軟質細胞培養ディッシュ

※ 本製品は研究用です。研究用以外には使用できません。

（株）マテリアルデザインが、（株）クラレと連携して開発した、軟質細胞培養ディッシュです。アクリル系ブロック共重合体（BCF）を原材料としています。分子量が揃っているため、柔軟性と無毒性、高い透明性を実現しており、細胞接着誘導物質のコート無しでも、高い細胞接着、増殖性を有しています。

材料別の弾性率

BCFの弾性率は600 kPaと生体内の軟組織の弾性率に近く、より生体組織での足場条件に近い環境で細胞培養できます。

各種ポリマーの光透過性

BCFは、他のポリマーに比べて高い透明性を示し、共焦点顕微鏡での蛍光観察において自家蛍光がなく、ガラスボトムディッシュと同様に使用できます。また、偏光・微分干渉観察にも適しています。
データ提供：（株）クラレ

レンズ設計値に近く、幅広い観察法に適合します。

＊1酸素透過性：ポリスチレンと比較し、10～15倍のガス透過性を示します。
＊2TEM切片：透過型電子顕微鏡用切片
※上記比較データは、（株）マテリアルデザインでの評価テストによる結果です。

血管平滑筋細胞の細胞接着性・増殖性

ポリスチレンと比較し、2～2.5倍の増殖性を確認した。
細胞種：HCtASMC（血管平滑筋細胞）
培養時間：48時間
播種数：3.6×10⁵

iPS細胞から分化誘導させた中胚葉前駆細胞の培養

ポリスチレンと比較し、細胞増殖の促進効果を確認した。
赤色：アクチン
青色：核

細胞内カルシウム放出刺激による反応

細胞内カルシウム放出刺激に対する感受性が亢進した。低濃度のエンドセリンの投与により、カルシウム放出強度が強くなることから、よりin vivoでの応答性に近い環境であると考えられる。

反復進展刺激によるヒト冠動脈平滑筋細胞の形態変化

進展刺激による線維配列の修飾を確認した。
赤色：アクチン
青色：核

細胞サイズへの影響

基質の低弾性率、高い酸素透過性、プラズマ処理などにより、細胞の接着斑となる擬似足場が強固に形成された結果、細胞が大きくなると考えられる。
細胞種：正常ヒト臍帯静脈内皮細胞
評価者：防衛医科大学校分子生体制御学講座　准教授　守本祐司先生