シリコーンゴム製のライブセルイメージング用マイクロセルアレイ(Microsurfaces社)
掲載日情報:2020/12/01 現在Webページ番号:66054
Vol. 66 ライブセルイメージングのための革新的で柔軟性のあるソリューション
Microsurfaces社はシリコーンゴム製のライブセルイメージング用マイクロセルアレイを開発・販売しているオーストラリアのメーカーです。
製品には微小なウェルが多数配置されており、細胞をこれらのウェルに物理的に閉じ込めることで、既存手法で問題となっていた細胞の顕微鏡視野外への流出を防止できます。
今回はMicrosurfaces 社の創業者であるDr. Daniel Dayにお話を伺いました。
追加しました。
- マイクロセルアレイを開発するに至ったきっかけは何ですか?
- 製品はシリコーンゴム製とのことですが、シリコーン以外で製造を試した素材はありますか?
- 製品に関してユーザーから興味深い反応は得られましたか?
- これからどのような新製品を開発する予定ですか?
マイクロセルアレイを開発するに至ったきっかけは何ですか?
2007年、私たちはレーザー照射法による細胞へのトランスフェクションについて研究していました。 フェムト秒のパルスでレーザー照射を行い、一時的に膜透過性を上げるという手法です。照射後、蛍光顕微鏡でDNA のトランスフェクションを観察できるようになるまでに数日かかります。 その間に、細胞が動いてしまうため、レーザーを照射していた細胞と照射していなかった細胞の見分けがつかなくなってしまうことがありました。 私の研究バックグラウンドは「二光子顕微鏡」と「微細加工」だったので、二光子リソグラフィ技術を用いてMicrogrid array の原型となるものを作ってみました。Microgrid array を用いることにより、細胞をグリッド内に閉じ込めることに成功し、レーザーを照射している細胞を追跡することができるようになりました。
追加しました。
製品はシリコーンゴム製とのことですが、シリコーン以外で製造を試した素材はありますか?
元々はArray をUV 硬化樹脂を使って、カバースリップ上に作製していたのですが、私たちは3つの問題に直面しました。
①UV 硬化樹脂はそれ自体がUV 光で励起し、自家蛍光を発してしまうため、細胞からの弱い蛍光シグナルに干渉してしまう。
②Array がカバースリップ上に固定されているため、ユーザーはそれをそのまま35 mm ディッシュやチャンバースライド上に接着して使わなければいけない。
③UV 硬化樹脂は細胞に対して毒性を示す可能性があるため、長期間のイメージングには不向き。
そのため、素材をシリコーンに変更し製造方法も一新して、再現性が高く、製造時の成形不良をなくすようにしました。
またユーザーがArray を任意の培養器材やイメージングチャンバー上に置き、シリコーンとガラス/ポリマーの自然接着で付くようにしました。加えて、シリコーンは生体適合性もあるので、長時間イメージングにも向いているという利点もありました。
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製品に関してユーザーから興味深い反応は得られましたか?
とあるユーザーからのご要望により、光-電子相関顕微鏡法(Correlative light and electron microscopy,CLEM)に使用できるユニークな多層マイクロメッシュアレイを開発したことがあります。 CLEM は、光学顕微鏡観察像と電子顕微鏡像を重ね合わせることができる手法です。このアレイでは光学顕微鏡での観察中に細胞を閉じ込め、そのまま電子顕微鏡で同じ細胞を観察することができるようにしました。
追加しました。
これからどのような新製品を開発する予定ですか?
私たちは「微小構造を持つ製品」からスタートしましたが、近い将来、もっと大きなスケール「ミリメートル単位」のウェル寸法を持つ製品や、マイクロチャンネルベースの製品をリリースする予定です。
User's Voice
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