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磁性カラムを用いたウイルス導入用Magnetofection試薬 Viro-MICST

掲載日情報:2020/06/12 現在Webページ番号:5678

Viro-MICST reagentはI-MICST(Integrated Magnetic Immuno-cell Sorting and Transfection / Transduction)テクノロジーに最適化された、Magnetofection技術を用いた新しいナノ粒子試薬です。Miltenyi社製MACS column、Magnetic separator、目的細胞に特異的な抗体が標識されたMagnetic microbeadsと組み合わせて使用します。磁気ビーズによる目的細胞の分離とMagnetofectionを組み合わせたため、感染多重度(MOI:multiplicity of infection)が低い場合でも、高い効率での導入を可能にしました。

本製品は単独では使用できません。上記のMiltenyi社製品および抗体標識Magnetic microbeadsを別途ご用意下さい。
MACS(R)はMiltenyi社の登録商標です。

MACS technologyについて

■ 細胞分離の原理

MACS columnには、強磁性体スフィアが充填してあります。このMACS columnをMagnetic separatorにセットすると、スフィアが磁場を10,000倍に増幅し、カラム中の磁場の勾配が高くなります。これにより、Magnetic microbeadsで標識された細胞のみが分離されます。分離された細胞には、他の抗体を用いて免疫染色するのに十分なエピトープが残されています。カラム内のスフィア間には、一般的な細胞の数倍ほどの大きさの間隙があり、細胞はカラム内を自由に通過することができます。Magnetic microbeadsで標識された細胞は、カラム内で浮遊状態で存在するため、スフィアとは直接結合しません。これにより、細胞へのストレスが最小限に抑えることができます。また細胞が凝集するのを回避し、効率よく細胞を洗浄することができます。

■ MACS microbeads

MACS microbeadsは、50 nmの超常磁性体粒子で、細胞表面の抗原に対する特定の抗体と高度に結合します。50 nmという小さな形状のために、細胞を活性化しません。他の粒子とは異なり、MACS microbeadsは常にコロイド状の浮遊状態で存在しているため、細胞との結合や標識を素早く行うことができます。MACS microbeadsは細胞毒性がなく、生分解性があります。細胞を分離した後に行う他のアッセイにおいて、MACS microbeadsを取り除く必要がありません。

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特長

  • 迅速かつ簡便な操作が可能です。
  • 目的細胞の分離と、細胞へのウイルス感染による遺伝子導入をひとつの系で行うことができます。
  • 細胞分離プロセスに干渉しません。
  • 細胞表現型に影響を与えません。
  • 細胞毒性はありません。
  • 適用細胞:株化細胞や初代細胞などをはじめとする、すべての細胞
  • 適用ウイルス:AAV、アデノウイルス、レンチウイルスやレトロウイルスなどをはじめとする、すべてのウイルス

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推奨使用量

MACS column
サイズ
マグネット粒子で
標識された細胞数
感染ウイルス
粒子数
Viro-MICST
使用量
MS1×1061×10610μl
LS2.5×1062.5×10625μl
XS1×1071×107100μl

特定のMOI値を設定したい場合は、血清フリー培地やHBSやPBSといった塩を含むバッファーで希釈して下さい。

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使用実績のある細胞とウイルス

初代細胞細胞のタイプ由 来
hUC-MSCs臍帯間充織幹細胞ヒト
hCB-HSCs臍帯血造血幹細胞ヒト
Sca-1+/LSK+Sca-1 + 造血幹細胞マウス
hPBMC末梢血単核球ヒト
CD4+、CD8+Tリンパ球マカクザル

細胞株細胞のタイプ由 来
293, HEK293, 293-T, 293-EBNAヒト胎児腎臓細胞ヒト
CHOチャイニーズハムスター卵巣細胞ハムスター
HMEC-1微小血管内皮細胞株ヒト
Jurkat, CEMx174, H9Tリンパ球ヒト
K562慢性骨髄性白血病細胞株ヒト
KOPNPh1陽性白血病細胞株ヒト
RAW 264.7マクロファージヒト
U937白血病性単球リンパ腫ヒト

ウイルスのタイプウイルス名
アデノウイルス/アデノ随伴ウイルスAd5-LacZ/-GFP, Ad5-PEG
レンチウイルス/レトロウイルスHIV, SIV, MuLV, MLV, FIV
ヘルペスウイルスHSV-I
アルファウイルスSindbis virus
ラブドウイルスVSV
ポリオーマウイルスSV40
パラミクソウイルスMeasles

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Viro-MICSTを用いたウイルス感染の原理

>Viro-MICSTを用いたウイルス感染の原理

目的細胞には、特異的な抗体で標識されたMagnetic microbeadsを結合させる。Viro-MICSTを結合させたウイルス粒子と、Magnetic microbeadsを結合させた細胞を、MACS column中でインキュベートすることで、目的細胞が分離され、同時にウイルスと細胞が会合することにより、ウイルスが細胞に感染します。

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操作法概略

Viro-MICSTの操作法概略

1. ウイルス粒子とViro-MICSTをピペッティングにより混合し、血清フリーの培地を加えた後、室温で20分インキュベートする。
2. Cell separation columnにウイルス粒子とViro-MICSTの混合を加え、column中のマトリックス(スフィア)に十分拡散させ、Cell separation columnをMagnetic separatorにセットする。
3. Cell separation columnにMagnetic microbeadsを結合させた目的細胞を加え、column中のマトリックスに十分拡散させた後、columnを培地で洗浄し、室温で30分インキュベートする。
4. Cell separation columnをMagnet separatorから外し、細胞をcolumnから流出させる。


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使用例

eGFP遺伝子が組み込まれたレンチウイルスについて、それぞれのMOIのものを用いて1×10<sup>6</sup>のhUC-MSC細胞に導入し、3日後の遺伝子発現効率をフローサイトメトリー解析により比較した。

eGFP遺伝子が組み込まれたレンチウイルスについて、それぞれのMOIのものを用いて1×106のhUC-MSC細胞に導入し、3日後の遺伝子発現効率をフローサイトメトリー解析により比較した。hUC-MSC細胞には、抗CD105抗体標識Magnet microbeadsを結合させた。


eGFP遺伝子が組み込まれたレンチウイルスをhCB-HSC細胞に導入し、3日後の遺伝子導入効率をフローサイトメトリー解析により比較した。

eGFP遺伝子が組み込まれたレンチウイルスをhCB-HSC細胞に導入し、3日後の遺伝子導入効率をフローサイトメトリー解析により比較した。hCB-HSC細胞には、抗CD105抗体標識Magnet microbeadsを結合させた。細胞:1.5×105 cells/ml、MOI:10


ユーザーレビュー

“Magselectofection: an integrated method of nanomagnetic separation and genetic modification of target cells.”
—Sanchez-Antequera Y et al - Blood. 2011

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お問い合わせ先

(テクニカルサポート 試薬担当)

reagent@funakoshi.co.jp

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