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KRASの各種アイソフォームの野生型および変異体に対する阻害物質をスクリーニング! KRAS Nucleotide Exchange Assayシリーズ

掲載日情報:2022/03/09 現在Webページ番号:70193

がんの治療ターゲットとして注目されているKRASの各種アイソフォームにおける野生型や変異体に対する阻害物質のスクリーニングキットです。

Ras Signalingについて

RAS GTPaseタンパク質は、細胞表面の成長因子受容体から細胞増殖および生存シグナルを伝達する働きに関与しています。RASファミリーにはHRAS、KRAS、NRASの3種類があります。KRASの変異、特にG12、G13、Q61における変異は、ヒトにおける特定のがんの原因となり、全膵臓がんの80%超、大腸がん、胆管がん、肺腺がんの30%超でこれらの変異が確認されています。
活性化KRASは、MAPK経路を含む複数のシグナル伝達経路を誘導します。KRASの機能は、GDP結合型の不活性状態とGTP結合型の活性状態を循環することで制御されています。KRASは、SOSなどのグアニンヌクレオチド交換因子(Guanine Nucleotide Exchange Factor、GEF)タンパク質に結合し、GDPからGTPへの交換が開始されることで活性化されます。活性型であるGTP結合型KRASは、Raf、PI3K、RALなどの下流シグナル分子の活性化を誘導します。KRASは、GTPの末端リン酸基を加水分解してGDPへ変換することで自己不活性化できます。この不活性化過程は、GTPase活性化タンパク質(GTPase-activating protein)によって促進されます。
KRAS変異に関する研究の進展により、低分子阻害物質やPROTAC(Proteolysis Targeting Chimeras)を用いる方法など、がんにおけるKRASを標的とする複数のアプローチが開発されています。

RAS_diagram
図1. Ras Signaling



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製品ラインナップ

商品コードをクリックすると、各製品の価格表をご覧いただけます。

Nucleotide Exchange Assay

品名 製品概要 商品コード
KRAS(G12C) Nucleotide Exchange Assay Kit BODIPY-GDPの解離に伴う蛍光強度の変化を測定し、KRAS Isoform A(G12C)のGDP/GTP交換反応をモニターすることで、KRAS Isoform A(G12C)に対するアンタゴニスト/阻害物質のスクリーニングおよびプロファイリングを行うキット。 79859
KRAS(G12D) Nucleotide Exchange Assay Kit BODIPY-GDPの解離に伴う蛍光強度の変化を測定し、KRAS Isoform A(G12D)のGDP/GTP交換反応をモニターすることで、KRAS Isoform A(G12D)に対するアンタゴニスト/阻害物質のスクリーニングおよびプロファイリングを行うキット。 78355
KRAS Isoform B Nucleotide Exchange Assay Kit BODIPY-GDPの解離に伴う蛍光強度の変化を測定し、KRAS Isoform B(野生型)のGDP/GTP交換反応をモニターすることで、KRAS Isoform B(野生型)に対するアンタゴニスト/阻害物質のスクリーニングおよびプロファイリングを行うキット。 82846
KRAS(G12V) Nucleotide Exchange Assay Kit BODIPY-GDPの解離に伴う蛍光強度の変化を測定し、KRAS Isoform B(G12V)のGDP/GTP交換反応をモニターすることで、KRAS Isoform B(G12V)に対するアンタゴニスト/阻害物質のスクリーニングおよびプロファイリングを行うキット。 78519

Coupled Nucleotide Exchange Assay(AlphaLISA法)

品名 製品概要 商品コード
KRAS(G12C) Coupled Nucleotide Exchange Assay Kit エフェクタータンパク質であるRaf1のRas結合ドメイン(RBD-cRaf)とKRAS Isoform A(G12C)の結合をモニターすることで、KRAS(G12C)に対するアンタゴニスト/阻害物質をスクリーニングおよびプロファイリングするAlphaLISA法のキット。 78565
KRAS(G12D) Coupled Nucleotide Exchange Assay Kit エフェクタータンパク質であるRaf1のRas結合ドメイン(RBD-cRaf)とKRAS Isoform A(G12D)の結合をモニターすることで、KRAS(G12D)に対するアンタゴニスト/阻害物質をスクリーニングおよびプロファイリングするAlphaLISA法のキット。 78570
KRAS Isoform B Coupled Nucleotide Exchange Assay Kit エフェクタータンパク質であるRaf1のRas結合ドメイン(RBD-cRaf)とKRAS Isoform B(野生型)の結合をモニターすることで、KRAS Isoform Bに対するアンタゴニスト/阻害物質をスクリーニングおよびプロファイリングするAlphaLISA法のキット。 78583
KRAS(G12V) Isoform B Coupled Nucleotide Exchange Assay Kit エフェクタータンパク質であるRaf1のRas結合ドメイン(RBD-cRaf)とKRAS Isoform B(G12V)との結合をモニターすることで、KRAS Isoform B(G12V)に対するアンタゴニスト/阻害物質をスクリーニングおよびプロファイリングするAlphaLISA法のキット。 78825


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特長

Nucleotide Exchange Assay

  • 測定方法:Fluorogenic Nucleotide Exchange Assay
  • 検出方法:蛍光
  • 測定波長:Ex 470 nm/Em 525 nm
  • フォーマット:96-well black plateまたは384-well black plate

Coupled Nucleotide Exchange Assay

  • 測定方法:AlphaLISA Coupled Nucleotide Exchange Assay
  • フォーマット:384-well format


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測定原理

Nucleotide Exchange Assay

Nucleotide Exchange Assayは、KRASアンタゴニスト/阻害物質のスクリーニングおよびプロファイリングを目的としたホモジニアスアッセイキットです。蛍光標識BODIPY-GDPと結合したKRASの各種アイソフォームの野生型または変異体にEDTA存在下で過剰量のGTPを添加すると、KRASに結合したBODIPY-GDPが解離し、代わりにGTPが結合することで、蛍光強度が低下します。一部のKRAS阻害物質は、KRASをGDP結合型の不活性構造に安定化させ、GDPからGTPへの交換を阻害します。この場合、KRASに結合したBODIPY-GDPが保持されるため、薬物濃度に応じて蛍光強度が高く維持されます。

nucleotide_exchange_diagram図2. BODIPY-GDPを用いるNucleotide Exchange Assay Kitの測定原理

Coupled Nucleotide Exchange Assay(AlphaLISA法)

Coupled Nucleotide Exchange Assayは、AlphaLISA法により、活性型KRASとエフェクタータンパク質であるRaf1のRas結合ドメイン(RBD-cRaf)との結合を測定することで、KRASアンタゴニスト/阻害物質を評価するアッセイキットです。グアニンヌクレオチド交換因子であるSOS1(Son of Sevenless homolog 1)は、KRASからGDPを放出させ、GTPがヌクレオチド結合ポケットを占有できるようにすることで、ヌクレオチド交換を促進します。これによりKRASに構造変化が生じ、RBD-cRafとの結合が可能になります。グルタチオンアクセプタービーズおよびニッケルキレートドナービーズは、それぞれGSTタグ付きRBD-RafおよびHisタグ付きKRASに結合することで近接し、KRASがRBD-cRafの結合によりドナービーズとアクセプタービーズが近接すると、ドナービーズのレーザー励起に伴ってアクセプタービーズから発光シグナルが生じます。複合体が形成されない場合、ビーズが近接しないためシグナルは生じません。

Coupled_exchange_diagram
図.3 KRAS(G12C) Coupled Nucleotide Exchange Assay Kit(#78565)の測定原理



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使用例

Nucleotide Exchange Assay

画像内容説明
図4. KRAS Isoform A(G12C)のBODIPY-GDP/GTP交換反応に対する各種KRAS阻害物質の影響

使用キット:KRAS(G12C) Nucleotide Exchange Assay Kit(#79859
上記キットのプロトコルに従い、AMG510(10 μM)、MRTX-1133(10 μM)およびPAN-KRAS-Inhibitor(10 μM)の存在下または非存在下で実施した。
阻害物質の非存在下で反応系中のGTP濃度を上昇させると、KRAS Isoform A(G12C)からのBODIPY-GDPの交換が促進され、その結果、蛍光強度の低下が観察された。一方、AMG510、MRTX-1133またはPAN-KRAS-Inhibitorの存在下では、KRAS Isoform A(G12C)は不活性なGDP結合状態で維持され、グアニンヌクレオチド交換反応が阻害された。

Coupled Nucleotide Exchange Assay(AlphaLISA法)

画像内容説明
図5. KRAS Isoform A(G12C)のグアニンヌクレオチド交換に対する各種KRAS阻害物質の影響

使用キット:KRAS(G12C) Coupled Nucleotide Exchange Assay Kit(#78565
上記キットを用いて、BAY-293およびAMG510の濃度をそれぞれ段階的に上昇させた条件下で、KRAS Isoform A(G12C)のグアニンヌクレオチド交換阻害を評価した。
BAY-293は、KRASとSOS1の相互作用を選択的に阻害する。本測定におけるBAY-293のIC50値は213 nMであった。AMG510は、KRAS Isoform A(G12C)に対する共有結合性阻害物質である。本図ではkinact/Ki値は示されていない。



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キット内容

Nucleotide Exchange Assay

  • BODIPY-GDP-loaded KRAS, His-tag*1
  • GTP
  • KRAS nucleotide exchange buffer
  • DTT
  • EDTA
  • Microplate, black
  • Plate sealing film

*1 製品によってKRAS Isoform A(G12C)、KRAS Isoform A(G12D)、KRAS Isoform B(野生型)、KRAS Isoform B(G12V)のいずれかを含みます。
測定には蛍光プレートリーダーが別途必要です。

Coupled Nucleotide Exchange Assay

  • GDP-loaded KRAS, His-tag*2
  • SOS1, FLAG-tag
  • RBD-cRaf, GST-tag
  • GTP
  • RBD-RAS binding buffer
  • DTT
  • Immuno buffer 1

*2 製品によってKRAS Isoform A(G12C)、KRAS Isoform A(G12D)、KRAS Isoform B(野生型)、KRAS Isoform B(G12V)のいずれかを含みます。
測定にはAlphaScreen microplate readerおよびアクセプター/ドナービーズ、および対応したプレートが別途必要です。



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メーカー資料/技術資料

画像をクリックするとPDFをダウンロードできます。

whitepaper

KRAS nucleotide exchange assays for inhibitor screening and profiling



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関連製品

BPS Bioscience社では、上記製品の他にも、KRASに関する製品を幅広く取りそろえています。

Coupled Nucleotide Exchange (TR-FRET) Assay

TR-FRET(Time-Resolved Fluorescence Resonance Energy Transfer)法により、グアニンヌクレオチド交換反応に伴うGTP結合型KRASとRBD-cRafの結合を検出するキットです。

製品ラインナップ

品名 製品概要 商品コード
KRAS(G12C) Isoform A Coupled Nucleotide Exchange (TR-FRET) Assay Kit エフェクタータンパク質であるRaf1のRas結合ドメイン(RBD-cRaf)とKRAS Isoform A(G12C)との結合をモニターし、KRAS Isoform A(G12C)に対するアンタゴニスト/阻害物質をスクリーニングおよびプロファイリングするTR-FRET法のキット。 82709
KRAS Isoform B Coupled Nucleotide Exchange (TR-FRET) Assay Kit エフェクタータンパク質であるRaf1のRas結合ドメイン(RBD-cRaf)とKRAS Isoform B(野生型)との結合をモニターし、KRAS Isoform B(野生型)に対するアンタゴニスト/阻害物質をスクリーニングおよびプロファイリングするTR-FRET法のキット。 82716

特長

  • 測定方法:TR-FRET
  • 検出方法:蛍光
  • 測定波長:Ex 340 nm/Em 620 nm、665 nm
  • フォーマット:384-well format

測定原理

GDPと結合したKRASの各種アイソフォームの野生型または変異体を含む試料をSOS1およびGTPとインキュベートし、ヌクレオチド交換を行います。GDPと結合したKRASは不活性状態であり、cRafのRas結合ドメイン(RBD)とは相互作用しません。SOS1はKRASからのGDP放出を助け、代わりにGTPがヌクレオチド結合ポケットに入ることでKRASの構造変化を促します。これによりKRASはRBD-cRafと結合できるようになります。次にRBD-cRafを反応液に添加し、インキュベーション後にアクセプター色素およびドナー色素を加えます。生じたTR-FRETシグナルは蛍光プレートリーダーで測定でき、そのシグナル強度はGTP結合型KRASの存在量に比例します。

Coupled_exchange_diagram図6. Coupled Nucleotide Exchange (TR-FRET) の測定原理

キット内容

  • KRAS, His-tag, GDP-loaded*3
  • SOS1, FLAG-tag
  • RBD-cRaf, GST-tag
  • GTP
  • Tb-labeled donor
  • Anti-6His acceptor dye
  • RBD-RAS binding buffer
  • DTT
  • Immuno buffer 1
  • White, nonbinding, low volume microtiter plate

*3 製品によってKRAS Isoform A(G12C)またはKRAS Isoform B(野生型)のいずれかを含みます。
測定にはTR-FRET測定対応の蛍光プレートリーダーが別途必要です。その他に必要な試薬・機器については製品マニュアルをご確認下さい。



KRAS Inhibitor

品名 構造式 化学式 商品コード
BI-2865 の構造式 C23H27N7O2S 82711
Sotorasib の構造式 C30H30F2N6O3 82712

Recombinant Protein

品名 商品コード
KRAS (G12C), Isoform A, His-Tag (E. coli-derived) 100413
KRAS (G12C), Isoform A, His-Tag, GDP-Loaded Recombinant 100640
KRAS (G12C), Isoform A, BODIPY-GDP Loaded, His-tag 100537
KRAS (G12C), Isoform A, His-Tag, GppNHp-Loaded Recombinant 100641
KRAS (G12D), Isoform A, His-Tag 100623
KRAS (G12D), Isoform A, His-Tag, GDP-Loaded Recombinant 101312
KRAS (G12D), Isoform A, His-Tag, BODIPY-GDP Loaded 100887
KRAS (G12D), Isoform A, His-Tag, GppNHp-Loaded Recombinant 101481
KRAS (G12R), Isoform A, His-Tag (E. coli-derived) 100841
KRAS, Isoform B, His-Tag 11308
KRAS, Isoform B, His-Tag, GDP-Loaded Recombinant 101522
KRAS, Isoform B, His-Tag, BODIPY-GDP Loaded 100886
KRAS (G12C), Isoform B, His-Tag (Sf9-derived) 100824
KRAS (G12R), Isoform B, His-Tag (Sf9-derived) 100825
KRAS (G12V), Isoform B, His-Tag 100480
KRAS (G12V), Isoform B, His-Tag, GDP-Loaded Recombinant 101355
KRAS (G12V), Isoform B, His-Tag, BODIPY-GDP Loaded Recombinant 101504
KRAS (G12V), Isoform B, His-Tag, GppNHp-Loaded Recombinant 101359
KRAS (G13D), Isoform B, His-Tag 100479


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関連受託サービス



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お問い合わせ先

(テクニカルサポート 試薬担当)

reagent@funakoshi.co.jp

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