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外来DNAに対する自然免疫機構の因子、STINGの機能解析に! STING Variants(Cayman社)

掲載日情報:2021/12/17 現在Webページ番号:68611

外来DNAに対する自然免疫で機能する、ヒトSTINGの組換え体タンパク質です。wild typeの他、様々な特長を有する変異体を取りそろえており、STINGパスウェイの研究に有用です。
本製品は研究用です。研究用以外には使用できません。

cyclic-di-GMPに結合したSTINGダイマー

R232 G230 A162 R284 R293 R293 K224 K224 cyclic-di-GMP

cyclic-di-GMPに結合した野生型STINGダイマー(AとBは両方ともaa 139-379)

記号表記は、Cayman社のSTINGバリアント製品のアミノ酸修飾に対応している部分を示しています。記号をクリックすると、STINGの野生型およびバリアント製品の詳細をご覧いただけます。

STING Signaling Pathway

STING(stimulator of interferon genes)とは

STING(stimulator of interferon genes)は、免疫機構を強化する様々なインターフェロン、サイトカイン、T細胞活性化因子の発現を誘導することができます。STINGの同定により、細胞内DNAおよび病原体由来DNAなど様々なDNA成分に応答したIFN(type 1 interferon)の産生がどのように引き起こされるのかが明らかにされてきました。
STINGはC末端領域でバクテリア由来の環状ジヌクレオチド(cyclic dinucleotide, CDN)と結合し、NF-κβの活性化や、IFNなどの免疫調節性遺伝子の転写を引き起こします。CDNへの結合性とSTINGの活性化についての研究により、ヒトSTINGの重要な一塩基多型が明らかとなってきました。
(参考:Single Nucleotide Polymorphisms of Human STING
また、外来DNAを認識したcGAS(cyclic GMP-AMP synthase)が合成するcGAMP(cyclic GMP-AMP)や、細胞質RNAを認識するRIG-1のシグナルも、STING Signaling Pathwayの引き金となります。

新興感染症のためのワクチン開発ウイルスおよび細菌ワクチンのSTINGアジュバント

前臨床モデルでは、STING(STimulator of INterferon Genes)を活性化するリガンドはワクチンのアジュバントとして使用されてきました。STINGは小胞体に局在するシグナル伝達タンパク質で、免疫細胞に広く発現しています。STINGが活性化されると、アダプタータンパク質であるTANK結合キナーゼ1(TBK1)がリクルートされ、TBK1による転写因子のインターフェロン制御因子3(IRF3)のリン酸化、および活性化を通じてⅠ型IFNの発現を引き起こしたり、NF-κBの活性化により、炎症性サイトカインの産生を引き起こしたりします。STINGはまた、ウイルスRNAの細胞質における重要なセンサーであるRIG-Ⅰやミトコンドリア抗ウイルスシグナル伝達タンパク質(MAVS)と相互作用することが示されています。

天然のSTINGリガンドは、ウイルスや細菌などの病原体に対するワクチン効果を高めるために使用されています。Wangらは、2'3'-cAMPをH1N1豚インフルエンザワクチンのアジュバントとしてマウスに投与すると、Th1を介した免疫反応が優先的に誘導され、ウイルス感染時の生存率が向上することを示しました。また、2'3'-cGAMPをアジュバントとして含むH5N1鳥インフルエンザワクチンをマウスに接種したところ、接種後2週間以内に抗原特異的な抗体が形成され、少なくとも40週間はその抗体が体内に残ることが明らかになりました1。Blaauboerらは、肺のS. pneumoniae感染モデルマウスにおいて、cyclic di-GMPを鼻腔内投与すると、肺の樹状細胞によるオボアルブミン(OVA)の取り込みとプロセシングが増加し、肺のコロニー形成単位が減少することを示しました2。さらに、STINGリガンドは、がんワクチンのアジュバントとしても期待されています。Gutjahrらより、OVA+ EG7腫瘍移植マウスモデルにOVAと2'3'-cGAMPを接種したところ、OVA特異的IFN-γ+ CD8+ T細胞の割合が増加し、腫瘍の成長が抑制されることが報告されています。3

ヌクレオシドベースおよび非ヌクレオシドベースのSTING活性因子は、前臨床モデルにおいてワクチンのアジュバントとして使用されています。cGAMP加水分解酵素であるエクトヌクレオチドピロホスファターゼ/ホスホジエステラーゼ1(ENPP1)の阻害は、ワクチンへの利用を検討する上での新たなアプローチとして期待されています。ENPP1の阻害物質は、2'3'-cGAMPの分解を抑えて濃度を高めるため、STINGの活性化を高める手段として研究されています。

STING Signaling Pathwayイメージ図

図をクリックすると拡大します(拡大図

STING activators induce IFN and pro-inflammatory cytokines

ANTIVIRAL STRATEGIES FOR EMERGING INFECTIOUS DISEASES

詳細はCAYMANCURRENTSからご覧いただけます。

参考文献

  1. Wang, J., et al., "Natural STING agonist as an “ideal” adjuvant for cutaneous vaccination.", J. Invest. Dermatol., 136(11), 2183~2191 (2016). [PMID:27287182]
  2. Blaauboer, S.M., et al., "The mucosal adjuvant cyclic di-GMP enhances antigen uptake and selectively activates pinocytosis-efficient cells in vivo.", Elife, 4, e06670 (2015). [PMID:25898005]
  3. Gutjahr, A., et al., "The STING ligand cGAMP potentiates the efficacy of vaccine-induced CD8+ T cells." JCI Insigh., 4(7), e125107 (2019). [PMID:30944257]

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製品ラインナップ

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製品ラインナップ

22816 22815 15139 23592 23594 23593 25306

STINGバリアント


アミノ酸置換 特長 融合タンパク質 産生 純度 商品コード
R232 wild-type His-tag E.coli ≧90%22816
R232H less dominant allele His-tag ≧70% 22815
R232H; SUMO tagged SUMOpro-tagged His-tag, SUMOpro-tag ≧95% 15139
G230A, R293Q reduced IFN response His-tag ≧80% 23592
R284M constitutively active His-tag ≧80% 23594
K224R reduced ubiquitination His-tag ≧70% 23593
S162A binds DMXAA His-tag ≧75% 25306

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関連製品

抗STING抗体


品名 免疫動物 抗原 交差動物種 適用 商品コード
Anti-STING Rabbit-Poly Human STING recombinant (aa 155-341) (#15139) Human STING ELISA, IP, WB 17857
Anti-IRF3 Rabbit-Poly IRF3 (human recombinant) Human IRF3 ELISA, IHC、WB 24937

IHC:免疫組織染色、WB:ウエスタンブロット



STING活性化物質


品名 商品コード
Cyclic di-AMP (sodium salt) 17753
Cyclic di-GMP (sodium salt) 17144
Cyclic di-IMP (sodium salt) 22485
2'2'-cGAMP 22419
2'3'-cGAMP (sodium salt) 19887
3'3'-cGAMP (sodium salt) 17966
CAY10748 30022
DMXAA 14617
G10 22353
MSA-2 30140
STING Agonist 1a 32520
STING Agonist C11 27886
STING Agonist 12b 32521
diABZI STING Agonist-1 (hydrochloride) 28054

STINGアンタゴニスト


品名 商品コード
C-171 30159
C-176 25859
C-178 25860
H-151 25857

ENPP1阻害物質


品名 商品コード
3,3'-((2-Chlorophenyl)methylene)bis(4-hydroxy-2H-chromen-2-one) 29864
CAY10761 29865
ENPP1-IN-1 31764
ENPP1 Inhibitor C 29809


cGAS(cyclic GMP-AMP Synthase)

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(テクニカルサポート 試薬担当)

reagent@funakoshi.co.jp

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