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ヒト初代ケラチノサイト(角化細胞) ATCC® Human Primary Keratinocyte

掲載日情報:2022/06/14 現在Webページ番号:70273

ATCC®では、表皮または歯肉由来の初代培養ケラチノサイトと、無血清条件(動物由来成分フリーではない)で培養できる専用培地、増殖キットを取り扱っています。

Keratinocyteのイメージ

ケラチノサイト(ケラチン生成細胞、角化細胞)について

ケラチノサイトは最も一般的な皮膚細胞で、表皮を構成する主要な細胞です。ケラチノサイトは、基底層(Stratum basal)と有棘層(Stratum spinosum)に分かれます。ケラチノサイトは、分化の過程で皮膚や髪の毛、爪の強度を与えるタンパク質である様々なケラチンアイソフォームを産生します。分化の過程では、ほかにもトランスグルタミナーゼなど様々な架橋タンパク質が有棘層で産生され、顆粒層で活性化されます。

下位層の未成熟ケラチノサイトの増殖活動によって、成熟した分化ケラチノサイトがこれらの層を経て皮膚表面に押し上げられます。顆粒層(stratum corneum)を経て角質層に移動する間に、ケラチノサイトの核は溶解し、整理活性脂質が細胞外領域へ絞り出されます。細胞は角質層で完全に分化し、そこで細胞は最終的に外部環境に晒されます。

ケラチノサイトは、口腔の裏側(ヒト口腔ケラチノサイト;HOK細胞)など、体の様々な部位から単離することができます。しかし、初代培養細胞に最も使われているケラチノサイトは、新生児または成人の皮膚から単離されたヒト健常表皮ケラチノサイト(NHEK細胞)であり、成人NHEK細胞は乾癬や皮膚がんなどの成人病研究において重要です。無血清かつ低カルシウムの増殖培地(Keratinocyte SFM)で培養したケラチノサイトは、未分化で増殖できる状態を維持し、線維芽細胞の増殖を抑制します。ケラチノサイトは、増殖因子の挙動や創傷治癒などの研究に有用です。基底細胞がんや扁平上皮がんなどの非メラノーマ皮膚がんはケラチノサイトから生じ、機能的な表皮バリアを形成します。


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特長

細胞について

  • 各ロットは単一ドナーから作製しています。
  • 継代数は1~3回以内です。
  • 生存率・生育率・形態についてチェック済みです(ATCC®専用培地での確認)。
  • ウイルスチェック(HIV、HBV、HCV)および無菌チェック(細菌、酵母、マイコプラズマ)済みです。
  • すべての細胞は、細胞表面のポジティブマーカー、ネガティブマーカーが確認されています。
  • ヒト初代細胞はすべてインフォームドコンセントの下で採取されており、ドナーのプライバシーは保護されています。

専用培地について

  • 各初代培養細胞には、専用増殖培地が用意されています。
  • 専用増殖培地の使用により、優れた増殖効果が得られます。
  • 増殖培地は、基礎培地と増殖キットを組み合わせて使用します。

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細胞の種類と価格

品名をクリックするとATCC®ウェブサイトの製品情報をご覧いただけます。

[メーカー:ACC]
品名 基礎培地 増殖キット 細胞数 ATCC® No. 包装 価格 在庫
Epidermal Keratinocytes, Adult(表皮ケラチノサイト - 角化細胞、成人) ≧5×105
Epidermal Keratinocytes, Neonatal Foreskin(表皮ケラチノサイト、新生児) ≧5×105
Gingival Keratinocytes(歯肉ケラチノサイト) ≧5×105

基礎培地の価格

[メーカー:ACC]
品名 ATCC® No. 包装 価格 在庫
Dermal Cell Basal Medium

増殖キットの価格

[メーカー:ACC]
品名 ATCC® No. 包装 価格 在庫
Keratinocyte Growth Kit

その他関連製品の価格

[メーカー:ACC]
品名 ATCC® No. 包装 価格 在庫
Dulbecco's Phosphate Buffered Saline
0.1% Gelatin Solution
Penicillin-Streptomycin-Amphotericin B Solution
Trypsin-EDTA for Primary Cells
Trypsin Neutralizing Solution

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使用例

スクラッチテスト

表皮炎症モデルとしてPrimary Epidermal Keratinocytes(ATCC®  PCS-200-010™)を用いて、スクラッチテストを行った。創傷前後のIL-8の分泌をLuminex 100により測定した。

Primary Epidermal Keratinocyteを用いたスクラッチテストの結果

三次元皮膚モデルの作製

Epidermal KeratinocyteとPrimary Dermal Fibroblastを共培養し、三次元皮膚モデルを作製した。

Primary Epidermal KeratinocyteとPrimary Dermal Fibroblastの共培養による三次元皮膚モデルの作製  A ) マトリックスにFibroblastを加える

12ウェルディーププレートとインサート(3.0μm)を用意 する。コラーゲンでコーティングしたインサートに、コラーゲンマトリックス溶液に入ったPrimary Neonatal Dermal Fibroblasts (ATCC®  PCS-201-010™)を加える。増殖地で7日間培養し、ラフト構造を形成させる。
 B ) ケラチノサイトを加える

培養7日目、Primary Epidermal Keratinocytes (ATCC®  PCS-200-010™)をFibroblastを含むゲル上部に播種し、接着させる。
 C ) ケラチノサイト増殖培地を加える

Epidermalization medium 1(EPM1)を2日に一度加え、共培養を続けてケラチノサイトを増殖させる。
 D ) ALI(Air-liquid interface)を作製する

インサート内部の培地を除いてALIを作製する。ウェルにはEpidermalization medium 2(EPM2)を加えてケラチノサイトの増殖を維持する。
 E ) 分化を確認する

ALI培養後、14~21日間で分化が進み、三次元皮膚モデルが完成する。

EPM1およびEPM2の組成については 『Application Notes No.17』をご覧下さい。




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