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温度・触覚の受容体研究関連製品
2021年ノーベル生理学・医学賞受賞に関連する研究用製品をご紹介! 温度・触覚の受容体研究関連製品
掲載日情報:2021/10/07 現在Webページ番号:68339
2021年のノーベル医学・生理学賞は、温度と触覚の受容体の発見に関する業績により、デービッド・ジュリアス教授(米国カリフォルニア大学サンフランシスコ校)とアーデム・パタプティアン教授(米国スクリプス研究所)の2名が受賞されました。
本ページでは温度・触覚の受容体(レセプター)研究関連の製品をご紹介いたします。
※ 本製品は研究用です。研究用以外には使用できません。
追加しました。
温度・触覚・痛みの受容体について
痛み(Pain)とは
痛みは公衆衛生上の大きな問題であり、世界人口の5分の1が長期的な痛みに悩まされているという調査結果があります 1)。国際疼痛学会(IASP)は、痛みを「実際の組織損傷もしくは組織損傷が起こりうる状態に付随する、あるいはそれに似た、感覚かつ情動の不快な体験」と定義しています(2020年改訂)。 2)(日本語訳:日本疼痛学会)
痛みは大きく分けて、侵害受容性疼痛(Nociceptive pain)、炎症性痛(Inflammatory pain)、神経障害性痛(Neuropathic pain)の3種類に分類されます 3)。侵害受容性疼痛は、末梢神経線維終末の侵害受容体が侵害刺激を受け、身体に危害を及ぼすような刺激を伝達することで生じます。神経障害性疼痛は体性感覚神経系の損傷や疾患によって生じるものであり、炎症性疼痛は損傷に対する炎症反応によって生成する様々な炎症性メディエーターを介して起こるものです。
TRPチャネルについて
TRP(Transient Receptor Potential)チャネルは、元々はショウジョウバエの光伝達における機能にちなんで名付けられた因子です 4、5)。痛みにTRPチャネルが関与していることが明らかになって以来 6、7)、TRPチャネルの活性を阻害して鎮痛効果をもたらす化合物の同定に焦点を当てた研究が行われています。哺乳類ではTRPC、TRPM、TRPA1、TRPP、TRPML、TRPVの6つのサブファミリーに分類されます 8)。
これらは6つの膜貫通ドメインとして会合し、カルシウムやナトリウムの透過性の程度が異なるカチオン選択性チャネルの四量体を形成します。TRPチャネルは、温度、機械的ストレス、浸透圧の変化、細胞内および細胞外のメッセンジャーなどの様々な刺激に反応し、また電位には弱く反応します。TRPチャネルが開放されると、細胞は安静時の膜電位から脱分極し、細胞内のナトリウムやカルシウムの濃度が上がり、細胞が興奮します。

図:温度センサーとしてのTRPチャネル
高い温度感受性を有するTRPチャネルの熱活性化プロファイル。それぞれの受容体が活性化される温度をスケールバーで示した。
Piezoチャネルについて
Piezoタンパク質は、進化的に保存されたタンパク質のファミリーで、他の既知のイオンチャネルとは顕著な配列相同性がありません 9)。2つのPiezo遺伝子(PIEZO1とPIEZO2)が存在し、2,500 a.a.を超える大きな膜貫通タンパク質をコードしています 9、10)。
Piezo1は、血管のシアストレス(せん断応力)感知に関与しており、循環器系の発達と機能に重要な役割を果たしています 11、12)。赤血球にも発現しており、血球のホメオスタシスにも関与しています 13)。また、尿路上皮細胞 14)、内皮細胞のような細胞種の機械的な力のセンサーとしても関与しています 15、16)。さらに、2型糖尿病での血栓形成リスクとの関与も報告されています 17)。Piezo2は、感覚ニューロンや聴覚有毛細胞に発現し、聴覚 18)や自己受容性感覚(Proprioception) 19)、呼吸機能 20)にも重要な役割を果たしています。

図:Piezoチャネルの模式図および作用する化合物
■ 参考文献
- Goldberg, D.S. & McGee, S.J., BMC Public Health, 11, 770 (2011). [PMID:21978149]
- Raja, S.N., et al., Pain, 161 (9), 1,976 (2020). (Review) [PMID:32694387]
- Treede, R.D., et al., Pain, 156 (6), 1,003 (2015). [PMID:25844555]
- Minke, B., et al., Nature, 258 (5530), 84 (1975). [PMID:810728]
- Cosens, D.J. & Manning, A., Nature, 224 (5216), 285 (1969). [PMID:5344615]
- Caterina, M.J., et al., Nature, 389 (6653), 816 (1997). [PMID:9349813]
- Julius, D., Annu. Rev. Cell Dev. Biol., 29, 355 (2013). [PMID:24099085]
- Gees, M., et al., Compr. Physiol., 2 (1), 563 (2012). [PMID:23728980]
- Coste, B., et al., Science, 330 (6000), 55 (2010). [PMID:20813920]
- Kamajaya, A., et al., Structure, 22 (10), 1,520 (2014). [PMID:25242456]
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- Ranade, S.S., et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 111 (28), 10,347 (2014). [PMID:24958852]
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- Li, J., et al., Nature, 515 (7526), 279 (2014). [PMID:25119035]
- Gottlieb, P.A., Curr. Top. Membr., 79, 1 (2016). [PMID:28728814]
- Zhu, W., et al., Sci. Transl. Med., 14(626):eabk1707 (2022). [PMID:34985971]
- Wu, Z., et al., Nat. Neurosci., 20 (1), 24 (2017). [PMID:27893727]
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関連資料
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