HOME
>
試薬
>
タンパク質/酵素
>
タンパク質解析
>
タンパク質の抽出・精製
>
血清・血漿中のタンパク質解析の前処理用製品選択ガイド
HOME
>
試薬
>
タンパク質/酵素
>
タンパク質解析
>
プロテオミクス用前処理キット
>
血清・血漿中のタンパク質解析の前処理用製品選択ガイド
アルブミン/IgG/ヘモグロビン除去キット特集 血清・血漿中のタンパク質解析の前処理用製品選択ガイド
掲載日情報:2021/11/04 現在Webページ番号:70100
プロテオミクス解析の進歩によって血漿中の1,000を超える個別のタンパク質の同定が可能になりました。細胞質、細胞小器官、細胞骨格、および膜に存在するタンパク質は、分泌型か非分泌型かに関わらず血漿中にある程度存在します。プロテオミクス解析は、病気の状態により発現量が増減するタンパク質を検出し、さまざまな状態のマーカーとしての利用が期待できます。血漿試料は非侵襲性なため入手が容易で、そのようなマーカーの入手に適しています。ここでは、血清・血漿試料からマーカーとして期待できる標的タンパク質の解析用の前処理用製品をご紹介します。
追加しました。
血清・血漿中のタンパク質解析について
血清・血漿中のタンパク質解析の問題点
血清または血漿中に存在するタンパク質は、サイトカイン(pg/mlオーダー)などの少量のタンパク質から、血漿中の総タンパク質量の50%以上を占めるアルブミン(30~50 mg/ml)に至るまで、それぞれのタンパク質濃度には10桁以上の差があります。アルブミンとIgGを合わせると、全血漿タンパク質の60%以上を占めます。一方で、一次元および二次元電気泳動、HPLC、および質量分析では、試料のロードできる量や、解析できるタンパク質の質量のダイナミックレンジが制限されているために、高濃度のタンパク質の存在が目的タンパク質の検出の閾値を下げるという大きな課題をもたらします。したがって、血中に豊富に含まれるタンパク質と、少量しか含まれないタンパク質を効果的に分離するための方法が必要となります。
血清・血漿中のアルブミン(IgG)除去の方法
血清・血漿中に特に多く存在するタンパク質としては、アルブミンとIgGが挙げられます。
血中タンパク質の分布
- クロマトグラフィー法:
- 遠心分離・沈降法:
- 免疫アフィニティ精製:
- スピンカラム法:
- BioMag超常磁性粒子技術:
従来、タンパク質に親和性を有するチバクロンブルー(Cibacron-blue, ortho-sulfonated-phenylamino-triazine dye)固定化担体によるクロマトグラフィー法が広く用いられていました。また、簡便なアルブミン除去方法としては、遠心上清、アルブミン除去画分を遠心後の沈殿として回収する遠心・沈降法のキットもあります。しかし、これらの方法はいずれも特異性に欠けるというデメリットもあります。
また、抗アルブミン抗体や抗IgG抗体を用いた免疫アフィニティ精製は、一般に簡便性に加え、優れた特異性と再現性を有しています。しかし、アフィニティ精製は通常、分離コストが高く、またアフィニティ分離担体のタンパク質が溶出して目的タンパク質を含むフロースルーに混入する可能性もあります。
一方で、高分子電解質(Poly-electrolysis)エラストマー(ゴム状弾性体)やシリカ担体とアルブミンとの親和性を使用したスピンカラム法に基づくシステムもあります。これらはアフィニティ担体と同等の性能を有し、より経済的で他のタンパク質との交差反応性がほとんどないことが特長です。
これらの多くは、カラムクロマトフラフィーに基づいているため、少量タンパク質の収量を増加するためには試料量も増やさねばならず、それに伴いタンパク質の濃縮操作を追加することが必要となります。BioMag超常磁性粒子技術分離方法は、イオン交換樹脂を結合させた磁気ビーズを用いることにより、特定のバッファー条件と組み合わせることで、アルブミンの磁性ビーズへの結合を最小限に抑えながら、血清中の少量のタンパク質の吸着、溶出を行うことができます。
上記の方法のいくつかは、血清または血漿中のIgGの除去にも対応している、またはIgG除去に特化したキットも別に提供されてます。当社では、プロテオーム研究に有用な、各種の血清・血漿中のアルブミン(IgG)除去システムの製品を取りそろえており、実験・研究目的に応じて最適な製品をご選択いただけます。
追加しました。
血清・血漿中のタンパク質解析の前処理用製品選択ガイド
分画方法をクリックすると方法別の製品と特長、品名をクリックするとそれぞれの製品記事をご覧いただけます。
除去対象 | 動物種 | 分画方法 | 品名 | メーカー | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|
Albumin | IgG | Hemoglobin | その他 | ||||
● | - | - | - | マルチ | クロマトグラフィー | Cibacron-blue 3GA | ![]() |
● | - | - | - | マルチ | 遠心分離・沈降 | Minute Albumin Depletion Reagent for Plasma and Serum | ![]() |
● | - | - | - | マルチ | 遠心分離・沈降 | Albumin Segregation Kit, Solvent | ![]() |
● | - | - | - | マルチ | スピンカラム | Albumin Segregation Kit, Column | ![]() |
● | - | - | - | マルチ | スピンカラム | AlbuSorb | ![]() |
● | - | - | - | マルチ | スピンカラム | AlbuVoid | ![]() |
● | - | - | - | マルチ | スピンカラム | AlbuVoid LC-MS On-Bead | ![]() |
● | - | - | - | ヒト*1 | 磁気ビーズ | ProMax Albumin Removal Kit | ![]() |
● | ● | - | - | マルチ | スピンカラム | AlbuSorb PLUS | ![]() |
● | ● | - | - | マルチ | スピンカラム | AlbuVoid PLUS | ![]() |
● | ● | - | - | ヒト | スピンカラム | Proteome Purify 2 Human Serum Protein Immunodepletion Resin | ![]() |
● | ● | - | - | マウス | スピンカラム | Proteome Purify 2 Mouse Serum Protein Immunodepletion Resin | ![]() |
● | ● | - | ●*2 | ヒト | スピンカラム | Proteome Purify 12 Human Serum Protein Immunodepletion Resin | ![]() |
- | ● | - | - | ヒト | 磁気ビーズ | IgG Removal Kit, ProMax | ![]() |
- | - | ● | - | マルチ | スピンカラム | HemoVoid | ![]() |
- | - | ● | - | マルチ | スピンカラム | HemoVoid LC-MS On-Bead | ![]() |
- | - | ● | - | マルチ | 遠心分離・沈降 | HemogloBind | ![]() |
*1 ヒトのほか、マウス、ラット、ヒツジ、ヤギ、およびウサギ血清からもアルブミンが除去できることを確認済みです。
*2 ヒトのアルブミンとIgGのほか、10種類血中タンパク質(α1-Acid Glycoprotein、α1-Antitrypsin、α2-Macroglobulin、Apolipoprotein A-Ⅰ、Apolipoprotein A-Ⅱ、Fibrinogen、Haptogloblin、IgA、IgM、Transferrin)を除去することができます。
追加しました。
クロマトグラフィー法
参考文献
- Zhu, J., et al., "Cibacron Blue F3GA functionalized poly(vinyl alcohol-co-ethylene) (PVA-co-PE) nanofibrous membranes as high efficient affinity adsorption materials.", Journal of Membrane Science, 385, 269~276 (2011). (
)
- Lu, P. & Hsieh, Y.L., "Lipase bound cellulose nanofibrous membrane via Cibacron Blue F3GA affinity ligand. Journal of Membrane Science", 330, 288~296 (2009). (
)
- Gianazza, E., and Arnaud, F., "A general method for fractionation of plasma proteins. Dye-ligand affinity chromatography on immobilized Cibacron blue F3-GA.", Biochem. J., 201(1), 129~136 (1982). [PMID:7082279]


追加しました。
遠心分離・沈降法
アルブミンの除去
溶解度の違いを利用してアルブミンリッチ画分とアルブミン除去画分を分画する方法です。血清または血漿を加えたチューブに試薬を追加し、撹拌後に遠心分離を行うだけでアルブミンリッチ画分(上清)とアルブミン除去画分(沈殿)を分画できます。アルブミン除去画分では、85~90%以上のアルブミン除去率が得られます。
使用例
特長
- 操作が簡便で、遠心分離機以外の特別な機器は不要で短時間で分画が行えます。
- 溶解度の違いにより分離するため特異性は低く、アルブミンに溶解度の近い成分はアルブミンリッチ画分(遠心上清)に分画されます。
製品概要
品名をクリックすると詳細な製品情報をご覧いただけます。
品名 | メーカー | 製品概要 |
---|---|---|
Minute Albumin Depletion Reagent for Plasma and Serum | ![]() |
カラムや樹脂を使わず、血清または血漿試料に等量の試薬を加えて混ぜた後に遠心分離して上清を廃棄するだけの簡単な操作で、70~90%以上のアルブミンを除去することができる試薬です。 |
Albumin Segregation Kit-Solvent | ![]() |
有機溶媒による沈降法でアルブミン(Alb-)除去画分(沈殿)とアルブミンリッチ(Alb+)画分(遠心上清)とに分画するキットです。キットには、遠心上清として得られるAlb+画分を沈降分離、再溶解するProPreCip(Precipitation booster)やマクロ遠心チューブも含まれています。 |
ヘモグロビンの除去
使用例
製品概要
品名をクリックすると詳細な製品情報をご覧いただけます。
品名 | メーカー | 製品概要 |
---|---|---|
HemogloBind | ![]() |
高分子電解質エラストマー(ゴム状弾性体)にヘモグロビンを吸着後に遠心分離により沈降させ、ヘモグロビンが除かれた血中タンパク質を遠心上清として回収するキットです。 |
追加しました。
スピンカラム
このシステムのユニークなことは、高分子電解質エラストマーにアルブミンを吸着させフロースルーとして目的タンパク質を含むアルブミン除去画分を得る方法と、シリカ担体に目的タンパク質を含むアルブミン除去画分を吸着させてフロースルーにアルブミンリッチな画分を溶出後、溶離液を加えて担体からアルブミン除去画分を溶出する方法を選択できることです。後者ではOn-beadsでトリプシン処理まで行い、すぐにLS-MS分析に使用できるキットもあります。
アルブミンの除去
使用例
特長
- 担体にアルブミンを吸着させてアルブミン除去画分をフロースルーとして分離・回収するキットと、反対に担体にアルブミン以外の成分を吸着させてアルブミンをフロースルーに排出し、溶離液を加えて担体から目的タンパク質を含む画分を回収するネガティブセレクション法に基づくユニークなキットがあります。
- ネガティブセレクション法で、同一チューブ内でOn-beadでトリプシン消化まで行うキットもあります。
製品概要
品名をクリックすると詳細な製品情報をご覧いただけます。
品名 | メーカー | 製品概要 |
---|---|---|
Albumin Segregation Kit-Column(ASKc) | ![]() |
アルブミンをスピンカラムに充填したAlbumin segregation matrix(ASM)に吸着させ、アルブミン除去画分をフロースルーとして分離・回収するキットです。 |
AlbuSorb | ![]() |
スピンカラムに充填した高分子電解質エラストマー担体にアルブミンを吸着させ、目的タンパク質を含む画分をフロースルーとして分離・回収するキットです。 |
AlbuVoid | ![]() |
スピンカラムに充填したシリカ担体にアルブミン以外のタンパク質を吸着し、アルブミンをフロースルーに排出後、溶離液を加えて担体から目的タンパク質を含む画分を溶出させるネガティブセレクション法に基づいたキットです。 |
AlbuVoid LC-MS On-Bead | ![]() |
AluVoidでアルブミン除去画分をシリカ担体に吸着し、そのままOn-Beadでトリプシン消化まで行えるキットです。標識/非標識LC-MSに有用です。 |
アルブミン&IgG、+その他10成分の除去
使用例
特長
- アルブミンやIgGなどの血中に多く含まれるタンパク質に対する抗体をレジンに結合させて目的タンパク質が含まれる画分をフロースルーとして回収するキットと、シリカや高分子電解質エラストマー(ゴム状弾性体)を用いた担体との親和性の違いを利用してアルブミンやIgGを除去した画分を回収するキットがあります。
- 親和性の違いを利用するキットには、高分子電解質エラストマーの担体にアルブミンやIgG、またはその他の血中タンパク質を吸着させ、目的タンパク質を含む画分をフロースルーとして分離・回収するキットと、反対にシリカベースの担体にアルブミン以外の成分を吸着させてアルブミンをフロースルーに排出し、溶離液を加えて担体からア目的タンパク質を含む画分を回収するネガティブセレクション法に基づくユニークなキットがあります。
- ネガティブセレクション法で、アルブミン除去画分をシリカベースの担体に吸着させ、そのまま同一チューブ内でOn-beadでトリプシン消化まで行うキットもあります。
製品概要
品名をクリックすると製品の詳細、商品コードをクリックすると各製品の価格表をご覧いただけます。
品名 | メーカー | 製品概要 |
---|---|---|
Proteome Purify Serum Protein Immunodepletion Resin | ![]() |
スピンカラムに充填したヒトまたはマウスのアルブミンおよびIgG、またはその他10種類の成分に対する抗体をレジンに結合させた担体にそれらを結合させ、目的タンパク質を含む画分をフロースルーとして分離・回収するキットです。 |
Alsorb PLUS | ![]() |
高分子電解質エラストマーとプロテインA固定化シリカビーズにアルブミンとIgGを担体に吸着させ、目的タンパク質を含むフロースルーとして分離・回収するキットです。 |
AlbuVoid PLUS | ![]() |
IgG Depletion KitでIgG を吸着・除去後、AlbuVoidによりアルブミン以外の成分をシリカベース担体に吸着しアルブミンをフロースルーへ排出後、担体から目的タンパク質を含む画分を溶出・回収するキットです。 |
ヘモグロビンの除去
使用例
特長
- ヘモグロビン以外の成分をシリカベースの担体に吸着させてヘモグロビンをフロースルーに排出し、溶離液を加えて担体からヘモグロビン以外の血中タンパク質を回収するネガティブセレクション法に基づくキットです。
- ネガティブセレクション法でヘモグロビン除去画分をシリカベースの担体に吸着させ、そのまま同一チューブ内でOn-beadでトリプシン消化まで行うキットもあります。
製品概要
品名をクリックすると製品の詳細、商品コードをクリックすると各製品の価格表をご覧いただけます。
品名 | メーカー | 製品概要 |
---|---|---|
HemoVoid | ![]() |
シリカベースの担体にヘモグロビン以外の血中タンパク質を結合させた後に、溶離液を加えて担体から分離・溶出するキットです。 |
HemoVoid LS-MS On-Bead | ![]() |
ネガティブセレクション法でヘモグロビン以外の血中タンパク質をシリカベースの担体に吸着させ、そのまま同一チューブ内でOn-beadでトリプシン消化まで行うキットです。 |
追加しました。
磁気ビーズ
使用例
特長
- イオン交換の原理を用いてアルブミンまたはIgGを除去します。
- カラムクロマトグラフィーを用いる方法と異なり、溶出時の試料量の増加を抑えられるため、血清中に含まれる少量の目的タンパク質を研究する際に最適です。
- ProMax Serum IgG Removal Kitで処理した後、ProMax Albumin Removal Kitで処理を行うことにより、IgGとアルブミンの両方を血清から除去できます*3。
- 操作は約30分以内に完了します。
*3 操作の途中でpHの調整を行う必要があります。
製品概要
品名をクリックすると製品の詳細、商品コードをクリックすると各製品の価格表をご覧いただけます。
品名 | メーカー | 製品概要 |
---|---|---|
ProMax Albumin Removal Kit | ![]() |
独自の磁気ビーズとセパレーターを用いたシステム(BioMagテクノロジー)により、迅速かつ容易にヒト血清試料中のアルブミンを除去するキットです。 |
ProMax Serum IgG Removal Kit | ![]() |
独自の磁気ビーズとセパレーターを用いたシステム(BioMagテクノロジー)により、迅速かつ容易にヒト血清試料中のIgGを除去するキットです。 |
関連製品 BioMag Tube / Plate Separator
BioMagなどの磁性ビーズを用いた各種化合物の分離、精製に用いるのに最適なマグネチックスタンドです。96 wellプレートから、マイクロチューブ、試験管、遠沈管まで、様々なリザーバーに適応するスタンドがあります。夾雑物質を結合した磁性ビーズはマグネチックスタンドに保持されるため、チューブまたはプレートウェル内の目的物質を含む上澄みを吸引またはデカンテーションで取り出すことにより、目的物質を含むフラクションを分離、濃縮することができます。製品の詳細はBioMag Tube / Plate Separatorシリーズをご覧下さい。
BioMag Multi-6 Microcentrifuge Tube Separator
追加しました。
製品情報は掲載時点のものですが、価格表内の価格については随時最新のものに更新されます。お問い合わせいただくタイミングにより製品情報・価格などは変更されている場合があります。
表示価格に、消費税等は含まれていません。一部価格が予告なく変更される場合がありますので、あらかじめご了承下さい。