ヒトMxAタンパク質（MxA Protein）測定ELISAキット Human MxA Protein ELISA Kit

ヒトMxAタンパク質（Myxovirus resistance protein 1、ミクソウイルス耐性タンパク質）は、ラージGTPaseスーパーファミリーに属する76 kDaのタンパク質です。MxAタンパク質の発現はIFN-αおよびIFN-βによって用量依存的に誘導され、IFN-γ、IL-1、TNF-αやその他のサイトカインによっては誘導されません。

MxAタンパク質は、インフルエンザ、パラインフルエンザ、麻疹、コクサッキー（Coxsackie）、B型肝炎、およびトゴト（Thogoto）などの様々なウイルスに対し、細胞内で抗ウイルス活性を示します。宿主細胞へ侵入したウイルスは、ライフサイクルの早い段階（ゲノム増幅の前）にMxAタンパク質によって阻害されます。MxAは、ヌクレオカプシド様構造を感知・捕捉することにより、ウイルスの感染を検出すると考えられ、その結果ウイルスの構成要素は新しいウイルス粒子の生成に利用できなくなります。

肺炎、髄膜炎、下痢など、多くの病気は細菌とウイルスのどちらによっても引き起こされる可能性があり、感染症の原因を特定することが難しい場合もあります。細菌感染症の一般的なバイオマーカーとしては、C反応性タンパク質（CRP）やプロカルシトニン（PCT）が定着しています。しかし、これらのバイオマーカーはウイルス感染症と細菌感染症を区別するための十分な臨床的特異性を持ちません。MxAタンパク質は、ウイルス感染症の患者で選択的に増加し、ウイルス性呼吸器感染症と細菌性呼吸器感染症の迅速な区別をもたらすことが期待されます。また、MxAタンパク質は2',5'-オリゴアデニル酸合成酵素などの他の誘導タンパク質と比較して、基礎濃度が非常に低く、半減期が長いことから、ウイルス感染症のマーカーとして有用であると考えられています。