Human Globulin Protein ELISA Kit ヒト血中グロブリンタンパク質定量ELISAキット

■α1-酸性糖タンパク質（α1 Acid Glycoprotein）
α1-酸性糖タンパク質(α1AG, Orosomucoid)は、肝細胞内で産生され、ヒトの血漿中に高濃度で存在する急性期タンパク質です。特定薬物に対する反応、HIV感染のいくつかの病態、および妊娠などでその濃度は変化します。α1AGは、血中で（酸性または中性とは異なり）塩基性分子、プロテアーゼ阻害物質、またはステロイドを輸送します。

■α1-アンチトリプシン（α1 Antitrypsin）
α1-アンチトリプシン(A1AT)は、セリンプロテアーゼ阻害物質（serpin）スーパーファミリーに属するプロテアーゼ阻害物質です。当初は血清トリプシン阻害物質として位置づけられていましたが、広範囲のプロテアーゼも阻害します。炎症細胞により発現する好中球エラスターゼなどの酵素による損傷から組織を保護します。

■α2-マクログロブリン（α2 Macroglobulin）
α2-マクログロブリン(α2M)は、4量体からなる718 kDaの糖タンパク質であり、血漿中および細胞外に存在します。当初は広範囲のプロテアーゼ阻害物質であることが示されましたが、LDLレセプター関連タンパク質（LRP-1）に対する結合部位も含んでいます。LRP-1はエンドサイトーシスレセプターとして作用するので、プロテアーゼに結合したα2Mは血中から迅速に排除されます。また、α2Mは、プロテアーゼに対する阻害および除去因子としての役割があり、TGFやPDGF-BBなどの特定の成長因子に結合・運搬されて、成長因子の活性阻害や細胞情報伝達系レセプターに運搬される成長因子を促進する作用があります。

■β2-マクログロブリン（β2 Macroglobulin）
β2-マクログロブリン(β2M)は、MHC Class I複合体のタンパク質成分です。膜貫通タンパクよりも表在性膜タンパク質であり、全有核細胞の細胞表面上でMHC Class I α3膜貫通鎖に結合しています。ヒト血清中のβ2Mタンパク質の濃度は、リンパ腫および多発性骨髄腫により上昇します。多発性骨髄腫においてしばしば血中β2Mタンパク質濃度は、重要な予後指標となっています。

■セルロプラスミン（Ceruloplasmin）
セルロプラスミン（Cp）は、ヒトのCp遺伝子によってコードされるフェロキシダーゼ酵素です。Cpは血中では主に銅輸送タンパク質であり、鉄代謝においても作用します。Cpは肝臓で作られ、結合する6個の銅原子を持っています。ヒト血漿中で銅の95％を輸送し、銅依存性酸化酵素活性を持ちます。この酵素はFe2+ (ferrous iron)をFe3+ (ferric iron)に酸化し、トランスフェリンに加えて血漿中の鉄輸送を助けています。

■ハプトグロビン（Haptoglobin）
ハプトグロビン（Hp）は、プレタンパク質から構成される2つのαとβユニットからなる四量体です。肝細胞のほか脂肪組織、腎臓、皮膚、肺で発現します。ハプトグロビンは血漿へ分泌され、遊離ヘモグロビン（Hb）と結合し、酸化反応からHbを防ぎます。Hb/Hp複合体は単核性食細胞システムによって脾臓内で除去されます。