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qPCRによる5hmCと5mCの同時検出キット BisulPlus Loci 5mC & 5hmC Detection PCR Kit

掲載日情報:2019/10/24 現在Webページ番号:69186

バイサルファイト変換とシトシンデアミナーゼ処理とを併用(APOBEC)し、その後qPCRとシークエンシングを行うことで、遺伝子座または遺伝子レベルでの5mCと5hmC量を迅速かつ特異的に同時検出できるキットです。

製品紹介動画

5mCと5hmCについて

5mCと5hmCについて (クリックで開閉します)

5mCと5hmCの局在について

DNAのメチル化は、シトシン環の5位の炭素にメチル基を共有結合で付加することにより起こり、その結果5-メチルシトシン(5mC)が生じます。体細胞では、5mCは主にCpGジヌクレオチドにおける対称メチル化でのみ見られます。一方で胚性幹(ES)細胞では、CpG配列以外においてもかなりの量の5mCが観察されます。

5mCと5hmCの機能について

表現型と遺伝子発現における主要なエピジェネティック修飾として、5mCの生物学的重要性は広く認識されています。5-ヒドロキシメチルシトシン(5hmC)は、転写調節機能を持つ6番目のDNA塩基として、ヒトおよびマウスの脳、および胚性幹(ES)細胞に豊富に含まれていることが知られています。哺乳動物においては、5mCヒドロキシナーゼであるTET(10-11転座)ファミリーの酵素による5mCの酸化反応によって生成されます。生物学的に、5mCに加えて5hmCが表現型および遺伝子発現における重要なエピジェネティック修飾であると最近認識されました。
例えば、ほぼすべてのがんで5hmC含有量は全体的に減少(DNA低ヒドロキシメチル化)を示し、がんの分子マーカーおよび治療標的としても提唱されています。さらに重要なことは、遺伝子抑制マーカーと一般に考えられている5mCとは対照的に、5hmCはDNA脱メチル化の中間体とみなされており、遺伝子の活性化を潜在的に担う発現遺伝子と関連しています。

反応

5mCと5hmCの識別における問題点

バイサルファイト塩変換(CからU)の場合、5hmCは5mCと同様にシトシンからウラシルに変換されるため、5hmCは5mCと分別できません。その結果として、MS-PCRまたはBisulfite-seqを使用したアッセイでは、すべての5hmCが5mCと誤読されますが、実際には5mCと5hmCの両方が含まれるため、識別されたDNAメチル化状態を正しく認識できなくなります。また、TAB-Seq(TET-assisted bisulfite sequencing)やoxBS-Seq(oxidative bisulfite sequencing)など、単一塩基レベルの解像度でゲノム全体の5hmCマッピングを行える手法もありますが、これらの手法は費用と時間を要します。本キットは、遺伝子座および遺伝子レベルで5mCおよび5hmCの両方を特異的に検出できます。



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測定原理

ワークフロー

BisulPlus Loci 5mC & 5hmC Detection PCR Kitのワークフロー

バイサルファイト塩で処理の際に、DNAのバイサルファイト修飾と適当な長さへの断片化が同時に起こります。この処理では、未修飾のC(シトシン)はU(ウラシル)に変換され、シークエンシングではT(チミン)として読み取られます。5-メチルシトシン(5mC)は、Cと同様です。一方、5-ヒドロキシメチルシトシン(5hmC)はシトシン5-メチレンスルホン酸(CMS)を形成します。DNAは、バイサルファイト塩処理の次にシトシンデアミナーゼ処理を行う(APOBEC:A combination of bisulfite and subsequent cytosine deaminase )ことにより、5mCはTに変換されますが、CMSは影響を受けずにPCRおよびシークエンシングにおいてCとして認識されるために、5hmCはCや5mCのみならず5fCや5caCとも識別することが可能になります(下表参照)。バイサルファイト処理酵素反応の組み合わせで変換されたDNAは、5mCおよび5hmCの遺伝子座特異的検出のためのqPCRに用いることができます。





各塩基のシークエンシング結果

C 5mC 5hmC 5fC 5caC
未処理 C C C C C
本キット バイサルファイト変換 T C C T T
APOBEC処理 T T C T T

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特長

  • 5hmCと5mCの両方に対するDNA処理を同時に行うことで、qPCRにより遺伝子座または遺伝子特異的な方法で同時識別できます。
  • 特異性が高く、5hmCは、C(Cytosyne)、5mC、5fCおよび5caCと区別されます。
  • 測定試料:新鮮および凍結組織、培養細胞、マイクロダイセクション試料、パラフィン包埋組織、生検試料、胚細胞、血漿・血清、体液などから単離されたゲノムDNA、およびChIP、MeDIP/hMeDIP、またはエクソン濃縮などで得られた濃縮DNA
  • DNA量:10~200 ng(推奨DNA量:50~100 ng)
  • 変換率(Conversion ratio): C(シトシン)→U(ウラシル):>99%、5mC→T(チミン):>95%
  • 操作時間:5時間以内
  • アッセイ数:2×24 reactions*

5hmCおよび5mCの同時検出を24回、または5mCのみの検出を48回行うことができます。


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使用例

qPCRによるC、5mCおよび5hmCの識別

未修飾、メチル化およびヒドロキシメチル化DNAのスタンダードをそれぞれ処理後、CpGアイランドの変換配列または未変換配列を標的とするプライマーを用いてqPCRを行った。

  • A:本キット(APOBEC処理)
  • B:バイサルファイト変換

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キット内容

  • Conversion buffer
  • Conversion reagent
  • DNA binding buffer
  • Denaturation solution
  • Modified DNA elution
  • F-spin column
  • F-collection tube
  • APOBEC enzyme
  • APOBEC reaction buffer
  • Master mix
  • Methylated DNA
  • Hydroxymethylated DNA
  • M-Control primer-F/R
  • U-Control primer-F/R
  • AH dilution buffer

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価格

[在庫・価格 :2024年04月27日 00時00分現在]

※ 表示されている納期は弊社に在庫が無く、取り寄せた場合の納期目安となります。
詳細 商品名
  • 商品コード
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  • 価格
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  • 法規制等
納期 文献数
BisulPlus Loci 5mC & 5hmC Detection PCR Kit, 2x24reactions
10日程度 ※ 表示されている納期は弊社に在庫がなく、取り寄せた場合の目安納期となります。 0
説明文
法規制等 医薬用外劇物
保存条件 室温,-20℃,暗所保存 法規備考
掲載カタログ ニュース2020年5月1日号 p.11

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BisulPlus Loci 5mC & 5hmC Detection PCR Kit, 2x24reactions

文献数: 0

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掲載カタログ ニュース2020年5月1日号 p.11

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お問い合わせ先

(テクニカルサポート 試薬担当)

reagent@funakoshi.co.jp

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