質量分析のエキスパートによる解析受託サービス イメージング質量分析（IMS）受託サービス

株式会社プレッパーズの提供するイメージング質量分析（IMS：imaging mass spectrometry）の解析受託サービスです。生体組織上の分子や投与薬剤などの目的化合物の分布を画像情報として可視化します。
※ 本製品は研究用です。研究用以外には使用できません。

株式会社プレッパーズは、浜松医科大学発の質量分析に特化したベンチャー企業です。質量分析に関する長年の知識、経験、解析技術と浜松医科大学 細胞分子解剖学講座（瀬藤光利 教授）のイメージング質量分析に関する独自の技術、最先端の設備を用いて質の高い質量分析データを提供いたします。
※株式会社プレッパーズでは、イメージング質量分析のほか、液体クロマトグラフィー質量分析（LC/MS）の解析受託も承わっています。詳細は当社受託・特注品業務担当までお問い合わせ下さい。

イメージング質量分析では、イオン化法としてMALDI（matrix-assisted laser desorption / ionization：マトリックス支援型レーザー脱離イオン化法）が汎用されています。株式会社プレッパーズではこのMALDIに加えて、DESI（desorption electrospray ionization: 脱離エレクトロスプレーイオン化法）を用いたイメージング質量分析にも対応可能です。この2種類のイオン化法と複数の分析計とを組み合わせたイメージング質量分析によって、汎用的な分析から高感度な分析、質量分解能の高さを活かした選択的イメージング質量分析までお客様のニーズに応じて最適な分析条件のご提案が可能です。

MALDI（matrix-assisted laser desorption / ionization：マトリックス支援型レーザー脱離イオン化法）は、試料とマトリックス（イオン化促進剤）を混合し、レーザーを照射することで試料成分をイオン化する方法です。低分子化合物からタンパク質などの高分子化合物まで、幅広い物性の化合物が分析対象となります。レーザー照射のスポット径が小さく、高い空間分解能が得られることから、様々な試料のイメージング質量分析に用いられています。組織切片のイメージング質量分析を行う場合、マトリックス溶液を組織表面に均一に塗布する必要があります。株式会社プレッパーズでは、以下の装置でMALDIによるイメージング質量分析が可能です。

FT-ICR-MSは、フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析計（Fourier transform ion cyclotron resonance mass spectrometer）の略で、現在市販されている質量分析計の中で最も高い質量分解能を有する装置です。近接するイオンをm/z的に分離し、信頼性の高いイメージ画像の取得を可能にします。イメージング質量分析では、LC/MSのような分離手段を用いないため、レーザー照射位置が局所的であるとしても、マススペクトルは混合物の状態で得られることが殆どです。株式会社プレッパーズでは、超高分解能のFT-ICR-MS（BRUKER社solariX XR）を用いることで、目的物質の高選択的なイメージングが可能になります。下記に掲載のFT-ICR-MSを用いた解析例①②をご覧下さい。

目的成分のプロトン付加分子はm/z 834.614に観測されていますが（左の赤線を付したピーク）、近傍に高強度の夾雑ピークが検出されています。これらの夾雑ピークと目的ピークを分離するためには半値幅で30,000以上の質量分解能が必要であり、IMSで一般的に用いられているMALDI-TOFMSでは、これらのピークは分離できないこともあります。

掲載文献：Nampei, M., et al., Science Rep., 9 (1), 13213 (2019) [PMID:31519997]

掲載文献：Mori, N., et al., PLOS ONE, 14 (1), e0211376 (2019) [PMID:30682156]

DESI（desorption electrospray ionization: 脱離エレクトロスプレーイオン化法）は、エレクトロスプレーによって生成した帯電液滴を試料に照射し、試料表面に存在する分析種をイオン化する方法です。エレクトロスプレーベースのイオン化法であるため、MALDIよりもソフト（イオン化時に分析種の破壊が起こり難い）で、マトリックス塗布などの前処理が不要であることが特長です。空間分解能は、MALDIよりも低くなります。
株式会社プレッパーズでは、以下の装置を用いたDESIによるIMSが可能です。浜松医科大学細胞分子解剖学講座ではDESIの高感度化に関する研究に取り組んでおり、その成果を受託分析に対して発揮します。

本装置は、高感度・高選択可能な三連四重極型質量分析計で、選択反応モニタリング（selected reaction monitoring, SRM）法という特定イオンの開裂によって生成するイオンのm/zのみを検出する方法が可能となります。SRM法は、主にLC/MSにおいて、バイオアナリシスなど夾雑物の多い複雑な試料中の微量物質の定量分析に用いられる方法ですが、プレッパーズではイメージング質量分析でDESIと組み合わせる手法を開発し、高選択的なイメージングMSを可能としました。この受託分析は現在、プレッパーズのみが対応可能な特殊技術です。

掲載文献：Tamura, K., et al., Oncotarget, 10 (18), 1688 (2019) [PMID:30899441]

株式会社プレッパーズでは、上記の豊富な装置ラインナップとイオン化法によりお客様のニーズに応じた最適な分析条件の提案が可能です。また、イメージング質量分析ではLCやGCなどの分離手段を用いないため、得られるマススペクトルが複雑ですが、株式会社プレッパーズ社では豊富な解析ノウハウによって細かいマススペクトル解析まで対応可能です。
まずは、お気軽にお問合せ下さい。お見積りについては分析内容を詳細にお聞きした上で作成いたします。
詳細は、下記の当社受託・特注品業務担当までお問い合わせ下さい。