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新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)などのウイルス感染症研究に有用なフェレット組換え抗体 Ferret Antibodies for Virology Research

掲載日情報:2021/04/30 現在Webページ番号:70252

フェレットはヒトに感染する可能性のあるウイルスを媒介する動物の一つとして考えられており、ウイルス学における重要なモデル生物となっています。Absolute Antibodies社では新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)、インフルエンザ、ジカウイルス、エボラウイルスなど様々なウイルスに対するフェレット組換え抗体(IgG1、IgM、IgA)を取りそろえています。

Absolute Antibodies社のフェレット組換え抗体

Absolute Antibody社の各種ウイルスに対するフェレット組換え抗体(IgG1、IgM、IgA)は、フェレットをモデルとした免疫応答やin vivo研究用の血清学コントロールとして使用することができます。これらのspecies-matchedキメラ抗体は、動物モデルにおける抗種免疫応答を回避し、コホート研究のデータ再現性を向上するものと考えられます。幅広いウイルス疾患においてフェレットがモデル研究動物となることが示されており、発症メカニズムの解明や新たな治療法の開発に貢献すると考えられています。また、フェレット抗体はミンク抗体と高い配列保存性を示すため、ミンクの獣医学研究用ツールとしても使用されています。

フェレットとIgG/IgM/IgAイメージ


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抗新型コロナウイルス抗体

2020年、デンマークやオランダ、その他ヨーロッパ諸国では、ミンクから新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の変異株が発見されたことを受け、数百万匹のミンクの殺処分を決定しました(Frutos and Devaux, 2020)。同じ頃、研究者は各動物種の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対する感受性を調査するために、フェレットや他のイタチ亜科に注目しました。フェレットは呼吸器感染症研究のモデル生物として使われてきた歴史があります。最近、フェレットはSARS-CoV-2に感染することが示され、鼻甲介や軟口蓋、扁桃腺などでSARS-CoV-2が活発に複製し、上気道感染が起こる可能性が示されました(Shi, et al., 2020)。さらに、一部のフェレットは呼吸器感染症の臨床症状を呈し、すべての個体で抗SARS-CoV-2抗体が検出されたことも報告されています(Shi et al., 2020)。これらの結果は、フェレットが新型コロナウイルス研究のためのモデル生物に適していることを示唆しています。



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抗インフルエンザウイルス抗体

フェレットはヒトインフルエンザウイルス(Influenza virus)への感染性が高く、ウイルス感染のための馴化処理を行う必要が無いため、インフルエンザウイルス研究で広く使われてきました(Belser, et al., 2011)。フェレットは、インフルエンザウイルス発症や感染(伝染)研究を行える唯一のモデル動物と考えられています(Kiupel and Perpiñán, 2014)(Belser, et al., 2011)。フェレットの血清は、新しい季節性ウイルス株に対するヒト抗インフルエンザワクチンの有効性を検証するために長らく使用されてきました。



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抗ジカウイルス抗体

ジカウイルス(Zika virus)は神経系に影響を与えるウイルスの一種です。げっ歯類では再現困難であった脳回(脳皮質のしわの隆起部分)欠損モデル動物の重要性が高まっており、脳回を持つ最小の動物でありヒト大脳に類似した構造を持つフェレットが注目されています(Hutchinson, et al., 2019)。また、フェレットとヒトの免疫システムの特徴に類似した部分も見られます。フェレットを用いたジカウイルス感染研究では、ウイルス感染によって脳と頭蓋骨の両方に影響を受けている可能性が示されました (Hutchinson, et al., 2019)。



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抗エボラウイルス抗体

エボラウイルス(Ebola virus)は、致死性が高く危険なウイルス性病原体の一種です。2021年2月中頃にギニアでエボラ出血熱が大流行するなど、現在もその脅威は収まっていません。エボラウイルス研究では適切な動物モデルがいないと考えられてきましたが、フェレットに注目が集まっています。ある論文では、エボラウイルスに感染したすべてのフェレットが発病し、死亡した個体が認められたほか、一部のフェレットはエボラ糖タンパク質に対する抗体(IgMまたはIgG)を産生したとされています (de la Vega, et al., 2018)。



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製品ラインナップ

ウイルスの種類 検出対象 クローン クラス 商品コード
Dengue virus
(デングウイルス)
Dengue E protein (DIII domain)
(エンベロープタンパク質)
DV10 IgA Ab00245-200.0
IgG1 Ab00245-48.1
IgM Ab00245-49.0
Ebola virus
(エボラウイルス)
Ebola surface glycoprotein
(表面糖タンパク質)
KZ52 IgA Ab00690-200.0
IgG1 Ab00690-48.1
IgM Ab00690-49.0
Flavivirus
(フラビウイルス)
Flavivirus group antigen protein E
(エンベロープタンパク質)
4G2 IgA Ab00230-200.0
IgG1 Ab00230-48.1
IgM Ab00230-49.0
Influenza A virus
(インフルエンザAウイルス)
Nucleoprotein
(核タンパク質)
2-8C IgA Ab01103-200.0
IgG1 Ab01103-48.1
IgM Ab01103-49.0
Hemagglutinin glycoprotein (HA) 
(ヘマグルチニン糖タンパク質)
2-12C IgA Ab01105-200.0
IgG1 Ab01105-48.1
IgM Ab01105-49.0
Poxvirus
(ポックス・ウイルス)
Poxvirus L1
(L1タンパク質)
Fab 7d11 IgA Ab00774-200.0
IgG1 Ab00774-48.1
IgM Ab00774-49.0
Respiratory Syncytial Virus
(RSウイルス)
HRSV F protein
(pre- and post-fusion conformation)
(Fタンパク質)
RSB15 IgA Ab00252-200.0
IgG1 Ab00252-48.1
IgM Ab00252-49.0
RSV F protein
(Fタンパク質)
RSHZ19 IgA Ab00729-200.0
IgG1 Ab00729-48.1
IgM Ab00729-49.0
SARS-CoV-2 (COVID-19)
&
SARS Coronavirus
Spike protein
(スパイクタンパク質)
CR3022 IgA Ab01680-200.0
IgG1 Ab01680-48.1
IgM Ab01680-49.0
Nucleoprotein
(ヌクレオカプシドタンパク質)
03-018 IgA Ab01690-200.0
IgG1 Ab01690-48.1
IgM Ab01690-49.0
03-009 IgA Ab01691-200.0
IgG1 Ab01691-48.1
IgM Ab01691-49.0
SARS-CoV-2 (COVID-19) Spike Protein
(スパイクタンパク質)
CV1 IgA Ab02018-200.0
IgG1 Ab02018-48.1
IgM Ab02018-49.0
Spike Protein (RBD)
(スパイクタンパク質
レセプター結合ドメイン)
CV30 IgA Ab02019-200.0
IgG1 Ab02019-48.1
IgM Ab02019-49.0
Vesicular Stomatitis Indiana Virus
(水疱性口内炎ウイルスインディアナ株)
VSV-Glycoprotein
(VSV糖タンパク質)
8G5F11 IgA Ab01401-200.0
IgG1 Ab01401-48.1
IgM Ab01401-49.0
Zika Virus
(ジカウイルス)
Envelope protein
(エンベロープタンパク質)
ZKA64 IgA Ab00779-200.0
IgG1 Ab00779-48.1
IgM Ab00779-49.0
NS1(Non-Structural protein 1)
(非構造タンパク質1)
ZKA25 IgA Ab01006-200.0
IgG1 Ab01006-48.1
IgM Ab01006-49.0

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お問い合わせ先

(テクニカルサポート 試薬担当)

reagent@funakoshi.co.jp

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