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電気化学発光免疫測定法(ECLIA)により唾液中のオキシトシンを測定します! 唾液試料中オキシトシン(Oxytocin)の受託測定サービス

掲載日情報:2023/05/10 現在Webページ番号:67955

ご提供いただいた唾液試料に含まれるオキシトシン(Oxytocin)を、Salimetrics社が構築したアッセイ系を用いて、電気化学発光免疫測定法(ECLIA)により定量する受託サービスです。少量の唾液試料をご提供いただくだけで、信頼性高く、高感度で唾液中オキシトシンレベルを測定します。

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測定キットについてはこちらをご覧下さい。
唾液試料のDNA解析受託サービス についてはこちらをご覧下さい。

オキシトシンの構造式

オキシトシン(Oxytocin)の構造式



オキシトシン(Oxytocin)とは

オキシトシン(Oxytocin)は神経下垂体ペプチドホルモンで、[1-6] ジスルフィド結合とセミフレキシブルなカルボキサミド末端を持つ9つのアミノ酸(H-Cys-Tyr-Ile-Gln-Asn-Cys-Pro-Leu-Gly-NH2)から構成されています。ヒトでは、主に視床下部で合成され、脳下垂体後葉から血流に分泌されます。

オキシトシンは、ホルモンの分泌がそれ自身の放出をさらに刺激する正のフィードバックメカニズムを通して放出されます。血漿と血清を用いた従来の研究では、オキシトシンが環状活性分子として存在し、ジスルフィド結合の交換を介して他のジスルフィド含有タンパク質と複合体を形成していることが確認されています1
「愛と絆のホルモン」とも呼ばれるオキシトシンは、神経伝達物質として機能し、社会的行動を決定する役割を果たし3,4、男性と女性の両方の生殖生理学において重要な役割を果たし、不安や統合失調症などの精神神経疾患にも潜在的に関与しています5。多くの精神疾患、社会的/人間関係の問題、および非定型的な育児行動は、オキシトシンレベルの異常と相関しており6、低レベルのオキシトシンは、自閉症スペクトラム障害、うつ病、依存症に関連しています7,8。一方、オキシトシンのレベルが高い人は、通常、オキシトシンのレベルが低い人よりも抑うつ症状が少なく、社会的つながりが強くなっています。しかし、オキシトシンレベルの上昇は過去の記憶を強める可能性があり、ストレスや社会不安の感情を高めることにつながります9,10

オキシトシンは複雑な心理的および生物学的システムの一部であり、典型的な人間の感情の多くを強め、社会的相互作用を導くと言えます。


参考文献

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  1. Brandtzaeg, O. K., et al., “Proteomics tools reveal startlingly high amounts of oxytocin in plasma and serum.”, Scientific Reports, 6, 31693 (2016). [PMID:27528413]
  2. Feldman R., et al., “Evidence for a Neuroendocrinological Foundation of Human Affiliation.”, Psychological Science, 18 (11), 965~970 (2007). [PMID:17958710]
  3. Algoe, S. B., et al., “The Role of Oxytocin in Perceptions of Romantic Partners’ Bonding Behavior.”, J. Biol. Chem., 28 (12), 1763~1772 (2017). [PMID:28968183]
  4. Isgett, S. F., et al., “Influences of Oxytocin and Respiratory Sinus Arrhythmia on Emotions and Social Behavior in Daily Life.”, Emotion, 17 (8), 1156~1165 (2017). [PMID:28358561]
  5. Keri, S., et al., “Sharing secrets: Oxytocin and trust in schizophrenia.”, Social Neuroscience, 4 (4), 287~293 (2008). [PMID:18671168]
  6. Jobst, A., et al., “Oxytocin course over pregnancy and postpartum period and the association with postpartum depressive symptoms.”, Archives of Womens Mental Health, 19 (4), 571~579 (2016). [PMID:27320943]
  7. Husarova, V. M., et al., “Plasma Oxytocin in Children with Autism and Its Correlations with Behavioral Parameters in Children and Parents.”, Psychiatry Investigation, 13 (2), 174~183 (2016). [PMID:27081377]
  8. Holt-Lunstad, J., et al., “The influence of depressive symptomatology and perceived stress on plasma and salivary oxytocin before, during and after a support enhancement intervention.”, Psychoneuroendocrinology, 36 (8), 1249~1256 (2011). [PMID:21507578]
  9. Weisman, O., et al., “Plasma oxytocin distributions in a large cohort of women and men and their gender-specific associations with anxiety”, Psychoneuroendocrinology, 38 (5), 694~701 (2013). [PMID:22999263]
  10. Paul, M., “Study Finds Oxytocin Strengthens Memories of Both Bad and Good Events.”, 米国ノースウェスタン大学フェニングバーグ医学院のNews Centerより, (2013). Available at:http://news.feinberg.northwestern.edu/2013/07/oxytocin_stress/


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オキシトシン測定について

哺乳類の行動、生理学、疾患におけるオキシトシンの重要な役割およびオキシトシンへの関心の高さ、また、脳脊髄液(CSF)の採取は侵襲性が高いことから、末梢液中のオキシトシンを測定するための有効かつ信頼性の高い方法を確立することは非常に重要です。オキシトシンレベルは、これまで血液、母乳、尿、およびCSFで測定されてきましたが、これらの生体液には、オキシトシンの異なる誘導体を評価する際に課題があります。しかし、唾液には、非侵襲的で容易に入手できるという明確な利点があり、平常時および刺激条件下で末梢オキシトシンレベルの詳細なモニタリングが可能になります。そのため、唾液オキシトシン測定はオキシトシン研究に適した選択肢と言えます。
血漿と血清を用いた研究では、オキシトシンが環状分子として存在し、他のジスルフィド含有タンパク質と複合体を形成していることが報告されています。オキシトシンがジスルフィド結合の交換を介してタンパク質に共有結合的に結合するというこの生体内の現象は、遊離および結合したオキシトシンのプールをもたらします。これは、遊離型のみを検出する方法で測定されたレベルは、存在するオキシトシンの総量を過小評価する可能性があり、一部の研究者は試料の前処理が必要であると主張しています。最近のLC-MSによる解析結果は、血中のオキシトシン濃度が従来考えられていたよりもかなり高く、低レベルな測定値は単に血漿タンパク質に結合したオキシトシン分子を検出できないためであるという結論を支持しています。これらの研究のそれぞれで、前処理での固相抽出(SPE)は、マトリックス効果を低減し、干渉分子を排除するため、多くの市販のELISAキットにおいて一般的に推奨されていますが、これは測定可能なオキシトシンレベルを大幅に低下させることも示されています。実際に、今日の文献に発表されているほとんどの研究者は、抽出の代わりに唾液試料を濃縮することを選択しています。

Salimetrics社では、唾液中のオキシトシンを検出するための画期的なアッセイを受託サービスとしてご提供いたします。高感度、必要試料量が少量という要件を備えたアッセイ系を構築することにより、抽出または濃縮の必要性を排除しています。また、検出方法として比類のないS/N比を備えた高感度化学発光プラットフォームである電気化学発光免疫測定法(ECLIA)を用いています。この新しく開発されたアッセイは、測定精度、正確性、感度、特異性、再現性に関して厳密に検証されています。


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オキシトシン受託測定サービスの特長

  • 米国ペンシルバニア州に本拠を置き、唾液中の各種因子を定量するEIAキットを製造しているSalimetrics社が提供する測定受託サービスです。
  • 熟練したスタッフが定量を行います。
  • 流涎による唾液を試料とするため、採取や保管、輸送が簡便です。
  • 測定に必要な試料量:150 μl
  • 測定容量:25 μl
  • 試料の採取方法:流涎
  • 検出方法:電気化学発光免疫測定法(ECLIA)
  • 測定感度:4 pg/ml
  • 測定範囲:8~1,000 pg/ml

血液試料の受託測定は承っておりません。


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オキシトシン測定例

唾液中オキシトシンレベルの経時変化

刺激に応答した唾液中オキシトシンレベルの経時変化(上昇)



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採取方法ごとの唾液試料採取器具

■ 流涎による唾液の採取

Saliva Collecting推奨年齢: 成人, 3歳以上の児童
採取容量: 2 mlまで

流涎は、費用対効果の優れた唾液採取方法であり、採取した唾液はほぼすべての唾液中バイオマーカーの測定にご使用いただけます。唾液中のバイオマーカーを安定的に保存し、異物の混入汚染を防ぐため、採取した唾液試料は高品質なポリプロピレン製のバイアルで保存して下さい。



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ご 注 意

  • 測定用の唾液採取には流涎を推奨しています。

流涎(りゅうぜん)とは、SCA(#5016.04、下記参照)などを使用し、保存用チューブ内に唾液を垂れ流すことにより採取する方法です。
測定する対象により、唾液の採取方法が異なります。各バイオマーカーに最適な唾液採取方法については、採取前にご相談下さい(コットンなどを用いて採取した試料の場合、正確な測定結果が得られない場合があります)。
試料取り扱い法などについて、詳細はSalimetrics社Websiteをご覧下さい。

用途イメージ画像商品コード/商品名
唾液採取 Saliva Collection Aid (SCA)5016.04 / Saliva Collection Aid (SCA)


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サービスの流れ

  1. お見積依頼:対象項目、試料数、などお知らせ下さい。
  2. 試料ご準備:お客様にて、必要な唾液を採取・保存して下さい(-80℃保存推奨)。
  3. 書類ご準備:試料へのラベリングNo.、測定項目の詳細など再確認。必要事項を書類にご記入頂き、提出していただきます。
  4. 送付連絡 :試料を送付できる日時が決まりましたらご連絡下さい。また、フナコシからの案内に従い、試料をフナコシにお送り下さい。
  5. 発 送 :フナコシからSalimetrics社に試料を発送致します。
  6. 測定、解析:Salimetrics社にて指定項目(オキシトシン)を解析します。
  7. 結果報告 :測定データをExcel形式のリストで返却いたします。

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ご注文/価格

ご注文方法、お見積りなどの詳細は、当社受託・特注品担当までお問い合わせ下さい。


関連製品:唾液試料採取用器具

高回収率で唾液試料を採取できる各種器具です。専用の保存用チューブと組み合わせることにより、唾液の回収・保存が可能です。詳細は、唾液試料採取用器具 をご覧下さい。

本サービス用の唾液試料採取にも使用可能ですが、対応するバイオマーカーについては当社受託・特注品担当までお問い合わせ下さい。

関連製品:Salivary EIA Kit

Salimetrics社では、唾液中の各種バイオマーカーを比色法により定量するEIAキットを製造しており、高い信頼を得ています。詳細はSalivary EIA Kitをご覧下さい。

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