動物由来成分フリーの組換え体ヒト血清アルブミン ecoHSA

イネ（Oryza sativa）の胚乳中で産生した組換え体ヒト血清アルブミン（Human Serum Albumin：HSA）です。ヒト血清から精製した天然アルブミンと同様の構造、特性、生理活性を有しています。植物で産生しているため動物由来成分を含まず、ウイルスやプリオン汚染の心配もありません。
※本製品は研究用です。研究用以外には使用できません。

• 特長
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特長

• イネにHSA遺伝子を導入し、種子である米の胚乳に組換え体タンパク質を大量に蓄積させる技術を用いて産生しています。
• HSA全長タンパク質として発現しており、天然型と同様の分子量、等電点（pI）を示します。糖鎖付加もありません。
• ヒトおよび動物由来アルブミンの代替品として、細胞培養や細胞の保存、ワクチン研究など各種用途に使用できます。
• 天然型HSAと同様に培地添加物として使用できます。脂肪酸や毒性のある成分から細胞を保護し、細胞膜を安定化し、浸透圧を維持して細胞の培養状態を良好にします。
• ロット間差がなく、安定した活性を示します。

		天然型HSA	ecoHSA
アミノ酸シークエンス		－	天然型HSAと同様
N末端シークエンス		DAHKSE	DAHKSE
糖鎖修飾		なし	なし
分子量	SDS-PAGE	～66 kDa	～66 kDa
	質量分析（MALDl） （66.5 kDa）	66.9～68.1 kDa	66.8～67.9 kDa
等電点		pI 5.3	pI 5.3
リガンド結合能		あり	あり（統計的にほぼHSAと同じ）
熱安定性（中点温度）		65℃	65℃
エステラーゼ様活性		あり	あり
トリプシン消化ペプチド解析		同じ	同じ

SDS-PAGEによる各種HSAの純度および分子量の比較
各種HSAを試料としてSDS-PAGEを行った後、CBB染色（左図）または銀染色（右図）を行い、純度と分子量を比較した。いずれのHSAもバンドパターンや移動度に違いはなく、ほぼ同等であることが確認できた。
試料：ecoHSA、pHSA-P（市販の粉末状HSA）、pHSA-L（市販の液状HSA）


CHO細胞におけるecoHSAの活性検証
CHO細胞の培地にecoHSA、またはpHSA-Pを添加し、細胞増殖に及ぼす影響を調べた。細胞増殖能はMTTアッセイで測定した。D-MEM/F12培地にpHSA-Pを添加しない場合（通常の培養条件）の細胞活性を1とした。ecoHSAは市販のpHSA-Pとほぼ同等か、より強い細胞増殖活性を示すことがわかった。


ecoHSAの濃度によるCHO細胞の増殖活性変化
CHO細胞の培地（D-MEM/F12）に濃度の異なるecoHSAを添加して培養し、細胞の活性、増殖への影響を確認した。培養開始から24、72, 120, 168時間後の細胞増殖能をMTTアッセイで測定した。ecoHSAを1.0 g/Lで添加した条件が細胞培養に最適であることが示された。


細胞周期解析におけるecoHSAとpHSA-Pの比較
CHO細胞の培地（D-MEM/F12）にecoHSA、pHSA-P、FBSそれぞれを添加、または何も添加せずに32時間培養し、固定、PI染色後にフローサイトメーターで細胞周期解析を行った（解析細胞数は約10,000個）。ecoHSA、pHSA-Pを添加した条件でG₁期、S期の細胞数はほぼ同じだった。

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