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Anti-TFEB抗体
免疫応答やオートファジーに関与する転写因子に対する抗体 Anti-TFEB抗体
掲載日情報:2022/10/31 現在Webページ番号:67491
Bethyl Laboratories社の抗TFEB抗体です。転写因子EB(TFEB)は、それ自身もしくはTFE3やMITFなどの他のMiT/TFEファミリーメンバーと二量体を形成することで、DNA上のEボックス配列(3'-CANNTG-5')と特異的に結合します。
TFEBはTFE3とヘテロ二量体を形成し、T細胞におけるCD40Lの発現を活性化することで、活性化CD4陽性T細胞におけるT細胞依存性抗体産生や胸腺依存性液性免疫応答に関与します。TFEBは、多くのリソソーム遺伝子の調節領域に存在するCLEARボックス配列(5'-GTCACGTGAC-3')を特異的に認識して結合し、リソソーム遺伝子の発現の増大に中心的な役割を果たします。また、重鎖免疫グロブリンエンハンサーに存在するEボックスのサブセットである、ガンマE3ボックスを特異的に認識します。
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トピックス
新たなオートファジー経路:CD38とLRRK2は、オートファジーの主要な制御因子であるTFEBの核移行に関与する
オートファジーは細胞質内の物質をリサイクルするための非常に有名な機構ですが、その誘導メカニズムや特異的なシグナル伝達経路については、まだ完全に解明されていません。国立衛生研究所(NIH)のNabarらによる2021年の論文では、オートファジー誘導経路に関わる新たなシグナル伝達分子としてCD38とLRRK2が報告されました。1
オートファジーは細胞質物質を分解してリサイクルする非特異的なメカニズムです。このプロセスは、後にオートファゴソームとなる脂質二重膜により、細胞質が部分的に隔離されることから始まります。その後、オートファゴソームはリソソームと融合し、オートファゴソームに取り込まれた細胞質内物質は分解され、細胞質で再利用されます。2
転写因子EB(TFEB)は、mRNAの転写レベルとタンパク質レベルの両方に影響を与えるオートファジーの主要な制御因子です。オートファジーは、TFEBが核に移行し、リソソーム生合成およびオートファジー遺伝子の発現が増加することで誘導されます。TFEBは脱リン酸化を受けることで核移行しますが、ここにはカルシウム依存PP3/カルシニューリン経路の関与が示唆されています。
CD38は複数の酵素ドメインを持つ膜貫通型タンパク質であり、細胞内または細胞外でカルシウム動員に関与するセカンドメッセンジャーを生成します。CD38は、酸性条件下でニコチン酸アデニンジヌクレオチドリン酸(NADP)からのニコチン酸アデニンジヌクレオチドリン酸(NAADP)生成を触媒します。このNAADPの生成によりカルシウムがリソソームから細胞質に動員されます。3
LRRK2(ロイシンリッチリピートキナーゼ2)は、複数の酵素(GTPaseおよびキナーゼ)ドメインおよびタンパク質間相互作用ドメインを持つ多量体タンパク質です。LRRK2は原形質膜と細胞質基質を循環しており、局在する場所に応じて異なる酵素活性レベルを示します。LRRK2の複雑な構造は、翻訳制御、細胞骨格形成、シナプス小胞の動態、オートファジーなど、さまざまな細胞機能に関係しています。4
CD38とLRRK2がカルシウム動員経路とオートファジーに影響を与えることが示されていたため3,4、Nabarらは、これらのタンパク質が同じオートファジー経路に関与しているか調べました1。TFEBの核移行をオートファジー誘導の指標として、オートファジーにおけるCD38とLRRK2の役割が評価されました。抗CD38モノクローナル抗体(mAb)クローン90による架橋が誘導するCD38の活性化により、CD38のエンドサイトーシスと骨髄由来マクロファージ(BMDM)およびB細胞におけるTFEBの核移行が認められました。一方、カルシウムキレート剤、PP3/カルシニューリン阻害物質、およびセカンドメッセンジャー阻害物質は、mAbクローン90によるCD38活性化で観察されたTFEB核移行を阻害しました。これらのデータから、TFEB核移行がPP3/カルシニューリンシグナル伝達に依存するNAADP媒介リソソームカルシウム応答の結果であることが示唆されます。

図:オートファジー経路における新たなシグナル伝達経路(CD38およびLRRK2)
抗CD38mAbクローン90が細胞表面のCD38を架橋することで、CD38とLRRK2の複合体が内在化し、TFEBの核移行を誘導する。
更にNabarらは、CD38とLRRK2が未刺激の状態では原形質膜に共局在し、mAbクローン90によるCD38の架橋後は内在化していることを発見しました。LRRK2欠損マウスを使用した実験では、LRRK2キナーゼ活性がTFEBの核移行に必須なNAADPシグナル伝達経路の上流で必要であることが示されました。なお、この活性化はエンドソームによるCD38の取り込みや、CD38内在化の異常によるものではありませんでした。
これらのデータはCD38とLRRK2がmAbクローン90による架橋の後に同じ経路に関与することを示していますが、LRRK2キナーゼ過剰活性変異体の発現によってもTFEBの核移行は誘導され、クローン90の非存在下で複数のオートファジー遺伝子の転写と発現を増加させました。さらに、LRRK2キナーゼ過剰活性変異体はTFEBタンパク質のC末端でのリン酸化を増加させることでTFEBの安定性を増加させました。
NabarらはmAbクローン90によるCD38架橋後の新規シグナル伝達経路を解明し、カルシウム動員を介してオートファジーを誘導するCD38リガンドの可能性を示唆しています。この研究は、「他のCD38シグナル伝達経路では重要性が示されていないCD38の酵素活性が持つ機能的役割」を提唱しています。このオートファジー経路においてLRRK2の役割は重要ですが、その具体的な機能についてはまだ未解明であり、今後の更なる研究が期待されます。この新しいCD38-LRRK2-TFEBシグナル伝達経路は、オートファジーと免疫の役割解明に新たな知見を提供し、健康と疾患に関する将来の研究に寄与するものと期待されます。
参考文献
- Nabar, N.R., et al., "LRRK2 is required for CD38-mediated NAADP-Ca 2+ signaling and the downstream activation of TFEB (transcription factor EB) in immune cells.″ Autophagy, 18(1), 204~222(2022). PMID:34313548
- Mizushima, N., "Autophagy: process and function.″ Genes & Development, 21(22), 2861~2873(2007). PMID:18006683
- Malavasi, F., et al., "Evolution and Function of the ADP Ribosyl Cyclase/CD38 Gene Family in Physiology and Pathology.″ Physiological Reviews, 88(3), 841~886(2008). PMID:18626062
- Paisán-Ruiz, C., et al., "LRRK2: Cause, Risk, and Mechanism.″ Journal of Parkinson’s Disease, 3(2), 85~103(2013). PMID:23938341
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価格
[在庫・価格 :2025年04月26日 00時00分現在]
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Anti-TFEB, Rabbit-Poly, Trial Size
文献数: 0
- 商品コード:A303-672A-T
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- 法規制等:
説明文 | Genbank No:
7942
Gene Accession No: NP_009093.1 Protein Accession No: P19484 |
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保存条件 | 法規備考 | ||
抗原種 | 免疫動物 | Rabbit | |
交差性 | Human | 適用 | IP,Western Blot |
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クロナリティ | Polyclonal | フォーマット | Whole(H+L) |
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- 法規制等:
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抗原種 | 免疫動物 | Rabbit | |
交差性 | Human | 適用 | Western Blot,IP |
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抗原種 | 免疫動物 | Rabbit | |
交差性 | Human/Mouse | 適用 | IP,Western Blot |
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吸収処理 | クラス | IgG | |
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交差性 | Human/Mouse | 適用 | IP,Western Blot |
標識 | Unlabeled | 性状 | |
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