microRNA／piRNA をEIA法で定量するキット microRNA Enzyme Immunoassay Kit (miREIA)

miRNA（miRNA）は、ヒト、動物、植物およびウイルスに見られる、おおよそ22塩基の非コードRNAです。生体内での翻訳過程において重要な役割をもつことが知られています。

一つは、RNAサイレンシングの際に、miRNAはその標的mRNAと結合する相補鎖として機能し、その後AGOファミリータンパク質により翻訳抑制、mRNAの脱アデニル化およびmRNAの分解が引き起こされます。

また、miRNAは分化、増殖、代謝、止血、アポトーシスおよび炎症のようなほぼすべての生理的機能に関与しているといわれています。 miRNAの生合成および機能は厳密に制御されており、その調節不全はがん、心臓病または神経障害などの多くの疾患の原因につながります。このことからも、miRNAはバイオマーカーとして注目されています。

PIWI（P-element induced wimpy testis）-Interacting RNA（piRNA）は、長さ約24～32ヌクレオチドの小さな非コードRNA分子です。多くの場合、piwiタンパク質に結合して調節の役割を果たします。最近、哺乳類の生殖細胞系列に加え、piRNAが様々なヒト組織において組織特異的に発現し、転写または転写後レベルで重要なシグナル伝達経路を調節することが示されました。piRNAは、がんやその他の疾患のエピジェネティックな調節に関与し、細胞の恒常性の重要な要素であることが示されています¹。さらに、piRNAは腫瘍の形成、増殖、および細胞の移動において重要な役割を果たします^2,3。piRNAの転写後調節は、miRNAと同様に細胞質で起こります。

様々ながんにおいて異常発現するpiRNAおよびPIWIタンパク質が、腫瘍の診断および治療のための新しい有望なバイオマーカーおよび治療標的として役立つ可能性があることが示唆されています。piR-5937とpiR-28876のレベルに基づいて、結腸直腸がん（CRC, colorectal cancer）患者と健康なドナーを高い感度と特異性で区別することができました。さらに、それぞれのpiRNAは、I期の結腸がん患者においても現在使用されているバイオマーカーCEAおよびCA19-9よりも高い検出感度が示されています⁴。

試料中の目的miRNAに相補的なDNAプローブ（ビオチン標識）をハイブリダイズさせる。これをmiRNA/DNAハイブリッド鎖に特異的な抗体がコートされたマイクロプレートのウェルに加えてインキュベートする。洗浄後、ストレプトアビジン-HRPをプローブのビオチンに結合させ、TMB基質を使用して生じる発色を測定する。

それぞれのアイコンをクリックするとPDFが開きます。