生体試料中のG6PDH活性を測定するキット Glucose-6-Phosphate Dehydrogenase Activity Assay Kit

Glucose-6-phosphate dehydrogenase（G6PDH）はペントースリン酸経路の最初の反応を触媒するサイトゾル中に存在する酵素です¹。この経路はRNA、DNA、ATP、CoA、NAD、FADの前駆物質となるリボース-5-リン酸をグルコースから作り出し、同時にNADPHを産生します。ほとんどの細胞はアミノ酸からNADPHをde novo合成することができますが、赤血球にはミトコンドリアが存在せず、ペントースリン酸系が唯一のNADPH供給源となります。G6PDH欠損は特に赤血球に対して致死的で、酸化的ストレスにより溶血性貧血を引き起こす可能性があります^{2, 3}。
G6PDH活性は肥満、高血糖、高インスリン血症のラットおよびマウスで上昇していることが示されています⁴。G6PDHはインスリン抵抗性の重要なメディエーターであり、腫瘍性の病変部においてNADPHを生成するために翻訳後に強く活性化されています^{4, 5}。腫瘍抑制因子であるp53はG6PDに結合することで活性型のダイマーの形成を抑制します⁶。
参考文献
1.Gumaa, K. A., et al., Biochem. J., 115(5), 1009～1029 (1969).
2.Beutler, E., Blood, 111(1), 16～24 (2008).
3.Cappellini, M. D., et al., Lancet, 371(9606), 64～74 (2008).
4.Gupte, S. A., Drug. Dev. Res., 71(3), 161～167 (2010).
5.Frederiks, W. M., et al., J. Histochem. Cytochem., 51(1), 105～112 (2003).
6.Jiang, P., et al., Nat. Cell. Biol., 13(3), 310～316 (2011).