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そのままイメージングできる細胞(ExpressCells社)

掲載日情報:2022/10/01 現在Webページ番号:70524

Frontiers

Vol.87  そのままイメージングできる細胞

ExpressCells社は、CRISPR技術と独自のFAST-HDRシステムを組み合せてゲノム編集を施した細胞株を製造、提供しているアメリカのメーカーです。今回は、共同創設者であるMatthew Handel氏とOscar Perez-Leal氏、Scientific DirectorのShamim Naghdi氏にお話を伺いました。

Mr. Matthew Handel_Dr. Oscar Perez-Leal_Dr. Shamim Naghdiの画像

創業の経緯について

米国ペンシルベニア州フィラデルフィアに本部を置くテンプル大学の助教でもあるDr. Oscar-Perez Leal(写真:中央)は、ゲノム編集細胞株の作製は時間がかかりすぎるうえ、作製したとしても満足のいく結果が得られないという悩みを抱えていました。この問題を解決するため、Dr. Lealはドナーベクターの構築とクローンの単離にかかる時間を短縮できる、FAST-HDRプラスミドベクターシステムを新たに開発しました。さらに、同様の悩みを抱えている多くの研究者を助けるため、以前の起業仲間であったMatthew Handel氏(写真:左)に連絡を取り、また一緒に会社を設立しないかと呼びかけました。こうして2018 年にExpressCells 社は誕生しました。
ExpressCell 社の社名は、Handel氏の妻・Amy氏の考案により、“Express”が“高速”と“タンパク質の発現”の2つの意味を持つ掛詞になっています。


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独自技術FAST-HDRシステムについて

FAST-HDRシステムは、米国特許取得済みのプラスミドシステムに基づいています。このシステムは、内在性遺伝子にあらゆるタイプのタンパク質タグを挿入することで、より生理的な条件下でタンパク質を研究することができます。 CRISPRを用いてDNAの二本鎖を切断した後に、作製したFAST-HDRプラスミドで目的の変異を挿入します。FAST-HDRシステムでは、目的の変異が導入された細胞を素早く選択できるため、比較的短期間で高品質の細胞プールを作製できます。また、FAST-HDRシステムの大きな利点として、1つの細胞株に対して最大3つまでの遺伝子をターゲットにできるため、創薬研究や科学研究のための多くのモデルが作製できます。

FAST-HDRシステムの概略図

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製品ラインナップ

現在カタログ品として、レポーター細胞株を11種類、過剰発現細胞株を2種類取り扱っているほか、カスタム細胞株の受託作製も行っています。ExpressCells社のカスタム細胞株は、抗がん剤の開発、ハイコンテントイメージング、免疫腫瘍学、抗体開発など様々な研究プロジェクトで使用されており、最短14日間の作業期間でご提供できます。これまで、以下のような細胞株を作製してきました。

  • 複数の内在性遺伝子に蛍光レポーターをタグ付けし、生細胞で複数のタンパク質を可視化できる細胞株
  • 特定の遺伝子をノックアウトした細胞株
  • セーフハーバー領域に遺伝子を導入し、組換え体タンパク質を過剰発現させた細胞株

■カタログ品

細胞内オルガネラを蛍光標識済みの細胞
蛍光タンパク質のノックインにより、染色せずに核、ミトコンドリアなどのオルガネラの観察ができる細胞株です。

SARS-CoV-2 Nucleocapsid過剰発現細胞
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のNucleocapsidタンパク質と蛍光タンパク質タグ(mClover 3)をコードする遺伝子をHEK293T細胞にノックインした細胞株です。

■カスタム細胞株作製例

ExpressCells社で受託作製した細胞の1つ目の例

新規の抗がん剤候補物質がマイトーシス(有糸分裂)を抑制しているかを評価したい。
⇒マイトーシス時のみ発現するタンパク質を青色のタグで可視化

ExpressCells社で受託作製した細胞の2つ目の例

薬剤候補のオルガネラへの影響を評価したい。
⇒細胞骨格、核、ミトコンドリアを明確に識別する3つの遺伝子を挿入。


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今後の展望

様々な初代培養細胞にFAST-HDRシステムを導入したいと考えています。また、GMP認証も取得する予定です。


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日本の研究者の皆様へ

日本では世界的に見ても最先端の生物学的研究が行われています。こうした最先端の研究をサポートするため、私たちのカスタム細胞株サービスを提供できることを光栄に思います。ゲノム編集を用いた複雑な細胞モデル作製にご興味のある方は、ぜひ当社代理店であるフナコシ(株)にご相談下さい。

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お問い合わせ先

(テクニカルサポート 試薬担当)

reagent@funakoshi.co.jp

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