可溶性ヒト白血球抗原G（sHLA-G）の定量キット sHLA-G ELISA Kit

HLA-G（Human Leukocyte Antigen-G）は、多型が少ない点、および選択的スプライシングにより7種類のHLA-Gタンパク質を生じる点が、他のMHCクラスI遺伝子と異なっています。その組織分布は先天性免疫細胞と後天性免疫細胞の両方に対して免疫寛容機能を示す正常胎児および成人組織に限定されます。sHLA-Gは、活性化CD8（+）T細胞のアポトーシスとCD4（+）T細胞増殖の下方調節を誘導する免疫抑制分子です。
近年、特異的ELISAを用いて、体外受精（IVF）によって得られた初期胚の培養上清中のsHLA-G分子の存在を移植前に解析し、胚着床の陽性反応が胚分泌sHLA-G分子に伴って起こることが実証されました。この画期的な結果は、同じ形態を有する胚が他にある場合、胚形態に加えてsHLA-G ELISAがIVF移植のための胚選択において有用な生化学的アッセイになり得ることを示します。さらに、妊婦の羊水および血漿中のsHLA-Gのモニタリングは、病的状態に気付くための重要な予後的価値があります。別の興味深い研究結果では、HLA-G分子が移植の順応に直接関与していることを示唆しており、移植患者の状態をモニターする際にはこの解析を考慮するべきだと考えられます。加えて、血漿中の可溶性HLA-Gレベルは、リンパ球増殖性疾患または悪性黒色腫、神経膠腫、乳房および卵巣がん患者において上昇します。