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抗がんターゲット分子Claudin 18.2研究用製品をご紹介します Claudin 18.2研究用製品

掲載日情報:2024/02/01 現在Webページ番号:70329

Claudin 18.2(CLDN18.2)検出用抗体や組換え体タンパク質、Claudin 18.2安定発現細胞株などの研究用製品をご紹介します。Claudin 18.2は進行性胃がん(Advanced gastric cancer)の新しい治療ターゲットと考えられています。

Claudin 18.2と胃がん

Claudin 18.2とは

Claudin 18.2の正常な発現と異常な発現

タイトジャンクション(密着結合)タンパク質ファミリーであるClaudin(クローディン)は、細胞間に傍細胞バリアを作ります。その機能の変化は、がんの形成に関連しています。Claudin 18.2の発現は、胃がんの予後を決定することが示されています。ヨハネス・グーテンベルク大学マインツ(ドイツ)のSahin教授のグループはClaudin 18.2アイソフォームを同定し、その発現が正常な胃粘膜の分化した上皮細胞に限定されていること、胃がんおよびその転移では同所的に発現していることを見つけました。さらに、複数の研究により、Claudin 18.2が膵臓、胆管、卵巣、および肺腺がんを含む様々な腫瘍および転移巣で異常に発現していることが明らかになりました。正常組織では極めて限られた発現ですが、悪性腫瘍での発現は非常に安定していることから、Claudin 18.2はがんバイオマーカーおよび治療ターゲットとして期待されています。

理想的な抗がんターゲットであるClaudin 18.2

Claudin 18.2は、腫瘍細胞の増殖、分化、転移に関与するため、がん治療のターゲット候補となっています。正常組織では、Claudin 18.2は、胃上皮細胞の先端タイトジャンクションではなく側底部に局在しています。一方、悪性形質転換時には、細胞極性の変化により、Claudin 18.2エピトープが細胞表面に露出するため、Claudin 18.2は治療用抗体を開発するための魅力的な表面ターゲットになります。

Claudin 18.2とは

Claudin 18.2標的(ターゲット)療法

Claudin 18.2は胃がんの約80%で発現するため、Claudin 18.2をターゲットにすることは胃がん治療の有望な最新のアプローチ法であると考えられます。モノクローナル抗体、二重特異性抗体、キメラ抗原受容体T(CAR-T)細胞、抗体薬物複合体(Antibody-drug conjugate、ADC)など、Claudin 18.2をターゲットとする複数の治療薬が開発されています。現在、Claudin 18.2を標的とするモノクローナル抗体およびキメラ抗原受容体T(CAR-T)細胞は、臨床試験において有望な結果を示しています。

■MMAEを結合させた抗Claudin 18.2抗体(ADC)
Conjupro Biotherapeutics社が開発したCPO102は、抗Claudin 18.2モノクローナル抗体とモノメチルアウリスタチンE(Monomethyl Auristatin、MMAE、別名Vedotin)の複合体で、Claudin 18.2を標的とした最初のADCの一つとして知られています。MMAEはドキソルビシンの約100~1,000倍強力な抗有糸分裂作用を示し、チューブリン重合を阻害します。MMAEは非常に強力であるため、単体で薬物として使用することはできません。しかし、抗体によって薬物の体内分布を制限することで全身毒性が大幅に減少するため、ADCとして頻繁に使用されています。CPO102はMMAEとリンカーを介して結合しているため、血漿や細胞外環境において安定していますが、ADCが標的を見つけて腫瘍細胞に取り込まれるとカテプシンによって切断され、MMAEは抗体から放出されます。

Claudin 18.2標的療法の模式図

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抗Claudin 18.2抗体

検出用抗体

ヒトClaudin 18.2を検出するためのモノクローナル抗体(IgG)です。

Arigo Biolaboratories社抗Claudin 18.2抗体の使用例

Arigo Biolaboratories社の抗Claudin 18.2抗体(SQab22278, #ARG67014)を用いた免疫組織染色像
Claudin 18.1は主に肺で発現しますが、Claudin 18.2は胃特異性を示します。
本抗体は、胃組織のClaudin 18.2を特異的に検出し、Claudin 18.1には反応しません。




BPS Bioscience社抗Claudin 18.2抗体の使用例

BPS Bioscience社の抗Claudin 18.2抗体(#101564)を用いた結合解析
Claudin 18.2タンパク質をコートした96ウェルプレートに本製品を添加し反応させた後、HRP標識ヤギ抗ヒトIgG FcとHRP発色基質(#79651)を添加し、450 nmの吸光度を測定した。



■検出用抗体の製品ラインナップ
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メーカー 品名 包装 商品コード
Arigo Biolaboratories Anti-Claudin 18.2, Rabbit-Mono(SQab22278) 20 μl ARG67014
100 μl ARG67014
BPS Bioscience Anti-Claudin-18 Isoform 2 IgG Antibody 50 μg 101564-1
100 μg 101564-2
Anti-Claudin-18 Isoform 2 IgG Antibody, Biotin 50 μg 101565-1
100 μg 101565-2
Anti-Claudin-18 Isoform 2 IgG Antibody, PE 25 μg 101676-1
100 μg 101676-2
Anti-Claudin-18 Isoform 2 IgG Antibody, FITC 25 μg 101866-1
100 μg 101866-2


二重特異性抗体(Bispecific Antibody)

T細胞に発現するCD3と、標的細胞に発現するClaudin 18.2の両方を同時に認識できる抗体です。

BPS Bioscience社抗Claudin 18.2抗体の使用例

二重特異性抗体の機能性評価
エフェクター細胞:TCR / CD3を発現するNFATルシフェラーゼレポーターJurkat細胞(#60621)
標的細胞:Claudin 18.2発現CHO細胞(#78533-H)またはCHO細胞(ATCC® CCL-61TM

96ウェルプレートに標的細胞を播種し(30,000 cells/well)、数時間培養して細胞をプレートに接着させた。その後、エフェクター細胞(30,000 cells/well)と二重特異性抗体を添加し、16時間後にルシフェラーゼ活性を解析した。



■二重特異性抗体の製品ラインナップ
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メーカー 品名 包装 商品コード
BPS Bioscience Anti-Claudin-18 Isoform2-Anti-CD3 IgG Bispecific Antibody 50 μg 101541-1
100 μg 101541-2


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組換え体Claudin 18.2タンパク質

ヒト組換え体Claudin 18.2タンパク質です。抗体との結合反応などの機能性アッセイに使用できます。


■組換え体Claudin 18.2タンパク質の製品ラインナップ
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メーカー 品名 包装 商品コード
BPS Bioscience Claudin-18 Isoform 2, FLAG-Tag Recombinant 10 μg 101570-1
100 μg 101570-2
500 μg 101570-3
GenScript CLDN18.2, His, Human 10 μg Z03504-10
100 μg Z03504-100
1 mg Z03504-1
CLDN18.2, hFc, Human 100 μg Z03709-100
1 mg Z03709-1


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Claudin 18.2安定発現細胞株

Claudin 18.2タンパク質全長を安定的に発現する細胞株です。BPS Bioscience社のClaudin 18.2タンパク質発現細胞は、その発現量に応じて3種類の細胞株が用意されています(下記参照)。

BPS Bioscience社Claudin 18.2タンパク質発現細胞のClaudin 18.2発現量解析

BPS Bioscience社Claudin 18.2安定発現細胞株のフローサイトメトリー解析
Claudin 18.2発現細胞株と親細胞株のCHO-K1におけるClaudin 18.2の発現量を、フローサイトメトリーにより解析した。
High Expression:#78533-H(赤色
Medium Expression:#78533-M(黄色
Low Expression:#78533-L(青色
CHO-K1細胞(緑色
検出:ビオチン標識抗Claudin-18.2抗体(#101565)およびPE標識ストレプトアビジン




GenScript社Claudin 18.2タンパク質発現細胞を用いたセルベースELISA

GenScript社Claudin 18.2安定発現CHO-K1細胞株(#M00916)を用いたセルベースELISA
96ウェルプレートへ本細胞を播種し(8×104 cells/well)、一晩培養した。細胞をパラホルムアルデヒドで15分固定して洗浄後、IMAB-362(抗Claudin 18.2抗体)と1時間反応させた。その後、HRP標識ヤギ抗ヒトIgG抗体(H&L)と反応させ、TMBを添加しマイクロプレートリーダーで450 nmの吸光度を測定した。



■Claudin 18.2安定発現細胞株の製品ラインナップ
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メーカー 品名 包装 商品コード
BPS Bioscience Claudin-18 Isoform 2 CHO Cell Line 2 vials 78533-H(High Expression)
2 vials 78533-M(Medium Expression)
2 vials 78533-L(Low Expression)
GenScript CHO-K1/CLDN18.2 Stable Cell Line 2 vials M00916
HEK293/CLDN18.2 Stable Cell Line 2 vials M00917


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VcMMAEの抗体標識試薬(oYo-Link VcMMAE)

  • 抗体のFc領域特異的にVcMMAEを標識できる試薬です。
  • VcMMAEは、リソソームで切断可能なジペプチドであるバリン-シトルリン(vc)を介して結合した有糸分裂阻害物質です。
  • 1抗体あたり1~2個の薬物を標識するため、明確な薬物抗体比(drug-to-antibody ratio、DAR)を有し、予測可能な有効性と毒性プロファイルを持つ一貫した抗体薬物複合体(ADC)が得られます。

oYo-Linkとは

oYo-Linkでは、抗体のFc領域に部位特異的な標識が可能なため、抗体の抗原結合部位に影響を与えません。現在注目されているADCでは、抗体へのランダムな薬物の標識は、ロット間差や製剤規格設定、有効性の低下などで問題となりますが、部位特異的に2か所を標識するoYo-Linkでは、これらの課題を克服することができます。
oYo-Link紹介記事
oYo-Link ADC試薬紹介記事

部位特異的標識の利点:部位特異的、2か所に標識
これまでの抗体標識:ランダム、複数カ所に標識


oYo-Link VcMMAEで標識したADCを用いた細胞特異的な傷害活性の評価

oYo-link-VcMMAEの使用例

EGFR発現A431細胞を播種してから24時間培養後、各種抗体とインキュベートし、播種から72時間後に細胞傷害アッセイを行った。抗EGFR抗体であるCetuximabをoYo-Link VcMMAEで標識した条件では、A431細胞に対する細胞傷害活性が示された。一方、未標識Cetuximabや抗EGFR抗体ではないRituximabをoYo-Link VcMMAEで標識した条件、試薬のみ(oYo-Link VcMMAE)では細胞傷害活性は示されなかった。
濃度範囲:5.0 pM~3.7 nM


■oYo-Link VcMMAEの製品ラインナップ
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メーカー 品名 標識できる抗体の種類 包装 商品コード
AlphaThera, LLC oYo-Link VcMMAE ヒトIgG1~4、マウスIgG2a、2b、3など 100 μg AT7001-100
500 μg AT7001-500
1,000 μg AT7001-1000
マウスIgG1 100 μg AT7001-mIgG1-100
500 μg AT7001-mIgG1-500


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BPS Bioscience社のその他のClaudin研究用製品のラインナップ

Claudin-3 Lentivirusの発現例

左図:Claudin-3レンチウイルスのベクターマップ

Claudin-3 Lentivirusの構造

右図:Claudin-3レンチウイルスベクターを用いて形質導入されたCHO-K1細胞株のフローサイトメトリー解析
親細胞株(CHO-K1、緑色)とClaudin-3遺伝子導入細胞株(赤色)におけるClaudin-3の発現量をフローサイトメトリーにより解析した。


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メーカー 品名 包装 商品コード
BPS Bioscience Claudin-3 Lentivirus 2 x 500 μl 78722
Claudin-4 Lentivirus 2 x 500 μl 78723
Claudin-9 Lentivirus 2 x 500 μl 78721
Claudin-1 CHO Cell Line 2 vials 82097
Claudin-3 CHO Cell Line 2 vials 78566
Claudin-4 CHO Cell Line 2 vials 78567
Claudin-6 CHO Cell Line 2 vials 78527-H(High Expression)
2 vials 78527-M(Medium Expression)
2 vials 78527-L(Low Expression)
Claudin-9 CHO Cell Line 2 vials 78687
Claudin-18 Isoform 1 CHO Cell Line 2 vials 78361

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お問い合わせ先

(テクニカルサポート 試薬担当)

reagent@funakoshi.co.jp

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