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インフルエンザウイルスのキャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害物質 Baloxavir Acid / Baloxavir Marboxil

掲載日情報:2020/06/12 現在Webページ番号:68975

Baloxavir AcidおよびそのプロドラッグBaloxavir Marboxilは、インフルエンザウイルスの増殖に関わるキャップ依存性エンドヌクレアーゼに対して、強い阻害活性を示すことから、インフルエンザウイルスの新規増殖阻害物質として注目されています。

Baloxavir Acid / Marboxilの作用メカニズム

インフルエンザウイルスは宿主細胞に感染後、宿主細胞の核内でキャップ依存性エンドヌクレアーゼを用いて、ウイルスmRNA合成を促します。キャップ依存性エンドヌクレアーゼは、キャップ構造を有する宿主のmRNA前駆体を特異的に切断する酵素で、ウイルスのmRNA合成に必要なRNA断片を生成します。Baloxavir Acidはキャップ依存性エンドヌクレアーゼ活性を阻害することで、インフルエンザウイルスの増殖を抑制します。Baloxavir MarboxilはBaloxavir Acidのプロドラッグで、小腸、血液、肝臓中のエステラーゼによって分解され活性本体Baloxavir Acidに変換されます。in vitro酵素阻害実験や培養細胞の実験にはBaloxavir Acid、in vivoマウス実験にはBaloxavir Marboxilを推奨しています。

Baloxavir活性作用機序


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化合物情報

商品コードをクリックすると価格表をご覧いただけます。

名称Baloxavir AcidBaloxavir Marboxil
構造式 Baloxavir Acid BaloxavirBaloxavir Marboxil
化学式C24H19F2N3O4SC27H23F2N3O7S
分子量483.49571.55
CAS No.1985605-59-11985606-14-1
商品コードSH-02SH-01
包装2 mg10 mg

※ 注意:本製品は受注生産品です。納期はお問合せ下さい。

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特長

  • Baloxavir Acidは、in vitroエンドヌクレアーゼ活性測定系やインフルエンザ感染細胞におけるウイルス増殖抑制試験に利用できます。
  • Baloxavir Marboxilは、in vivoマウス実験に使用できます。
  • A型およびB型インフルエンザの実験室株および臨床分離株において阻害活性が確認されています。
    実績のあるインフルエンザ実験室株:A/H1N1型(A/WSN/33, A/WSN/33-NA/H274Y, A/PR/8/34)、A/H3N2型(A/Victoria/3/75, A/Hong Kong/8/68)、A/H7N9型(A/Anhui/1/2013)、B型(B/Maryland/1/59, B/Hong Kong/5/72, B/Lee/40)

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原著論文

  1. Noshi, et al., Antiviral Res., 160, 109~117 (2018).
  2. Fukao, et al., PLoS One, 14, e0217307 (2019).
  3. Taniguchi, et al., Sci. Rep., 9, 3466 (2019).
  4. Uehara, et al., J. Infect. Dis., 221, 346~355 (2020).

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Baloxavir Acidの使用データ例

■A型及びB型インフルエンザウイルス実験室株に対する各薬剤のウイルス増殖抑制効果

5株のA型及び3株のB型インフルエンザウイルス実験室株をMDCK細胞に感染させ、種々の濃度の化合物存在化で培養し、翌日の培養上清中に放出されたウイルス力価を測定した。対象化合物として、Baloxavir Acid、Oseltamivir Acid、Zanamivir hydrate、Laninamivir、Favipiravirを使用した。化合物非存在下の条件に比べ、力価を1/10に抑制するために必要な濃度をEC90として算出した。

Baloxavir Acidウイルス増殖抑制効果

※原著論文1より抜粋

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Baloxavir Marboxilの使用データ例

■A型インフルエンザウイルス感染モデルにおける生存率

A型H1N1亜型インフルエンザウイルス4.6 log10TCID50を経鼻接種したマウスモデルにおいて、Baloxavir Marboxil 0.05~5 mg/kg(単日2回)投与群またはOseltamivir Phosphate (1日1回で5日間)投与群の接種後21日間の生存を観察した。

ウイルス感染モデルにおける生存率

※原著論文2より抜粋

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Baloxavir acid
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CAS No:1985605-59-1
法規制等
保存条件 室温,暗所保存 法規備考
掲載カタログ ニュース2022年2月1日号 p.19
ニュース2020年8月15日号 p.31

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CAS No:1985606-14-1
法規制等
保存条件 室温,暗所保存 法規備考
掲載カタログ ニュース2022年2月1日号 p.19
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CAS No:1985605-59-1
法規制等
保存条件 室温,暗所保存 法規備考
掲載カタログ ニュース2022年2月1日号 p.19
ニュース2020年8月15日号 p.31

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CAS No:1985606-14-1
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(テクニカルサポート 試薬担当)

reagent@funakoshi.co.jp

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