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ヘルパーT細胞マーカー関連抗体(R&D Systems社) Helper T Cells Marker Antibodies
掲載日情報:2021/08/05 現在Webページ番号:70080
ヘルパーT細胞マーカー抗体をご紹介します。
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- ヘルパーT細胞の種類
- 濾胞ヘルパーT細胞(Follicular Helper T Cell)
- Th1細胞
- Th2細胞
- Th9細胞
- Th17細胞
- Th22細胞
- 使用例
- Th1細胞分化経路
- 参考資料 CD4+ T Cell Subsets
ヘルパーT細胞の種類
細胞種をクリックするとそれぞれのヘルパーT細胞のマーカーの詳細をご覧いただけます。
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濾胞ヘルパーT細胞(Follicular Helper T Cell)
濾胞ヘルパーT細胞マーカー
濾胞ヘルパーT(Tfh)細胞は、抗原特異的B細胞免疫の調節と分化に関与するCD4+ヘルパーT細胞のサブセットです。Tfh細胞は、二次リンパ器官のB細胞濾胞に局在し、そこで抗原特異的な胚中心B細胞と相互作用します。これらの相互作用を通じて、Tfh細胞は胚中心B細胞の生存と増殖に不可欠なシグナルを提供し、高い抗原親和性でB細胞の増殖を選択的に促進します。
マウスではTfh細胞は、IL-6、IL-21、およびICOSリガンドの存在下で、活性化されたナイーブCD4+T細胞から発生しますが、ヒトではIL-21、IL-12、IL-23、TGF-β、およびICOSリガンドがTfh細胞の発生に必要です。ヒトとマウスのTfh細胞は、ともに細胞表面マーカーCD4、CXCR5、ICOS、およびPD-1を発現し、CXCL13、IL-4、およびIL-21分泌細胞として最も一般的です。さらに、Tfh細胞は高レベルのIL-6 Rα、および転写因子であるSTAT3とBcl-6を発現します。後者は、Tfh細胞の発達に必要なマスター転写調節因子です。Bcl-6は、CXCR5の初期発現、初期Tfh細胞のB細胞濾胞への移動、Tfh細胞の分化、および胚中心形成の間接的な調節に関与する転写抑制因子です。さらに、Bcl-6は、他のCD4+Tヘルパー細胞サブセットの分化を促進する因子の発現を抑制します。
濾胞ヘルパーT細胞(Follicular Helper T Cell)マーカー抗体一覧
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Th1細胞
Th1細胞マーカー
ヘルパーT1(Th1)細胞は、細胞内ウイルスおよび細菌性病原体に対する宿主防御に必要なCD4+エフェクターT細胞のサブセットです。Th1細胞は、IL-27、IL-12、およびIFN-γの存在下で、活性化されたナイーブCD4+T細胞から分化します。Th1細胞は、IL-12R β 2, IL-27R α/WSX-1, IFN-γ R2, IL-18R, CCR5, およびCXCR3の細胞表面の発現、転写調節因子であるSTAT4とT-betの発現に基づき、他のCD3+、CD4+、CD8-T細胞と区別することができます。T-betは、Th1細胞の発生に必要なマスター転写調節因子であると考えられています。
Th1細胞から分泌されたサイトカインは、ナチュラルキラー細胞および細胞傷害性CD8+T細胞の活性化だけでなく、古典的なマクロファージの活性化も誘導します。Th1細胞からの過剰なサイトカインの分泌は、Th1細胞は、関節リウマチ、多発性硬化症、炎症性腸疾患、乾癬、Ⅰ型糖尿病などの自己免疫疾患の病因になる可能性があります。
Th1細胞マーカー抗体一覧
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Th2細胞
Th2細胞マーカー
ヘルパーT2(Th2)細胞は、体液性免疫に必要なCD4+エフェクターT細胞のサブセットであり、蠕虫(ぜんちゅう)などの大きな細胞外病原体に対する宿主の防御に重要です。活性化後、ナイーブCD4+T細胞は、IL-4と、IL-2、IL-7、または胸腺間質リンホポエチン(TSLP)のいずれかの存在下でTh2細胞に分化します。
Th2細胞は、一般的に転写調節因子のSTAT5、STAT6、およびGATA-3とともに、細胞表面マーカーCCR3、CCR4、CCR8、CXCR4、およびST2/IL-1 R4の発現に基づいて、他のCD3+、CD4+、CD8-Tヘルパー細胞サブセットと区別されます。GATA-3はTh2細胞の発生に必要なマスター転写調節因子です。これらのマーカーに加え、Th2細胞によって一般的に分泌されるサイトカインであるIL-4、IL-5、IL-9、IL-13、IL-17E/IL-25などによってTh2細胞と他のCD4+エフェクターT細胞サブセットとを区別することもできます。
Th2細胞に関連するサイトカインは、マスト細胞の生存と増殖を促進し、マスト細胞、好塩基球、および好酸球の走化性を誘導し、B細胞によるIgE抗体の産生を調節し、代替マクロファージの活性化を促進します。Th2応答の制御不能は、アレルギー性鼻炎や喘息などのアトピー性疾患の発症に関連しています。
Th2細胞マーカー抗体一覧
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Th9細胞
Th9細胞マーカー
ヘルパーT9(Th9)細胞は、寄生虫(蠕虫)感染の防御に関与するCD4+エフェクターT細胞のサブセットです。Th9細胞は、転写因子PU.1/Spi-1を誘導するTGF-βおよびIRF4の発現を誘導するIL-4の存在下において、ナイーブCD4+T細胞から発生します。IL-9は、活性化後にTh9細胞から分泌される主要なサイトカインです。さらに、Th9細胞はCCL17、CCL22、およびIL-10(マウス)も分泌します。注目すべき点として、Th9細胞は、Th2関連サイトカインであるIL-4、IL-5、およびIL-13、Th17関連サイトカインであるIL-17A、またはTH-1関連サイトカインであるIFNγなどの他のヘルパーT細胞サブセットに特徴的なサイトカインを発現しません。また、T-bet(Th1細胞)、GATA-3(Th2細胞)、RORγt(Th17細胞)、またはFoxP3(制御性T細胞)などの他のTヘルパー細胞サブセットの分化を調節する一次転写因子を発現しません。
Th9細胞は、一般的にユニークなTヘルパー細胞サブセットであると認められています。しかし、これらの細胞はTh2細胞と密接に関連しており、特定の条件下においては容易にTh2様の表現型を示すことが報告されています。Th9細胞は、アレルギー性喘息、炎症性腸反応、および自己免疫性炎症の病因に関与していると考えられていますが、殺腫瘍活性があることも示唆されています。
Th9細胞マーカー抗体一覧
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Th17細胞
Th17細胞マーカー
ヘルパーT17(Th17)細胞は、特定の真菌や細胞外細菌に対する宿主の防御に必要なCD4+エフェクターT細胞のサブセットです。マウスでは、ナイーブCD4+T細胞はIL-6およびTGF-βの存在下でTh17細胞に分化し、Th17表現型の安定にはIL-21およびIL-23が必要です。一方で、ヒトにおけるTh17分化には、IL-1β、IL-6、IL-21、およびIL-23が必要ですが、TGF-βベータへの依存度は低くなります。これらの細胞表面および細胞内マーカーに加え、IL-17A、IL-17F、IL-21、およびIL-22の産生に基づいて、マウスおよびヒトTh17細胞は、他のCD4+T細胞サブセットと区別することができます。また、ヒトTh17細胞は、マウスにホモログが存在しないサイトカインであるIL-26も分泌します。
Th17細胞によって分泌されるサイトカインは、二次炎症性メディエーターおよび抗菌ペプチドの発現を誘導します。Th17細胞は、有害な病原体の排除に重要な役割を果たしますが、Th17細胞が分泌するサイトカインの乱れは、炎症性腸疾患、多発性硬化症、乾癬、関節リウマチなどの自己免疫疾患の病因に関連しています。
Th17細胞マーカー抗体一覧
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Th22細胞
Th22細胞マーカー
Tヘルパー22型(Th22)細胞は、CD4+エフェクターT細胞のサブセットであり、皮膚に用いられることが示唆され、微生物病原体から防御や組織の修復とリモデリングに関与している可能性があります。Th22細胞は、IL-6およびTNF-αの存在下でナイーブCD4+T細胞から分化します。高レベルのIL-22を産生しますが、IL-17、IFN-γ、またはIL-4は産生しません。IL-22に加えてTh22細胞は、CCR4、CCR6、CCR10、いくつかの線維芽細胞成長因子(FGF)、IL-13、TNF-α、およびアリール炭化水素レセプター(AHR)転写因子を発現します。Th22細胞はCCR4、CCR6、IL-22の発現など、Th17細胞と多くの類似点を共有しています。Th22細胞はCCR10を発現し、CD161とIL-17のどちらも発現しない点でTh17細胞と区別されます。
造血細胞は機能的なIL-22レセプターを欠如しているため、Th22細胞は主に上皮細胞と間質細胞に作用すると考えられています。Th22細胞とIL-22の頻度の増加は、乾癬、アトピー性皮膚炎、関節リウマチ、多発性硬化症など、様々な炎症性皮膚疾患や自己免疫疾患で見られます。
Th22細胞マーカー抗体一覧
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使用例
フローサイトメトリーによるヒトTh1細胞上の細胞表面および細胞内マーカーの検出
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ドットブロットは、CD4+細胞集団(青色)およびTh1分化細胞集団(橙色)において、相対的なTIM-3+、IL-12R β+、T-bet+、およびIFN-γ+細胞の集団を示しています。
使用した細胞
- ヒト末梢血単核細胞由来CD4+T細胞
細胞の処理・刺激条件
- ヒトIL-12組換え体タンパク質(#219-IL)
- 抗ヒトIL-4抗体(#AB-204-NA)
- 50 ng/ml PMA
- 200 ng/ml calcium ionomycin
- 3μM monensin
検出(蛍光色素標識抗体)
- Alexa Fluor 700標識マウス抗ヒトCD4モノクローナル抗体(#FAB3791N)
- Alexa Fluor 594標識 ラット抗ヒトTIM-3モノクローナル抗体(#FAB2365T)
- PE標識マウス 抗ヒト/マウスIL-12 R β2モノクローナル抗体(#FAB1959P)
- PerCP標識マウス 抗ヒトIFN-γモノクローナル抗体(#IC285C)
- Alexa Fluor 488標識マウス抗ヒトT-betモノクローナル抗体(#IC53851G)
その他の使用製品
- 細胞の分離:MagCellect Human CD4+ T Cell Isolation Kit(#MAGH102)
- 細胞の透過処理:FlowX FoxP3 Fixation&Permeabilization Buffer Kit(#FC012)
- アイソタイプコントロール:#IC003N、#IC006T、#IC002P、#IC0041C、#IC002G
関連製品
上記、Th1細胞の細胞表面および細胞内染色に使用した5種類の蛍光標識抗体とバッファーのセット製品もあります。
- FlowX Human Th1 Cell Multi-Color Flow Cytometry Kit(#FMC009B)
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Th1細胞分化経路
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参考資料 CD4+ T Cell Subsets
CD4+ T Cell Subsets brochure
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