肥満・糖尿病研究に有用です Human ANGPTL3 / ANGPTL6 EIA Kit

ANGPTL（Angiopoietin-like protein）は糖代謝、脂質代謝、エネルギー代謝および血管新生を強く制御するタンパク質で、そのレセプターは未同定です。ANGPTL1～7の7つの遺伝子でコードされており、いずれもangiopoietinと構造的に類似したN末端のcoiled-coilドメインおよびC末端のフィブリノーゲン様ドメインを有していますが、ANGPTLはangiopoietinレセプターであるTie2および関連タンパク質のTie1に対する結合能は示しません¹。

ANGPTL3は主に肝臓で産生され、血中に放出されます²。ANGPTL3はインテグリンαvβ3へ結合することにより内皮細胞の遊走や接着を誘導し、血管新生促進効果をもたらします³。またANGPTL3は、トリグリセリドを加水分解するリポタンパク質リパーゼとHDLリン脂質を加水分解する内皮リパーゼの触媒活性を阻害します^4、5。ヒトANGPTL3の血漿濃度は血漿HDLコレステロールおよびHDLリン脂質レベルと強く相関することが報告されています⁵。

ANGPTL6は肝細胞で豊富に産生される分泌タンパク質で⁶、ERK1 / 2-eNOS経路の活性化を介して血管新生および動脈形成を促進します。ヒトANGPTL6の血中濃度は肥満や糖尿病の患者で高く、空腹時における血清グルコース濃度と正の相関性があります⁷。

参考文献

1. Kadomatsu, T., et al., FEBS J., 278 (4), 559～564 (2011).
2. Conklin, D., et al., Genomics, 62 (3), 477～482 (1999).
3. Camenisch, G., et al., J. Biol. Chem., 277 (19), 17281～17290 (2002).
4. Shan, L., et al., J. Biol. Chem., 284 (3), 1419～1424 (2002).
5. Shimamura, M., et al., Arterioscler. Thromb. Vasc. Biol., 27 (2), 366～372 (2006).
6. Oike, Y., et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA., 100 (16), 9494～9499 (2003).
7. Ebert, T., et al., Metabolism, 58 (4), 547～551 (2009).