サル痘ウイルスの研究開発をサポート！ 抗サル痘ウイルス組換え抗体

サル痘は哺乳類のいくつかの種に見られるウイルス感染症です。エンベロープをもつ二本鎖DNAウイルスである、ポックスウイルス科オルソポックスウイルス属のサル痘ウイルスによって起こります。自然界での宿主はヤマネ、樹上性リス、サバンナアフリカオニネズミなどのげっ歯類および霊長類であり、げっ歯類が保有宿主（natural reservoir）と考えられています。ヒトには体液、血液、呼吸器飛沫、感染した動物の皮膚病変との接触や野生動物の肉から感染する可能性があります。
サル痘という名前は、1958年にデンマークの研究所でサルからウイルスが発見されたことに由来しており、サル痘ウイルスには西アフリカの系統群とコンゴ盆地（中央アフリカ）の系統群の2つがあります。
世界保健機関（WHO）によると、ヒトでのサル痘症例は1970年にコンゴ民主共和国で初めて報告されました。サル痘ウイルス感染の初期段階ではリンパ節の腫れ、背中や筋肉の痛み、極度の倦怠感、発熱、悪寒、頭痛が主な症状です。その後、顔、腕、脚を中心とした発疹が生じます。水痘と同様に水疱は破れて痂皮となり、痂皮は乾燥して最終的に脱落して治癒します。
サル痘は主にアフリカの西部と中央部で発生しており、年間数千人程度の症例が報告されている程度でしたが、2022年1月以降、サル痘症例をこれまでに報告していない国や地域への感染拡大が起きています。2022年6月時点、WHOは39か国で1,600を超えるサル痘の症例を報告しており、うち32か国が新規の感染症例報告国です。