皮膚科学研究にオススメの植物由来の生理活性物質

アルカロイドは窒素原子を含む天然の化合物であり、動物やヒトにおいて薬理学的効果を有します。
植物の場合、害虫や捕食者から身を守る役割を果たしています。

アントシアニンは、植物由来の天然の可溶性色素です。赤、紫、青などの色を示し、
葉、茎、花、果実の細胞内の液胞に存在しています。強力な抗酸化物質です。

カロテノイドは、植物の葉緑体や藻類、バクテリア、菌類などに存在するテトラテルペノイド系の色素です。
青色光エネルギーを吸収して光合成利用し、また強すぎる光線（光傷害）から光合成系を保護します。
ヒト体内において、ビタミンA活性や抗酸化活性を持つものもあります。

カテキンの天然に存在する主な骨格は(+)-カテキンと(-)-エピカテキンの2種類です。
これらは植物の二次代謝産物であり、抗酸化作用があります。
カテキンとエピカテキンのオリゴマーであるプロシアニジンは、in vitroでは抗酸化作用があり、
ヒトにおける研究では抗炎症作用があると考えられています。

クマリン類は、2-クマール酸誘導体に由来する天然の植物二次代謝産物です。
セイヨウトチノキ由来のエスクリンのように、薬理作用を持つ場合もあり、4-ヒドロキシクマリン類の一部は
ワルファリンのように抗凝固剤として使用されます。
多くのフロクマリン類には毒性があり、光線皮膚炎の原因となる可能性があります。

ジテルペノイドは、4つのイソプレン単位で構築され主に植物に存在し、特にシソ目やキク目に多く含まれています。
抗高血圧、抗レトロウイルス、抗腫瘍、抗炎症作用など、多くの薬理作用を有しています。

植物の二次代謝産物であるフラボノイドは植物の色を構成する色素の一つで、
紫外線から植物を保護し、フリーラジカルを除去し、花粉を媒介する動物を引き寄せる作用があります。
in vitroでは酵素活性を阻害し、酵素阻害物質であり、抗がん作用、抗アレルギー作用、抗炎症作用、
抗菌作用があると考えられています。

モノテルペンは、2つのイソプレン単位で構成される物質です。
通常、揮発性の（多）環状化合物であり、エッセンシャルオイルの主成分です。

フラボノイド系、アントシアニン系、クマリン系に含まれないフェニルプロパノイド系の製品です。
カルコン、スチルベン、オーロン、リグナン、およびその他のヒドロキシル化されたヒドロキシケイヒ酸誘導体です。
これらの植物化学物質はすべて、フェニルアラニンからカルコンまたはクマリン酸を経てクマリンに至る
同じ生合成経路から生成されます。

トリテルペンは、生合成的にはスクアレンから生成され、フリーの分子として存在する場合と、
グリコシド部分と結合してサポニンとして存在する場合があります。
抗炎症作用、肝臓保護作用、抗高脂血症作用、抗腫瘍促進作用など、多くの興味深い生物学的活性を有しています。
ボスウェリア酸類、ジンセノシド類、強心配糖体類もこの中に含まれます。