DNA試料中の生物毒性を有する細菌3種をqPCRにより検出するキット Bertin Bioreagent社 Biotoxis qPCR Detection Kit

Bacillus anthracis（炭疽菌）は、グラム陽性の桿状、非運動性、有胞子細菌です。B. anthracisは、バチルス属内で唯一の偏性病原菌であり、反すう動物およびヒトの両方に対して急性致死性感染症である炭疽症を発症します。B. anthracisの胞子は土壌に由来し、極限条件下でも数十年間生存することができます。
胞子は吸入、摂取または皮膚創傷を介して宿主に感染し、その後血流に侵入して発芽し、致命的な毒素を産生します。皮膚炭疽症は、報告された全症例の90％を占め、ヒトにおいて最も一般的な病態であり、治療した場合は致命症には至りません。胃に摂取された場合、胃腸の病態は同様の病状を辿りますが、死亡率はかなり高まります。また、吸入により発症する肺炭疽症は、さらに高い死亡率となります。炭疽菌は貪食に抵抗性があるため、肺胞でマクロファージに貪食された後、血流へ侵入し、敗血症性ショックや臓器不全を引き起こし、呼吸困難に進行する恐れがあります。
炭疽症には一般的に抗生物質、特にペニシリンによる治療が行われます。現在の予防接種は、一時的な予防策でしかありません。

Yersinia pestis（旧名：Pasteurella pestis）（ペスト菌）は、グラム陰性の桿状の球桿菌で、ヒトやさまざまな動物に感染し、ペストを発症します。ヒトのY. pestis感染症には、肺ペスト、敗血症および腺ペストの3つの主な形態があります。ペストは、人類の歴史上、高い死亡率をもたらす感染症でした。げっ歯類は、Y. pestisの主な感染源です。宿主は様々で、そのいくつかは抵抗力を有しているため無症状のキャリアになります。ペスト菌は通常、感染斑を介してヒトに感染します。Y. pestisの潜伏期間は2～6日であり、2週間以内に死亡する可能性があります。

Francisella tularensis（野兎病菌）は、好気性、グラム陰性、非運動性および胞子性の球桿菌で、ヒトとウサギに非常に高い伝染性を有する感染病の一つである、野兎病の病原体です。F. tularensisには、病原性の程度が異なるいくつかの亜種があります。