の特異性を持つ免疫グロブリンの存在は、非特異的で望ましくない反応を生じる可能性があります。ELISAにおいて、MULTICLONALS抗体は動物由来の二次抗体と比較して低い交差反応性を示しました。高い特異性と低いバックグラウンドが要求されるアッセイに有用です。

図3. HRP標識MULTICLONALS抗体またはHRP標識ヤギ抗血清を用いたプレート上の抗原結合ヒトIgGの検出

細胞株はその表面に1,000を超えるタンパク質を発現するため、細胞に対する抗体の特異性試験は非常に有効です。
EGFR陽性EXPI細胞を、ヒトIgG1の定常領域を持つCetuximab（抗ヒトEGFR抗体）で染色し、MULTICLONALS抗体を用いて検出したところ、Cetuximab未染色細胞にバックグラウンド染色がまったくないことからわかるように非常に特異的な結果を示しました。

図4. EGFR陽性細胞に結合したヒトIgG1の定常領域を持つCetuximab（抗ヒトEGFR抗体）のMULTICLONALS抗体を用いた検出

MULTICLONALS抗体は、ヒトIgGの4つのサブクラスすべての異なるエピトープを認識できる抗体混合物で、ポリクローナル抗血清に典型的なマルチエピトープ認識パターンをもたらします。

図5. プレートに固層化したヒトIgGサブクラスへのMULTICLONALS抗体の結合

MULTICLONALS抗体は、事前に設計された交差反応性プロファイルにより、ヒトIgGに特異的に結合します。MULTICLONALS抗体に含まれる個々の抗体は、抗原のファージディスプレイのパニングと呼ばれる過程において、他の動物種の免疫グロブリンに対する交差反応性がないものが選択されています。

図6. 異なる動物種由来の固層化IgG分子へのMULTICLONALS抗体の結合

未標識のMULTICLONALS抗体は、結合活性を損なうことなく4℃で数か月間保存できます。
MULTICLONALS抗体に含まれる個々の抗体は、45℃、凍結乾燥過程によるストレス、および25回を超える凍結／解凍サイクルに耐えるストレス試験を行い、高い安定性と長い保存可能期間が確認されています。

図7. 数か月間4℃保存する前後での固層化ヒトIgGまたはCTR-抗原へのMULTICLONALS抗体の結合

MULTICLONALS抗体に含まれる個々の抗体は、それぞれSDS-PAGE（CBB染色）およびサイズ排除クロマトグラフィーで試験し、不純物や凝集体の混入が無いことを確認しています。分子量分布は、長期保存およびタンパク質安定性ストレス試験後にも評価されます。
MULTICLONALS抗体は、熱および物理的な急性ストレスを与えても、単量体のまま長期間安定しています。

図8. 還元型組換えマウスIgGのゲル染色像（左図）
保存およびストレス試験後のMULTICLONALS抗体の代表的なマウス組換えIgG成分のサイズ排除クロマトグラフィー結果（右図）