エムポックスウイルスの研究開発をサポート！ 抗エムポックスウイルス組換え抗体

エムポックスは哺乳類のいくつかの種に見られるウイルス感染症です。エンベロープをもつ二本鎖DNAウイルスである、ポックスウイルス科オルソポックスウイルス属のエムポックスウイルスによって起こります。自然界での宿主はヤマネ、樹上性リス、サバンナアフリカオニネズミなどのげっ歯類および霊長類であり、げっ歯類が保有宿主（natural reservoir）と考えられています。ヒトには体液、血液、呼吸器飛沫、感染した動物の皮膚病変との接触や野生動物の肉から感染する可能性があります。
世界保健機関（WHO）によると、ヒトでのエムポックス症例は1970年にコンゴ民主共和国で初めて報告されました。エムポックスウイルス感染の初期段階ではリンパ節の腫れ、背中や筋肉の痛み、極度の倦怠感、発熱、悪寒、頭痛が主な症状です。その後、顔、腕、脚を中心とした発疹が生じます。水痘と同様に水疱は破れて痂皮となり、痂皮は乾燥して最終的に脱落して治癒します。
エムポックスは主にアフリカの西部と中央部で発生しており、年間数千人程度の症例が報告されている程度でしたが、2022年1月以降、エムポックス症例をこれまでに報告していない国や地域への感染拡大が起きています。2022年6月時点、WHOは39か国で1,600を超えるエムポックスの症例を報告しており、うち32か国が新規の感染症例報告国です。