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ユーザーレビュー︓STAINperfect Immunostaining Kit
ユーザーレビュー︓STAINperfect Immunostaining Kit
掲載日情報:2020/01/20 現在Webページ番号:65900
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STAINperfect Immunostaining Kit を用いたグルタミン酸、GABA の免疫組織化学染色
塗谷睦生 准教授
慶應義塾大学 医学部 薬理学教室
1. はじめに
脳神経系の研究においては、様々な条件下での情報伝達の変化の解析が重要となる。細胞間の化学情報伝達はグルタミン酸やGABAといった種々の低分子量神経伝達物質が担っており、よって脳神経系の生理・病態生理・薬理学的解析において、これら伝達物質の局在や量の変化を可視化して捉えることが非常に重要となる。
しかし、これらの伝達物質はアミノ酸やその誘導体などであるためサイズが非常に小さく、通常の免疫組織化学的手法による検出は困難であった。
このような中、我々は近年開発され神経伝達物質の免疫組織化学検出を実現するとされるSTAINperfect試薬の使用を試み、大変良好な結果を得たので、ここに報告する。
2. 実験方法
コラーゲンとポリリジンでコートしたカバーガラス上で培養したラット由来大脳皮質あるいは線条体初代培養神経細胞を用い、ImmuSmol 社STAINperfect Immunostaining Kit を用いて染色した後、共焦点顕微鏡により可視化した。固定・可溶化・安定化などはこのキットに付属の試薬を用いて行い、グルタミン酸およびGABA の染色はImmuSmol社の抗体(グルタミン酸:#IS018、GABA:#IS1006)を、共染色のTau-1はMerck Millipore社のもの(#MAB3420)を用い、二次抗体にはAlexa 488 およびAlexa 555 ラベルのものを用いた。
3.結果
初代培養大脳皮質神経細胞を用い、グルタミン酸の免疫組織化学染色を行った結果を図-1(培養25日目)に、グルタミン酸とGABA を共染色した結果を図-2(培養14日目)に示す。
グルタミン酸、GABA 共に非常に高いシグナル・ノイズ比で可視化でき、抗体間のシグナルの夾雑無しに神経細胞の染色ができていることが分かる。
また、 培養21日目の初代培養線条体神経細胞を用い、GABA と軸索マーカーのTau-1を共染色した結果を図-3 に示す。ここから抗Tau-1抗体による染色も同時に可能であることが分かり、細胞種や細胞微細構造の可視化と合わせて神経伝達物質の局在を明らかにできることが分かった。
4.まとめ
ImmuSmol 社のSTAINperfectKit(免疫組織化学染色用試薬類と抗体のセット)を用いることで、これまで十分なシグナル・ノイズ比をもって検出することが困難であった神経伝達物質の免疫組織化学染色ができることが分かった。
培養細胞のみならず組織標本でも有効性を確認しており、他の抗体との共染色ができることも併せ、脳神経系の研究に非常に有効な試薬となることが期待される。
図-1:初代培養大脳皮質神経細胞のグルタミン酸染色画像
図-2:初代培養線条体神経細胞のグルタミン酸とGABA の共染色画像
試料:初代培養大脳皮質神経細胞
グルタミン酸とGABA を染め分けることができている。
図-3:初代培養線条体神経細胞のGABA と軸索マーカーTau-1 の共染色画像
製品記事
ImmuSmol社抗体専用の免疫染色前処理用キット
STAINperfect Immunostaining Kit
STAINperfect Immunostaining Kitは、細胞・組織などに含まれる低分子をImmuSmol社抗体を用いて免疫染色する際の前処理用キットです。組織や細胞の固定、洗浄、細胞浸透および安定化など染色に必要な試薬が含まれています。本キットとImmuSmol社抗体を使用することで、より鮮明な染色像を得ることができます。 |
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