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Dharmaconの化学合成sgRNA

Horizon Discovery社 実験のヒント Vol. 1 あらゆる細胞のCRISPRワークフローを効率化するために:
Dharmaconの化学合成sgRNA

掲載日情報:2020/07/10 現在Webページ番号:66722

Horizon Discoveryは、基礎研究から治療開発研究に至る領域で、ゲノム編集と遺伝子発現調節技術の応用をグローバルに展開しています。2019年11月にはEdit-R製品ファミリーの1つとして、デザイン済み化学合成シングルガイドRNA(sgRNA)を発売しました。
Horizonのゲノム編集試薬の製品マネージャーであるRyan Donnellyに、新しい化学合成sgRNAと、sgRNAを使用したCRISPRワークフローの効率化の可能性について聞きました。
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  Ryan Donnelly

CRISPRワークフローを効率化するために開発した新しい化学合成sgRNAについて教えてください。

最近、化学合成sgRNAのヒトゲノムワイドライブラリーを発売開始しました。化学合成sgRNAは、個別のガイドRNA、組み合わせ済みのライブラリー、およびCherry-Pickと呼ばれるカスタムライブラリーとして利用できるようになりました。
すべてのガイドRNAは、独自のEdit-Rアルゴリズムを使用して設計されています。これにより、indelを作成するだけでなく、タンパク質をノックアウトする可能性を最大化すると同時に、オフターゲット効果の可能性を最小化します。



synthetic sgRNA

CRISPRのオフターゲット効果を最小限に抑えるためにHorizonはどのようなことをしていますか?

Edit-Rアルゴリズム内では、非常に厳密な特異性チェックが行われます。類似の配列におけるミスマッチだけでなく、配列内のギャップもチェックします。ギャップがあると、100%相補的でない領域にガイドRNAが結合することがあります。多くの一般的なWebツールの特異性チェックではこれが考慮されていないことが判りました。



これらのsgRNAを開発していたときに、どのような課題に直面しましたか?

合成は大きな課題でした。sgRNAのデザインに取り掛かかり、ヒトゲノムが約20,000遺伝子で、遺伝子ごとに3つのガイドを設計すると約60,000の個別のRNAオリゴを合成する必要があることに気づいたとき、それは困難な作業だと思いました。ボルダー拠点(米国コロラド州)に経験豊富な合成製造チームがいることを非常に感謝しています。彼らは20年以上にわたってRNA合成製造の先駆者でありつづけ、彼らには、このライブラリーに求められるレベルに合成スケールを拡大する際に助けられました。



CRISPRゲノム編集システムを使用している人にとって、このsgRNAの利点は何ですか?

より疾患と関連する細胞で作業したい、不死化細胞株ではなく初代細胞、幹細胞、免疫細胞への移行を考える多くの研究者がいます。その理由は、表現型を再現できないリスクを最小限に抑えることです。研究者が、不死化細胞から生物学的により疾患に類似した細胞に移行すると、同じ表現型を再現できない場合があります。
化学合成crRNAとtracrRNAのハイブリッドを用いるシステムと比較して、化学合成sgRNAの使用によってノックアウト効率が向上する場合があり、疾患モデル細胞株を利用する人にはより利用しやすいと考えられます。
さらに、アレイ化ライブラリーを使用すると、アレイ化タイプのみが提供できる独自のダウンストリームアプリケーション(ハイコンテンツイメージングやその他の形態学的アッセイ)が行えます。



今後5年間のHorizonにとっての夢は何ですか?

私たちはいくつかのユニークな製品を構築することができましたが、市場は急速に動いています。私たちは市場の先駆者達と協力して製品やサービスを成長させ、この市場がどこに我々を連れて行こうとも進化させます。それはHorizonに対する私の夢でもあります。遺伝子編集の研究者が今日、または5年後に必要とするソリューションが何であれ、私たちは彼らの研究を進歩させ、彼らの発見に力を与える製品を持っていたいと思います。

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