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VitroGelシリーズのFAQ

掲載日情報:2023/05/08 現在Webページ番号:70315

VitroGelは、三次元細胞培養や二次元培養用プレートへのコーティングによる細胞遊走性・浸潤性研究、実験動物への導入にも使用できるアニマルフリーな多糖ベースのハイドロゲルです。VitroGelシリーズのよくある質問についてご紹介します。

VitroGel Hydrogel High Concentrationを用いた実験動物への注入方法

FAQ一覧

Q-1. VitroGel 3DとVitroGel 3D-RGDのどちらを選べば良いですか?

A-1. 接着細胞株を使用する場合 ⇒ VitroGel 3D-RGD
非接着性の細胞株を使用する場合、または増殖因子/タンパク質をより柔軟に制御したい場合 ⇒ VitroGel 3D
の使用をお勧めします。


Q-2. VitroGel 3Dはどのくらい安定ですか?

A-2. VitroGel 3Dは4~40℃で安定ですが、凍結や80℃以上に加熱することは避けて下さい。本製品は未開封で室温で安定に保存できますが、4℃で保存することにより、より長期間安定に保存できます。開封後は、キャップを密閉して4℃で保管し、1ヵ月以内にご使用下さい。


Q-3. ハイドロゲル形成時間の調節や、注入可能なハイドロゲルの調製方法は?

A-3. ハイドロゲルの形成時間は、VitroGel 3Dとトリガー溶液(細胞培養培地または PBS)の混合比に大きく依存します。 注入可能なハイドロゲルを調製する場合は、VitroGel 3Dと培地/PBSとを4:1(v / v)比で混合することをお勧めします。ハイドロゲルは、混合後30分以内に安定化します。 より高い混合比(VitroGel 3D:培地> 4:1)では、ハイドロゲル形成に長時間要し、低い混合比(VitroGel 3D:培地<1:1)では注入不可能なハイドロゲルを形成します。より速くハイドロゲルを形成する必要がある場合は、培地との混合前にDilution SolutionでVitroGel 3Dを希釈することをお勧めします。


Q-4. VitroGel 3Dを培地と混合する際に、気泡の形成を避けるには?

A-4. 気泡の問題は、VitroGel 3Dと細胞培地を混合した後の溶液の粘度の増加に関係しているため、以下の対策が考えられます。

  • VitroGel 3Dの粘度を低下させるために、VitroGel 3Dを37℃に加温する。
  • ゲル溶液と培地を静かに混合し、ウェルプレートの壁に沿ってゆっくりピペットで移す。気泡を避けて混合するため、一部のユーザーはピペットに代えてボルテックスを使用しています。
  • VitroGel 3DをDilution Solutionで希釈後に培地と混合する。
  • ピペットチップを切って流れやすくする。
  • 混合後に小さな泡しか形成していない場合、ハイドロゲルの上部に培地層を加えて一晩インキュベートする。

Q-5. どのようにVitroGel Hydrogel High Concentrationの最終ハイドロゲル強度を調整したら良いですか?

A-5. 最終ハイドロゲル強度は、細胞培養培地/PBSと混合する前にVitroGel 3Dを希釈することにより調整が可能です。VitroGel Hydrogel High Concentration紹介記事使用上の注意をご覧下さい。


Q-6. どのくらいの細胞密度で播種すれば良いですか?

A-6. 2~10×105 cells/mlの細胞密度での播種をお勧めします。その場合、1~2日ごとに培養用の培地の交換が必要となる場合があります。


Q-7. 細胞はVitroGel 3D中でどれくらい長く増殖できますか?

A-7. 本ハイドロゲルシステムにおける細胞増を2週間まで検証しました。 細胞株の種類によっては三次元細胞培養をさらに長く行うことが可能です。 細胞数と大きさが増加すると、培地のより頻繁な交換が必要となる場合があります。


Q-8. スフェロイド形成までどのくらい時間を要しますか?

A-8. 通常は、スフェロイド形成にはハイドロゲルシステム中で培養後5~10日を要します。形成時間は細胞株の種類によって異なります。


Q-9. 三次元培養後に細胞を回収できますか?

A-9. できます。細胞は簡単なピペット操作と遠心分離により回収が可能です。より詳細な細胞の回収操作については、製品データシートの「CELL HARVESTING」の項目をご参照下さい。


Q-10. どうして非処理組織培養プレートではハイドロゲル強度が低下するのですか?

A-10. 非処理の培養プレートの表面はより疎水性が高くなっており、それがプレートウェルのハイドロゲルと細胞の結合を低減させます。より高いパフォーマンスを得るためには、VitroGel 3Dシステムとともに処理済み組織培養用プレートの利用をお勧めします。


Q-11. ゲル化は可逆的ですか?

A-11. はい。例えば4:1(VitroGel 3D:培地)でゲル化を行った場合、せん断、薄化および自己回復といった特殊な可逆的機械的特性を有します。ピペッティングや注入などのせん断力によって液化でき、せん断力を停止すると再びハイドロゲルとして回復します。この機能に加えて、ハイドロゲルを温度変化や他の方法で可逆的にすることも可能です。


Q-12. VitroGel 3Dで増殖した細胞を継代培養できますか?

A-12. はい。細胞はVitroGel 3D hydrogelシステムから回収でき、新鮮なVitroGel 3Dや他の二次元、三次元培養方法を用いて、細胞をさらに長期間培養することも可能です。


Q-13. 共培養またはサンドイッチ培養(層別)に使用することができますか?

A-13. 2つ以上の異なる細胞型の共培養を行うことができます。異なる細胞型をVitroGel 3Dと共に添加し共培養を行えるほか、各細胞型をVitroGel 3Dと混合して層ごとに添加することもできます。ハイドロゲルの第1層が安定した後に、第2層の細胞/ハイドロゲル混合物を第1層の細胞/ハイドロゲルの上に注意深く重ねます。


Q-14. VitroGel 3Dに細胞外マトリックスタンパク質や他の化合物を加えることはできますか?

A-14. はい。ハイドロゲル形成前または後に、細胞外マトリックスタンパク質または他の化合物をVitroGel 3Dハイドロゲルシステムに添加することができます。ハイドロゲル形成前に、細胞培養培地にタンパク質または化合物を加え、次いでVitroGel 3Dと混合します。ハイドロゲル形成後、ナノ繊維マトリックス中に浸透するハイドロゲルにタンパク質または化合物の添加ができます。この際、タンパク質または化合物に含まれる塩によりハイドロゲル形成時間および最終的なゲル剛性が変化するのでご注意下さい。またハイドロゲルの特性が変わった場合は、VitroGel 3Dを混合する前に、タンパク質または化合物をショ糖溶液で洗浄・脱塩することをお勧めします。


Q-15. VitroGel 3Dで培養した細胞のタンパク質や核酸の分子解析はできますか?

A-15. はい。VitroGel 3Dハイドロゲルで培養後、細胞をハイドロゲルから採取し、標準的な手順に従って分子解析が行えます。


Q-16. 直交する層を切片化するため、ハイドロゲルを組織培養から十分に取り除くことはできますか?

A-16. はい。一旦ハイドロゲルが安定すると、培養液から取り出して切片化が行えます。ハイドロゲルは、上部の培地を添加後、30~60分間は安定です。


Q-17. VitroGel 3Dをin vivoの研究に使用できますか?

A-17. はい。VitroGel 3Dは、ハイドロゲル形成前後に注入してin vivo の研究に使用できます。ハイドロゲル形成前に、VitroGel 3D溶液を実験動物に直接注入することができ、その後、生理学的環境のイオン性化合物と接触するとハイドロゲルになります。また、VitroGel 3Dハイドロゲルは、ゲル形成後も注入可能な特性を有します。VitroGel 3Dと細胞培養培地/PBSを適切比率(VitroGel 3D:培地/ PBS = 4:1v / vを推奨)で混合すると、最終のハイドロゲルは注入可能となりin vivo 研究のために使用可能となります。この方法により、注入前に細胞または他の化合物をハイドロゲル中で良く混合できます。



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