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【研究室でインタビュー】 北海道大学 大学院獣医学研究院 生化学教室 戸田知得 助教

掲載日情報:2021/11/01 現在Webページ番号:63354

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研究テーマ、ご自身のエピソードについて語っていただきました!

北海道大学 戸田知得助教

北海道大学 大学院獣医学研究院 獣医学専攻  基礎獣医科学講座 生化学教室
戸田 知得 助教
略 歴

  • 2006 年  北海道大学 獣医学部 卒業
  • 2009 年  総合研究大学院大学 生命科学研究科生理科学専攻 博士後期課程 修了
  • 2009 年  生理学研究所 生殖・内分泌系発達機構研究部門 博士研究員
  • 2012 年 Yale University School of Medicine Postdoc
    ( 2013~2015 年 鈴木万平糖尿病財団海外留学フェロー)
    ( 2015~2016 年 独立行政法人日本学術振興会海外特別研究員)
  • 2016 年11 月  北海道大学大学院 獣医学研究院獣医学部 助教

先生の研究テーマや展望についてお伺いします。

先生の研究テーマについて教えて下さい。

脳による全身エネルギー代謝の恒常性維持機構がどのような神経メカニズムで調節されているのか、それがなぜ破綻するのかについてのメカニズムの研究をしています。
脳は、身体の中にどれくらい栄養が残っているかをモニターしています。消化管、脂肪組織、筋肉などから分泌されるホルモンや血液中の栄養素、そして迷走神経からの神経伝達が脳内に到達し、視床下部や脳幹にある神経細胞がこれらの情報を受け取ります。その情報によって脳が食欲や全身のエネルギー代謝を調節することで、体内エネルギーが大きく変わりすぎないように一定に維持しています。例えば、太った時にやせようとしてダイエットや運動を始めると、最初のうちは体重が落ちますが、どこかで下げ止まってしまいます。これは脳が体重の減少を感知して、それ以上体重が落ちないように、食欲を上げる一方で代謝を下げることで、そのような現象が起こります。このような脳の機能を「全身エネルギー代謝の恒常性維持機構」といいます。体重だけでなく血糖値を一定に保つためにも脳は重要です。脂肪含量の高い食事は、脳の機能を悪化させ、肥満や糖尿病の発症にも関わっていると考えられています。

研究概要_北海道大学

視床下部ニューロンによるグルコース代謝の恒常性制御(ホメオスタシス)

特に私たちは、グルコースセンシング神経と呼ばれる神経細胞がどのようなメカニズムで血中のグルコース濃度を感知するかについて研究を行っています。例えば、グルコースセンシング神経の中のミトコンドリアの大きさが変わって神経活動を変えることや、プロスタグランジンが生成されてグルコース感受性を変えるということを発見しています。
また、ご飯を目で見た瞬間に実は体はこれから来るであろうエネルギー量を予測して準備しはじめます。ちょっとずつインスリンが出はじめたり、身体のインスリン感受性が高まったりします。パブロフの犬も同じように、ベルの音を聞いただけで唾液などが出てきますが、そのために必要な神経回路がよくわかっていなくて、脳のどの部分にある何という神経がその反応を司っているのかについても研究しています。

すごい沢山の量のご飯と少しの量のスナック菓子を見た時に神経の興奮は違うんですか?

そのような比較はしていませんが、私たちはマウスに甘い水を飲ませて研究をしています。実験に用いているマウスは普段甘いものを摂る環境にないので、甘いものがとても好きです。音を鳴らしたり、床敷きのないケージにマウスを移動して何秒か後に甘い水をあげることを何回も繰り返すと、甘い水をあげなくてもインスリン感受性が上がることがわかっています。人でも肥満の人がハンバーガーなどを見ると視覚野のニューロンの反応が痩せている人よりも活発になることが報告されています。私たちも好きな食べ物と普通の食べ物を見たときの脳内神経活動は全然違うかもしれません。

ご飯とスナック菓子


今の研究テーマに興味を持った理由を教えて下さい。

学部生のときは筋肉や脂肪組織のグルコース取り込みに関わる分子メカニズムを研究していました。指導教官が中枢神経から末梢組織への神経伝達によるグルコース取り込みのメカニズムを研究していて、脳の研究はおもしろそうだなと興味を持ちました。ちょうど私が研究を始めたのはレプチンが発見されて10年後くらいで、レプチンによる食欲抑制機構が世界的に研究されて、視床下部弓状核にあるPOMC、NPY/AgRPニューロンや室傍核のMC4Rなどが『Nature』などの一流紙に良く載っていた頃です。そのような一流雑誌に載るような研究をしてみたいと思っていたのも理由の一つです。


研究で嬉しかったことを教えて下さい。

3つあります。
1つ目は、大学院生の時、非常に苦労して出した初めての論文です。大学院は総合研究大学院大学に通い、生理学研究所で研究漬けの毎日を送っていました。毎日実験しているにもかかわらず、期待するデータが得られずに、1年ほど悪い状況から脱出できずにいました。そこからある意味開き直って、実験条件を1つずつ変えていったところ、結果も徐々に出始めて、卒業は半年延びましたが、なんとか論文にすることができました。
2つ目は、留学中に『Cell』1に出したことです。一流紙に載せることが夢だったので、アクセプトのメールが来たときは信じられませんでした。
3つ目は北海道大学にイメージングMSの技術を持った生理学研究所の先輩がいたので、その先輩と帰国して直ぐに脳切片のイメージングMSを行い、責任著者として出した論文です2。これまでの経験の積み重ねで、論文をボスに大きく書き直されることも少なくなっていたので、論文を書くこと自体には不安はありませんでした。ただ、日本に帰国して、所属する研究室にはない自分の実験系をゼロから立ち上げて、学生さんを指導しながら、研究費を獲得するために苦悩しながら、という別の難しいタスクもあったので、4年かかってしまいました。

1. Toda, C., Kim, J.D., Impellizzeri, D., Cuzzocrea, S., Liu, ZW., Diano, S. , "UCP2 Regulates Mitochondrial Fission and Ventromedial Nucleus Control of Glucose Responsiveness. "Cell. 164(5):872~883(2016). [PMID:26919426]
2. Lee, M.L., Matsunaga, H., Sugiura, Y., Hayasaka, T., Yamamoto, I., Imoto, D., Suematsu, M., Iijima, N., Kimura, K., Diano, S., Toda, C., "Prostaglandin in the ventromedial hypothalamus regulates peripheral glucose metabolism", Nature Communications, 12(1), 2330(2021). [PMID:33879780]

印象に残る実験について教えて下さい。

大学院卒業後に生理学研究所のポスドクをしていて、Hyperinsulinemic-euglycemic clamp(クランプ法)という実験を立ち上げました。これは全身の糖代謝測定法の中で最も信頼でき、「これをやっているなら文句はありません」と言われるような実験です。この実験には緻密な手術のテクニックが必要で、簡単なものではありません。立ち上げる時も苦労するかと思っていましたが、予想に反して早い段階で他のラボから出ている数値と似たようなデータを得ることができました。「論文中には非常に難しく書いてあるのに、意外とできるもんだな」と思ったのを覚えています。この実験は今でも研究に取り入れています。慣れれば簡単ですが、学生さんは時間も限られているので、私がマウスの手術を行い、学生さんにはグルコースを注入するところからやってもらっています。クランプ法の実験系を立ち上げた経験があるので、色んな実験を立ち上げるときに躊躇しなくなり、どんどん新しい技術に挑戦するようになりました。

Hyperinsulinemic-euglycemic clamp(クランプ法)

Hyperinsulinemic-euglycemic clamp法

グルコースとインスリンを静脈内に持続的に注入して生体内で高インスリン血症の状態を人工的に作りだして、この時の全身のグルコース利用量と主として肝臓からのグルコース産生量を算出する方法です。
まず、3H-グルコースを120分間マウスの静脈内に注入し続け、血中3H-グルコースの濃度を一定の状態にします。一定状態の場合はマウス体内で産生されるグルコースの量と利用されるグルコースの量が同じということになります。その事からグルコースがどれくらい入って、どれくらい利用されているか、グルコースの利用量や肝臓からのグルコース産生量などが算出できます(Basal)。その後、インスリンの投与も開始します。インスリンが投与されると、本来血糖値が下がりますが、血糖値を下げないために一定量グルコースも注入し続けます。血糖値が一定になるようにすると、インスリンが入っている時に身体の中のグルコースがどれだけ取り込まれるのかなども計算できるので、そこから全身のインスリン感受性や、全身のグルコース利用量および肝臓のインスリン感受性などがわかります(Clamp)。

これからの抱負を教えて下さい。

「人の役に立つ研究をしたい」とか、「みんなに面白いと言ってもらえる研究をしたい」とか色々と思うところはありますが、一番は自分とチームメンバーが面白いと思える研究を続けたいです。ただし、そのためには十分な研究費を獲らないといけないし、学生さんや研究員さんが集中して研究できる環境作りも大切です。私自身としては研究だけでなく家庭も大切にしないと、研究を楽しむ余裕がなくなります。うちの学生・研究員はとても優秀で面白いデータをどんどん出してくれるので、あれこれ考えているうちに論文にしないといけないデータが溜まってしまいました。文章を書くのが苦手で、どうしても論文や申請書などが遅くなってしまうので、もっとスキルを磨いてチームメンバーに迷惑をかけないようにするのも今後の課題です。

先生ご自身のことについてお伺いします。

サイエンスに興味を持つようになった理由を教えて下さい。

動物園

小学生の時から獣医になろうと決めていました。単に動物が好きだったので、動物に関わる仕事がしたいという理由です(獣医は儲かると思っていたのもあります)。小学生の時は夏休みに動物園の一日飼育員体験に毎年参加するような子供で、トドやキリン、ゾウなどの餌切りや餌やり、厩舎の掃除をやっていました。毎年参加する子も多く、私は4年生~6年生の時に参加しました。獣医学系大学の中で、一番有名な北海道大学獣医学部に入学すれば一番良い教育が受けられると勝手に思っていて志望していましたが、入学してみると臨床よりも研究が盛んであることを初めて知り、「研究ってなんだろう?」と興味が湧きました。昔の獣医学部では5年生から研究室に配属されるのですが、臨床系の研究室ではなく、基礎研究をする生化学教室を選びました。それも「卒業したら臨床をするのだから、大学が力を入れている研究を経験してみようかな。」という軽い気持ちでした。

どんな学生だったのか教えて下さい。

学生時代は積極的な学生だったと思います。大型の実験動物は高価なので実習では学生全員が動物を触れるわけではなく、5人班のうち1人が中心になってその日の手術を担当して他の人は見学、ということも多いのですが、私はできるだけ手を動かしたかったので、積極的に担当者に立候補していました。知床で野生動物の管理に関する実習があった時も、希望者のみ参加する実習だったので、私と野生動物の管理を元々志していた子の2人だけで参加したこともあります。それ以外は剣道ばかりしていました。座って授業を聞くのは苦手で、実習や部活で体を動かすのが好きだったようです。

解剖した後の動物を食べたりしたのですか(笑)

当時先生に食べたいといいましたが、色々な薬剤が入っているから「ダメだ」と言われました(笑)

北海道大学

研究者になろうと思ったきっかけを教えて下さい。

研究者になろうと思っていたわけではありません。生化学教室に所属して実験を始め、データを人に見せて議論し始めると、自分のダメさがとてもはっきりと分かってきました。このまま卒業して臨床を始めても、人に説明するのが下手すぎて動物病院を開業してもすぐ潰れるなと思ったのです。それでもうちょっと自分を鍛えてから社会に出たほうが良いかなと思うようになり、大学院に行くことを決めました。研究者も競争が激しくて、いつまで研究を続けられるのか常に不安です。獣医は過疎地の牛や馬(大動物)を診る人材が少なくて、50歳を過ぎても新人として採用するところがあるそうです。大学院生やポスドクのときに、そして今でもたまに、「もう研究者としては無理かな、大動物の臨床に行くかな」と思うことがあります。しかし、幸運にも今のところ研究者を続けられています。

先生のように実績を出されていても不安になりますか?

留学中も、いつもみんなで次のポストの話をしていました。ウソか本当かはわかりませんが、「Yale大学敷地内でランチボックスの売り子をしているうちの一人がYale大で研究していた研究者で、『Cell』とか『Science』などで研究成果を発表していた。でも、研究を続けられなくなったから、ランチボックスの売り子を始めて、研究をやっているよりも儲かっている」って(笑)

今でも臨床医を考えている事が意外です。

2021年3月は色々な研究費が切れる時期でしたが、今年も運よく研究費が獲得できたので、研究を続けられています。そういう事がこの先もちょくちょく来るんですよね。今もJSTの「さきがけ」の面接に呼ばれていますが、3.5年研究費をもらってその「先は崖(さきがけ)」なんだと、研究費のそういう話も聞くので、お金をもらったから安定ではなく、継続して次の研究費も獲得したい、今の研究レベルを下げたくない、そう考えると研究費が獲得できたら、獲得できたで大変なんです。


研究面で一番大変だった時期を教えて下さい。

大学院生の1年目です。全く結果が出ませんでした。今はあの時期があったから強くなれたと思えますが、そのまま潰れていたかもしれません。獣医師免許があって、大動物臨床ならいつでも働けるという最後の切り札があったから乗り越えられましたが、免許を持ってない大学院生は精神的につらいですよね。今になって振り返ると、大学院生のときには就職に関して視野が狭くて、とにかく研究者になるかダメか、生か死かのように思っていました。

博士の就職活動って大変ですよね。

博士課程の頃は、本当に視野も狭くて企業の面接に行っても、「今までの研究について聞かれるんじゃないか」とか、「データが無いとないと上手くいかないんじゃないか」とか考えていました。けど、それって違うんだよって学生さんに言ってあげたい。大学院に進んだら研究者を目指さなきゃいけないって考えている学生が多くて大学院を志望しない学生が増えているので、大学院に進んでも企業に就職できることは伝えたい。大学院に進むことが本当にいいのかはわからないけど、研究が好きだって言ってくれる学生さんも多いので大学院に進学して欲しいです。

研究に対するモットー、スタンスを教えて下さい。

私はアメリカに行って大きく変わりました。アメリカに行く前は日本人的な考え、つまり「仕事が1番大切で、残業でもなんでもやります」というスタンスでした。アメリカに行くと、ボスやラボメンバーがイタリア人で、人生を楽しんでいる人たちでした。朝、ラボに行って、みんなでコーヒーを飲み、週末何をしたかを聞いて、それから実験。午後も何回かコーヒータイムがあって、よく皆で話をしてました。金曜の夜は皆で飲みに行って、土日はビーチ。サッカーワールドカップがあった時には、ラボ内でプロジェクターに試合を映してボスも一緒になって観ましたし、クリスマス、感謝祭、アメリカンフットボールのスーパーボウルはボスの家に行って、ラボメンバーの家族全員で夕食を食べました。仕事は順調で、ラボからは『Cell』,『Cell Metabolism』,『PNAS』,『Diabetes』などの一流紙に論文が出ていました。もちろん研究予算の規模やポスドクの数など比較できるものではないのですが、可能であれば人生を楽しみながら研究をするほうが良いに決まっています!
自分だけでなく、ラボメンバー全員がプライベートも研究も楽しみながらできることを目指すべきだと思っています。従って、今の僕の研究に対するモットーは、
(1)自分がやりたい研究をする。
(2)自分と自分の家族との時間を大切にする。
(3)その上で結果を出す。

です。

たわいもない会話の中に研究のヒントがあったりするんですよね。

そうですよね。そういういい雰囲気でやっていると、学会でもいい雰囲気で質問できたり、色々プラスの事が生まれます。今感じるのは、留学中に楽しくみんなと和気あいあいやっていたからこそ、今でもたまにメールが来るのかなと感じています。この間も当時のボスからポスドクを探していると連絡が来て、ちょうど希望者がいたのでZoom面談をして今度行くことになりました。やっぱり人間関係って大事です。ゴリゴリ実験ばっかりやって、「終わったら帰ります」では研究も広がらないって思います。

ラボ運営にも留学時の経験を意識しているんですか?

そうですね。学生さんが質問に答えられないと怒るような厳しい先生もいると思いますが、それは私の理想とは違います。みんな意見が言いやすい、質問しやすい、分からないことは知っている人が教えてあげて、すんなり次のステップに進める方が良いと思っています。

学生さんが良いデータをどんどんたくさん出してくれるっていうのは、そういった雰囲気があるんじゃないかなって感じました。

出し過ぎて私が困っています、ありがたいです。

影響を受けた人や研究(論文)、言葉はありますか?

「良いScienceをしていれば研究費もポジションも後からついてくる」
最近ハーバード大学の教授になった梶村真吾先生という研究者がいて、まだお若いのに代謝の世界をリードする研究者の1人です。私が日本に帰国して、今後の研究費が獲得できるのか、次のポジションに異動することができるのか、色々と不安になったときに海外の学会で会う機会があり、相談した時に言ってもらった言葉です。梶村先生もこの言葉を尊敬する先生から言われたそうです。
梶村先生は
「予想通りの結果は面白くない、全く理解できないようなことの方に注力していくべき、いい発見が含まれている」
とも言っていました。

ご趣味について教えて下さい。

剣道

小学3年生から続けている剣道です。強くはありませんが、今でも北海道大学(北大)剣道部に顔を出して現役の学生と稽古できるくらいは動けます。アメリカ留学時代はYale Kendo club(6人くらいの小さい集まり)で稽古していました。そこからBostonやNew Yorkの剣道道場に稽古や試合に行って、色んな人に会って楽しんでいました。4年以上アメリカにいると全米剣道大会に参加することができるようになり、NY Shidogakuin(志道学院)チームとして団体戦に参加し、全米2位になったこともあります。今でもNYに行くときには剣道の防具を持っていきます。最近は、息子が生まれて、なかなか剣道する時間が取れなくなってきました。いつか息子とNYの道場に一緒に稽古に行くのが夢です。

全米2位ってすごいですね。

アメリカでは17、18時にはみんな帰ってしまうので、ラボに居ても家に居ても寂しいため剣道の道場に通っていました。小さい町で、剣道する場所はそこしかなかったので、研究者だったり、学生だったり、その辺にいるおじさんだったり、軍のヘリコプターを作っている人だったり、旅行を斡旋する人だったりいろんな人に出会えたのが良かったです。

研究室行事について教えて下さい。

今はコロナ禍で何の行事もやっていませんが、北大はジンギスカンパーティ(ジンパ)という文化があります。札幌駅から徒歩5分という立地にもかかわらず、素晴らしい芝生と巨大な木々に覆われた広大なキャンパスを有しています。その中で食べるジンギスカンは最高です。私が学生の頃はどこでもやってよかったんですけど、今は芝生が汚れるということでできる場所が決まっています。ジンギスカン用の鍋ではなく普通のアミ、場合によっては羊肉も焼きませんが(笑)、野生動物学教室も獣医学部にはあるので野生動物(クマとかシカ)を焼いて食べたこともあります。6~7月は気温もちょうど良く、新型コロナウイルスの流行が終息して、ジンパができる世の中になってほしいです。


研究室(研究者)同士の交流はありますか?

特に決まった研究室と仲が良いというわけではありませんが、北大は総合大学なので興味のある研究をやっている研究室にアポを取って話を聞きに行ったりしています。特に今ある神経細胞の測定方法だけでは限界が見えているので新しい測定方法などに興味があります。また、自分の研究結果の意見を聞きに行ったりもしています。

最後に学生・若手研究者へ伝えたいことをお願いします。

私は偉そうなことを言えるほどの人間ではないですし、これまでに書いた内容でも伝えられていないのですが、研究者という仕事は35歳くらいから面白くなってきます。大学院生のころは自分の研究内容とその周辺しか見えていなかったのが、ポスドクになってもうちょっと広く見えるようになり、自分で研究内容を決められるようになると今まで断片的だった知識が繋がって全てが面白くなってきます。今ではどんな研究内容を聞いても面白いという状態です。もし今の段階で研究が面白いと感じているなら、それはまだまだ本当の面白さに達していないかもしれません。研究者として生き残るのは大変ですが、ぜひ自分の人生の一部として研究を楽しんで、一緒に日本の研究全体を盛り上げていきましょう!

建物前

北海道大学大学院獣医学研究院生化学教室

動物が生きていく上で必要不可欠な摂食行動やエネルギー代謝、睡眠とリズムがどのように調節されているのかという疑問、そしてその異常がもたらす様々な問題(肥満、糖尿病、泌乳障害、睡眠障害)について、分子からまるごとの動物を対象として研究を進めています。
研究室HPはこちら

北海道大学大学院獣医学研究院生化学教室

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