ヒトBD-2 / β-ディフェンシン-2測定キット Human BD-2 / β Defensin-2 ELISA Kit

ディフェンシン（Defensin）は、3対の分子内ジスルフィド結合を有する2～6 kDaのカチオン性の殺菌性ペプチドで、多くのグラム陰性およびグラム陽性の細菌、真菌、エンベロープ型ウイルスに対して活性があります。哺乳類のディフェンシンは、その大きさとジスルフィド結合のパターンに基づいて、α、β、θのカテゴリーに分類されます。これまでに調べられたすべての哺乳類においてβ-ディフェンシンが存在し、ウシの好中球には13種類ものβ-ディフェンシンが存在します。しかしながら他の生物種では、β-ディフェンシンは、様々な器官（表皮、気管支、尿路など）を覆う上皮細胞でより多く産生されています。

ディフェンシンは、構成的に、または微生物の生産物や炎症性サイトカインに反応して産生されます。ディフェンシンの中には、コルチコトロピン刺激によるコルチコステロイドの産生を阻害することから、コルチコスタチン（CS）と呼ばれるものもあります。

ディフェンシンが微生物を死滅・不活性化させるメカニズムは完全には解明されていませんが、一般的には微生物の膜が破壊された結果、死滅すると考えられています。ディフェンシン分子は荷電領域と疎水領域が空間的に分離しており、ディフェンシンをリン脂質膜に挿入すると、疎水領域は脂質膜の内部に埋没し、荷電領域（ほとんどがカチオン性）はアニオン性のリン脂質の頭部や水と相互作用します。その後、いくつかのディフェンシンは凝集してチャネル状の孔を形成したり、微生物の膜に結合してカーペット状に覆うことができるものもあります。その結果、膜の完全性と機能が破壊され、最終的には微生物の溶解につながります。いくつかのディフェンシンはプロペプチドとして合成されており、このことは微生物溶解プロセスに関連している可能性を示唆しています。
［本稿の出典　Interpro：IPR006080］