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ラミニン由来レセプター特異的結合ペプチド

掲載日情報:2020/06/12 現在Webページ番号:64727

コラジェンファーマ社が提供するラミニン由来のレセプター特異的結合ペプチドは、ラミニンの生理活性配列を有する合成ペプチドです。各々のレセプターに特異的に結合することができるため、レセプター特異的な細胞接着基質として用いることができ、レセプターとその下流シグナルに着目した細胞の挙動を解析することが可能です。

細胞接着実験

各ペプチドを用いた細胞接着実験

細胞培養用96ウェルプラスティックプレートに各ペプチドをコートしたのち、非特異的な結合を抑えるためBSAによりプレートをブロッキングした。ヒト真皮繊維芽細胞(HDF細胞)を5000 細胞/ウェルで播種し、2時間後に4%パラホルムアルデヒドで固定、クリスタルバイオレットで細胞を染色した。レセプターごとに細胞の形態が違うことが分かる。

ラミニンとは

ラミニン(laminin)は基底膜(Basement membrane)の基本的なコンポーネントのひとつで、α, β, γの3つのサブユニットからなるタンパク質です(図1参照)。ラミニンは優れた細胞接着基質で、各サブユニットから細胞膜上のレセプターであるintegrinやsyndecan等と相互作用する生理活性配列が同定されています。ラミニンは細胞接着能の高さからin vitro の培養細胞の接着基質として頻繁に用いられますが、細胞接着の際には様々な細胞膜上のラミニンレセプターが同時に反応することから、細胞表面の特定のラミニンレセプターの機能解析を行うことは難しいと考えられています(図2参照)。

AG73 AG73

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特長

商品
コード
ペプチド名(配列)レセプター純度報告されている特長参考
文献
KP004AG73
(RKRLQVQLSIRT)
mouse laminin α1 chain 2719-2730
Syndecan≧95%
  • 強い細胞接着活性
  • 神経突起伸長活性
  • 肝臓へのがん細胞転移促進
  • 細胞分化促進活性
  • 血管内皮細胞管腔形成促進活性
  • 創傷治癒活性
1~3
KP005A208
(AASIKVAVSADR)
mouse laminin α1 chain 2097-2108
IKVAV レセプター
  • 強い細胞接着活性
  • 神経突起伸長活性
  • 肝臓へのがん細胞転移促進
  • 細胞分化促進活性
  • 血管内皮細胞管腔形成促進活性
  • 創傷治癒活性
4~6
KP006C16
(KAFDITYVRLKF)
mouse laminin γ1 chain 135-150
Integrin αvβ1, α5β3
  • 強い細胞接着活性
  • 神経突起伸長活性
  • がん細胞転移浸潤促進活性
  • MMP誘導活性
  • 血管新生促進活性
7~9
KP007A3G756
(KNSFMALYLSKGRLVFALG)
mouse laminin α3 chain 1411-1429
Syndecan
  • 強い細胞接着活性
  • 神経突起伸長活性
  • 創傷治癒活性
  • 上皮細胞に対し強い接着・遊走活性
10~12

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参考文献

  1. Nomizu, et al., J Biol. Chem., 270, 20583~20590 (1995).
  2. Hoffman, et al., J Biol. Chem., 273, 28633~28641 (1998).
  3. Mochizuki, et al., Arch. Biochem. Biophys., 459, 249~255 (2007).
  4. Nomizu, et al., J Biol. Chem., 273, 32491~32499 (1998).
  5. Kasai, et al., Biopolymers(Peptide Science), 76, 27~33 (2004).
  6. Kasai, et al., Biochemistry, 46, 3966~3974 (2007).
  7. Nomizu, et al., J Biol. Chem., 272, 32198~32205 (1997).
  8. Ponce, et al., Circ Res., 84, 688~694 (1999).
  9. Christos, et al., Experimental Cell Research, 260, 268~276 (2000).
  10. Utani, et al., J Biol. Chem., 276, 28779~28788 (2001).
  11. Kato, et al., Biochemistry, 41, 10747~10753 (2002).
  12. Utani, et al., J Biol. Chem., 278, 34483~34490 (2003).

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使用例

東京薬科大学薬学部 病態生化学教室 野水基義教授ご提供データ

さまざまなレセプター結合部位を含むリコンビナントラミニンとレセプター特異的結合ペプチドを用いた場合では、細胞接着時の細胞の形態が著しく異なることがわかる。

LG4

Integrin α2β1やsyndecan結合部位を含むリコンビナントラミニンα1鎖LG4を用いた場合

AG73

ラミニンα1鎖LG4領域のsyndecan結合ペプチドAG73を用いた場合

濃度依存的な細胞接着

各ペプチドの濃度依存的な細胞接着

細胞培養用96ウェルプラスティックプレートに各ペプチドをコートしたのち、非特異的な結合を抑えるためBSAによりプレートをブロッキングした。ヒト真皮繊維芽細胞(HDF細胞)を20,000 細胞/ウェルで播種し、2時間後に4%パラホルムアルデヒドで固定、クリスタルバイオレットで細胞を染色し接着した細胞数をカウントした。

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操作法概略

操作法概略

プレートにコートする場合

  1. ペプチド溶液を調製し、プレートに添加する。
       (推奨濃度例:0.1~2μg/well / 96 microplate)
  2. クリーンベンチ内で乾燥させる。
  3. BSAなどでブロッキングさせた後、細胞を懸濁した溶液を加え、CO2インキュベーターで培養する。

ペプチドは超純水で溶解後、目的に応じ各溶媒にて希釈してご使用下さい。溶解後は-20℃での保存を推奨します。

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