ヒストンH3のシトルリン化研究などに有用なヒトPAD2測定キット Human PAD2 ELISA Kit

PADは、ペプチドやタンパク質のアルギニンをシトルリンに変換する酵素で、5つのファミリーから成ります。PAD2は、哺乳動物間で最も広範に発現し保存されたメンバーで、PADの原型となるホモログであると考えられています。PAD2は、核内で転写が活性化される哺乳動物の生殖サイクルにおいてヒストンH3のシトルリン化を行うことが明らかとなったため、転写制御の役割があると考えられます。関節リウマチ（RA）では抗シトルリン化タンパク質抗体（ACPA）が産生されるため、PADによるタンパク質のシトルリン化はRAの病態生理と関係があるとされています。RA患者では滑液や滑膜でのPAD2活性や、ACPAと相関する滑膜細胞内PAD2が検出されます。また、PAD2活性は気管支肺胞洗浄液（BAL fluid）でも検出されます。喫煙者の肺は非喫煙者に比べて細胞外PAD2濃度が増加するため、喫煙とRAの発症は関連があります。DMSOまたはオールトランス型レチノイン酸でヒト骨髄性白血病細胞HL-60などの細胞株を顆粒球へ分化誘導させることで、PAD酵素を産生させることができます。