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STING Variants(Cayman社)
外来DNAに対する自然免疫機構の因子、STINGの機能解析に! STING Variants(Cayman社)
掲載日情報:2021/12/17 現在Webページ番号:68611
外来DNAに対する自然免疫で機能する、ヒトSTINGの組換え体タンパク質です。wild typeの他、様々な特長を有する変異体を取りそろえており、STINGパスウェイの研究に有用です。
※本製品は研究用です。研究用以外には使用できません。
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STING Signaling Pathway
STING(stimulator of interferon genes)とは
STING(stimulator of interferon genes)は、免疫機構を強化する様々なインターフェロン、サイトカイン、T細胞活性化因子の発現を誘導することができます。STINGの同定により、細胞内DNAおよび病原体由来DNAなど様々なDNA成分に応答したIFN(type 1 interferon)の産生がどのように引き起こされるのかが明らかにされてきました。
STINGはC末端領域でバクテリア由来の環状ジヌクレオチド(cyclic dinucleotide, CDN)と結合し、NF-κβの活性化や、IFNなどの免疫調節性遺伝子の転写を引き起こします。CDNへの結合性とSTINGの活性化についての研究により、ヒトSTINGの重要な一塩基多型が明らかとなってきました。
(参考:Single Nucleotide Polymorphisms of Human STING)
また、外来DNAを認識したcGAS(cyclic GMP-AMP synthase)が合成するcGAMP(cyclic GMP-AMP)や、細胞質RNAを認識するRIG-1のシグナルも、STING Signaling Pathwayの引き金となります。
新興感染症のためのワクチン開発ウイルスおよび細菌ワクチンのSTINGアジュバント
前臨床モデルでは、STING(STimulator of INterferon Genes)を活性化するリガンドはワクチンのアジュバントとして使用されてきました。STINGは小胞体に局在するシグナル伝達タンパク質で、免疫細胞に広く発現しています。STINGが活性化されると、アダプタータンパク質であるTANK結合キナーゼ1(TBK1)がリクルートされ、TBK1による転写因子のインターフェロン制御因子3(IRF3)のリン酸化、および活性化を通じてⅠ型IFNの発現を引き起こしたり、NF-κBの活性化により、炎症性サイトカインの産生を引き起こしたりします。STINGはまた、ウイルスRNAの細胞質における重要なセンサーであるRIG-Ⅰやミトコンドリア抗ウイルスシグナル伝達タンパク質(MAVS)と相互作用することが示されています。
天然のSTINGリガンドは、ウイルスや細菌などの病原体に対するワクチン効果を高めるために使用されています。Wangらは、2'3'-cAMPをH1N1豚インフルエンザワクチンのアジュバントとしてマウスに投与すると、Th1を介した免疫反応が優先的に誘導され、ウイルス感染時の生存率が向上することを示しました。また、2'3'-cGAMPをアジュバントとして含むH5N1鳥インフルエンザワクチンをマウスに接種したところ、接種後2週間以内に抗原特異的な抗体が形成され、少なくとも40週間はその抗体が体内に残ることが明らかになりました1。Blaauboerらは、肺のS. pneumoniae感染モデルマウスにおいて、cyclic di-GMPを鼻腔内投与すると、肺の樹状細胞によるオボアルブミン(OVA)の取り込みとプロセシングが増加し、肺のコロニー形成単位が減少することを示しました2。さらに、STINGリガンドは、がんワクチンのアジュバントとしても期待されています。Gutjahrらより、OVA+ EG7腫瘍移植マウスモデルにOVAと2'3'-cGAMPを接種したところ、OVA特異的IFN-γ+ CD8+ T細胞の割合が増加し、腫瘍の成長が抑制されることが報告されています。3
ヌクレオシドベースおよび非ヌクレオシドベースのSTING活性因子は、前臨床モデルにおいてワクチンのアジュバントとして使用されています。cGAMP加水分解酵素であるエクトヌクレオチドピロホスファターゼ/ホスホジエステラーゼ1(ENPP1)の阻害は、ワクチンへの利用を検討する上での新たなアプローチとして期待されています。ENPP1の阻害物質は、2'3'-cGAMPの分解を抑えて濃度を高めるため、STINGの活性化を高める手段として研究されています。
参考文献
- Wang, J., et al., "Natural STING agonist as an “ideal” adjuvant for cutaneous vaccination.", J. Invest. Dermatol., 136(11), 2183~2191 (2016). [PMID:27287182]
- Blaauboer, S.M., et al., "The mucosal adjuvant cyclic di-GMP enhances antigen uptake and selectively activates pinocytosis-efficient cells in vivo.", Elife, 4, e06670 (2015). [PMID:25898005]
- Gutjahr, A., et al., "The STING ligand cGAMP potentiates the efficacy of vaccine-induced CD8+ T cells." JCI Insigh., 4(7), e125107 (2019). [PMID:30944257]
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製品ラインナップ
商品コードをクリックすると各製品の価格表をご覧いただけます。
STINGバリアント
アミノ酸置換 | 特長 | 融合タンパク質 | 産生 | 純度 | 商品コード |
---|---|---|---|---|---|
R232 | wild-type | His-tag | E.coli | ≧90% | 22816 |
R232H | less dominant allele | His-tag | ≧70% | 22815 | |
R232H; SUMO tagged | SUMOpro-tagged | His-tag, SUMOpro-tag | ≧95% | 15139 | |
G230A, R293Q | reduced IFN response | His-tag | ≧80% | 23592 | |
R284M | constitutively active | His-tag | ≧80% | 23594 | |
K224R | reduced ubiquitination | His-tag | ≧70% | 23593 | |
S162A | binds DMXAA | His-tag | ≧75% | 25306 |
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関連製品
抗STING抗体
品名 | 免疫動物 | 抗原 | 交差動物種 | 適用 | 商品コード |
---|---|---|---|---|---|
Anti-STING | Rabbit-Poly | Human STING recombinant (aa 155-341) (#15139) | Human STING | ELISA, IP, WB | 17857 |
Anti-IRF3 | Rabbit-Poly | IRF3 (human recombinant) | Human IRF3 | ELISA, IHC、WB | 24937 |
※ IHC:免疫組織染色、WB:ウエスタンブロット
cGAS(cyclic GMP-AMP Synthase)
- cGAS (human recombinant):ヒトcGAS組換え体タンパク質
- cGAS Monoclonal Antibody (Clone 5G10):抗ヒトcGAS抗体
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