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高感度な変性コラーゲン検出試薬 Denatured Collagen Detection Reagent

掲載日情報:2020/06/19 現在Webページ番号:69305

フナコシ /
フナコシ株式会社

各種病態マーカーとして注目される変性コラーゲンを簡便かつ高感度に検出する環状ペプチドです。ビオチンが付与されており,各種標識アビジン・ストレプトアビジンにより検出が可能です。抗体とは異なり,変性したコラーゲンを特異的に検出できるため,コラーゲンの生理・病理学研究に有用です。
本試薬は細胞内の生合成過程にある1本鎖状態のコラーゲン検出にも応用できます。 詳しくはこちらをご覧下さい。

本製品は研究用です。研究用以外には使用できません。
本製品は早稲田大学先進理工学研究科 化学・生命化学専攻 小出隆規教授の研究成果をもとに,フナコシ株式会社が製品化し,販売しています。

変性コラーゲンと疾患

変性コラーゲンと疾患 (クリックで開閉します)

コラーゲンは細胞外マトリックスの主要構成成分で,哺乳動物を構成するタンパク質の中で最も多量に存在するタンパク質です。コラーゲンは特徴的なアミノ酸配列Gly-Pro-Hyp (4-hydroxyproline) の繰り返し配列を有し,3重螺旋構造を形成しています。ヒトでは27種類のファミリーメンバーが同定されています。これらコラーゲンファミリーはプロテアーゼによる分解や機械的ストレスなどにより3重螺旋がほどけることが知られており,ほどけたコラーゲンは変性コラーゲン(Denatured collagen)と呼ばれています。変性コラーゲンは下記のような幅広い疾患や現象におけるマーカーになると考えられており,その簡便かつ高感度な検出手法が期待されています。しかしながら,各種コラーゲンに対する抗体を用いても,非変性・変性状態を区別することができず,変性コラーゲン特異的な検出は困難でした。近年,新しいコンセプトとして変性コラーゲン結合ペプチドが開発されましたが,感度が低く,微量の変性コラーゲンを高感度に検出するには不十分でした。本試薬は早稲田大学小出教授らにより開発された新規の変性コラーゲン検出技術をもとにフナコシ株式会社が製品化したもので,変性コラーゲンを特異的かつ高感度に検出することができます。

変性コラーゲンの模式図

変性コラーゲンが観察される主な例
  • 組織の機械的損傷(例:怪我)
  • 組織の生理的分解(例:変形性関節症など)
  • 急性炎症(例:心筋梗塞など)
  • 繊維再構成(例:糸球体腎炎,肺線維症など)
  • 発生(例:胚の骨形成)
  • 加齢(例:加齢性皮膚劣化)
  抗コラーゲン抗体 本製品
歪み環状ペプチド
コラーゲンの
非変性・変性の区別
不可
コラーゲンファミリー交差性 交差性なし
(特定一因子のみ検出)
幅広いサブメンバーに交差
種間差 あり なし
⇒少なくとも哺乳動物間であれば種に関わらず使用可
構造 IgG抗体 歪み環状ペプチド
分子量 ~150 kDa ~5 kDa



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既存試薬に対する優位性

既存試薬に対する優位性 (クリックで開閉します)

近年,変性コラーゲンを検出するツールとして,コラーゲン模倣ペプチドが開発されました。コラーゲン模倣ペプチドはGly-Pro-Hypの繰り返し配列を持つペプチドで,変性コラーゲン結合能を示す一方で,水溶液中で自発的に3重螺旋構造を形成してしまい,結合力が低いことが問題とされています。そのため,実験直前に加熱処理が必要で,実験上の煩雑さだけでなく,加熱後の温度コントロールが難しく,実験ごとの誤差の影響が懸念されています。
早稲田大学小出教授らは2本の長さの異なるコラーゲン模倣ペプチドを環状化することで,非加熱条件で使用できる,結合力価が大きく向上した次世代型変性コラーゲン検出ペプチド「歪み環状ペプチド」の開発に成功しました。本試薬はその技術をもとにフナコシ株式会社が製品化したもので,従来法に比べ感度が大きく向上し,微量の変性コラーゲンも検出が可能になるため,変性コラーゲンの生理学・病理学研究における新たなツールとして期待されています。

一本鎖CMPと歪み環状CMPの比較



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原理

プローブの構造

本試薬は長さの異なる2本のペプチドを両端で繋いだ環状ペプチドです。2本のペプチド鎖長が異なるため,歪んだ構造を有します。C末端領域にビオチンが付加されており,各種アビジン/ストレプトアビジン系で検出が可能です。
:N末端側はシステイン同士のジスルフィド結合で環状化されています。そのため,本試薬は還元剤との併用は不可能で,使用の際には還元剤の混入に十分注意をして下さい。

プローブの構造

変性コラーゲン検出原理

本試薬はコラーゲンに特徴的なアミノ酸配列 Gly-Pro-Hyp の繰り返し配列のペプチドを2本有しており,コラーゲンの変性箇所に特異的に結合します。

変性コラーゲン検出原理


■ 参考文献

  1. Takita, K. K., Fujii, K. K., Ishii, K., Koide, T., Org. Biomol. Chem., 17, 7380~7387 (2019).
    Structural optimization of cyclic peptides that efficiently detect denatured collagen.
  2. Takita, K. K., Fujii, K. K. Kadonosono, T., Masuda, R., Koide, T., ChemBioChem.,, 19, 1613~1617 (2018).
    Cyclic Peptides for Efficient Detection of Collagen.

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特長

  • 末端にビオチンが付与されており,各種蛍光標識アビジン/ストレプトアビジンにより検出できます。
    蛍光標識アビジン/ストレプトアビジンはこちら
  • 変性コラーゲン(酵素による分解途上にあるコラーゲンを含む)を特異的に検出できます。
  • 細胞内の生合成過程の未熟なコラーゲンを検出することが可能です。
  • SDS-PAGE後のウェスタンブロットで1次抗体の代わりに使用することで,種やアイソフォームによらず試料中のコラーゲンファミリーを検出できます。
    :SDS-PAGE/ウェスタンブロット法では,試料中のコラーゲンは既に変性状態にあるため,試料中のコラーゲン総量が観察されます。
  • 従来の変性コラーゲン検出試薬とは異なり,事前加熱不要です。

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参考データ

一本鎖型ペプチドと歪み環状ペプチドの結合能比較

■従来試薬との結合能比較
本試薬(歪み環状ペプチド)と既存試薬(1本鎖型ペプチド)の変性コラーゲン結合能を評価した。また,両試薬の事前加熱(95℃,5分)処理の有無が結合能に与える影響を検討した。加熱変性コラーゲンをコートしたプレートに,各試薬の濃度を変えて添加し,ストレプトアビジンHRP/発色基質により検出した。既存試薬(1本鎖ペプチド)は加熱時のみ結合が観察されたが,本試薬(歪み環状ペプチド)は事前加熱なしの条件でも結合能を示した。また,非加熱条件であっても環状ペプチド(本製品)は加熱条件の既存試薬(1本鎖ペプチド)に対し,約10倍程度の結合能を示した。


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アプリケーション

培養細胞より分泌されたコラーゲンの検出

■培養細胞より分泌されたコラーゲンの検出
マウス線維芽細胞(MEF)をコンフルエントで3日間培養しコラーゲン産生させたのち,95℃に熱したPBSを添加し,コラーゲンを変性させた(以後,変性処理と表記)。細胞を4% PFAで固定化後,BSAでブロッキングし,本試薬(歪み環状ペプチド)を3μg/mlで添加して1時間インキュベートした。検出系としてFITC標識ストレプトアビジンを添加し,1時間反応させ,洗浄後共焦点顕微鏡にて観察した。変性処理を施さなかった試料(天然コラーゲン)では蛍光シグナルが検出されなかったのに対し,変性処理を施した試料(変性コラーゲン)では優位な蛍光シグナルが検出された。

ウェスタンブロットによるコラーゲンの検出

■ウェスタンブロットによる各種コラーゲンの検出
精製I-V型コラーゲンをタンパク質混合溶液に溶解し,30 ng/レーンで電気泳動後,ニトロセルロース膜に転写した。スキムミルク溶液でブロッキング後,本試薬 5μg/mlにより1時間反応させ,HRP標識ストレプトアビジンで検出した。本試薬は従来の抗体とは異なり,アミノ酸配列が異なるI-V型コラーゲンをいずれも検出できることがわかる。
データの注意点
Collagen Iはα1(I)鎖2本とα2鎖1本からヘテロ3量体として形成。
Collagen Ⅱはα1(Ⅱ)鎖3本からホモ3量体として形成。
Collagen Ⅲはα1(Ⅲ)鎖3本からホモ3量体として形成。
Collagen IVはα1(IV)鎖, α2 (IV)鎖, α3(IV)鎖, α4(IV)鎖, α5(IV)鎖, α6(IV)鎖の6種類のサブユニットより3本でヘテロ3量体が形成されるため,個々のサブユニットの存在量が少なく,シグナルが弱く見える。
Collagen Vはα1 (V)鎖, α2(V)鎖, α3(V)鎖の3本からヘテロ3量体として形成。


組織中の総コラーゲン検出とその特異性の検証

■組織中の総コラーゲン検出とその特異性の検証
マウスの凍結組織(肝臓,腎臓,脾臓および脳)をダウンス型ホモジナイザーで破砕し,コラゲナーゼ添加有無条件下で2時間反応させたのち,SDSバッファーで変性条件下可溶化した。各試料をSDS-PAGEで分離後,PVDFメンブレンに転写し,3% BSA/TBST溶液でブロッキングした。本試薬(0.4 μg/ml in TBST)を1時間反応後,メンブレンを洗浄し,Streptavidin-HRP(0.05 μg/ml in TBST)で1時間反応させた。メンブレン洗浄後,ECL基質にて検出した。
組織ごとにコラーゲン含有量に差が見られたが,いずれの組織においてもバンドが検出された。これらのバンドはコラゲナーゼ処理により消失が見られたため,本試薬がコラーゲンファミリーを検出していることが分かる。
:腎臓ではコラゲナーゼ処理時も一部バンドが残っていますが,バンド位置がシフトしていることから,コラゲナーゼによる部分消化物と考えられます。



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生合成過程にある一本鎖状態コラーゲンの検出試薬としての応用

生合成過程にある一本鎖状態コラーゲンの検出試薬としての応用 (クリックで開閉します)

コラーゲンの生合成は小胞体(ER)で行われ,1本鎖のポリペプチドとして合成されたのち,コラーゲン特異的シャペロンHSP47により3重螺旋が形成されます(プロコラーゲン)。その後Golgi体を経て細胞外に分泌され,細胞外で成熟したコラーゲンになります。シャペロンタンパク質の欠損・機能欠損や分泌経路異常により未熟コラーゲンが小胞体(ER)に溜まることで疾患に繋がることが示唆されています。本製品(歪み環状ペプチド)は細胞外マトリックス中の変性コラーゲンのみならず,免疫細胞染色法と同様のプロトコルで使用することで小胞体内の生合成過程にあるコラーゲンの検出が可能です。正常細胞と疾患細胞における異常コラーゲンの蓄積量の比較など,生合成過程にある1本鎖状態のコラーゲン検出に優れた手法として期待されています。

コラーゲン生合成過程



コラーゲン検出の例

細胞内の生合成過程にある一本鎖コラーゲンの検出

細胞内の生合成過程にある一本鎖コラーゲンの検出

HSP47欠損マウス由来線維芽細胞と正常線維芽細胞を固定後に透過処理し,本試薬を3μg/mlで添加して1時間インキュベートした。検出系としてFITC標識ストレプトアビジンを添加し,1時間反応させ,洗浄後共焦点顕微鏡にて観察した。正常線維芽細胞に比べ,HSP47欠損細胞で顕著な未熟コラーゲンの蓄積が観察された。本試薬を用いることで,細胞ごとの生合成過程にある一本鎖コラーゲンの相対比較が可能である。


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価格

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納期 文献数
Denatured Collagen Detection Reagent
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説明文
各種病態マーカーとして注目される変性コラーゲン(Denatured Collagen)を簡便かつ高感度に検出する試薬。ビオチン付与体のため,各種標識アビジン・ストレプトアビジンにより検出が可能。抗体とは異なり,変性したコラーゲンを特異的に検出できるため,コラーゲンの生理・病理学研究に有用。
法規制等
保存条件 -20℃ 法規備考
掲載カタログ ニュース2020年12月15日号 p.27
ニュース2020年3月15日号 p.36

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Denatured Collagen Detection Reagent

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説明文 各種病態マーカーとして注目される変性コラーゲン(Denatured Collagen)を簡便かつ高感度に検出する試薬。ビオチン付与体のため,各種標識アビジン・ストレプトアビジンにより検出が可能。抗体とは異なり,変性したコラーゲンを特異的に検出できるため,コラーゲンの生理・病理学研究に有用。
法規制等
保存条件 -20℃ 法規備考
掲載カタログ ニュース2020年12月15日号 p.27
ニュース2020年3月15日号 p.36

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(テクニカルサポート 試薬担当)

reagent@funakoshi.co.jp

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