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脂肪酸分析用蛍光試薬 ADAM® (9-Anthryldiazomethane)

掲載日情報:2013/02/14 現在Webページ番号:2376

フナコシ /
フナコシ(株)
[メーカー略称:KAK]

特長

  • ADAM®と脂肪酸は、常温で容易に反応し、加熱および触媒の必要はありません。
  • 励起波長365 nm, 蛍光波長412 nmの蛍光を生じます。
  • 生体試料を始めとして、種々の試薬中の脂肪酸が分析できます。
  • プレカラム法によるHPLC(高速液体クロマトグラフィー)に応用できます。

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ADAM®について

ADAM®は、脂肪酸と下記のように反応し、強い蛍光を発するエステルを生成します。

生成したエステルの蛍光は、メタノールまたはアセトニトリル中では励起波長365 nm, 蛍光波長412 nmの特性を有します。

この反応は、触媒や加熱を必要とせず、室温、約60分で完了します(なお、最初の5分間で75~80%の反応が進行します)。反応の際の溶媒は、広く有機溶媒を用いることができますが、エーテル、ヘキサン、ベンゼンのような極性の低い溶媒よりも、アルコールのような極性の高い溶媒中の方が、より速く反応が進行します。またdiazoalkane類の反応性に関しては、カルボキシル基のほか、芳香族水酸基やスルホン酸基と反応することが報告されています。

ADAM®は、分解温度64~67℃の赤色物質で、冷凍庫内で6か月以上保存可能ですが、溶液状態では溶媒によって異なり、冷凍庫中、メタノールでは1日、エーテル、アセトンでは1週間しか保存できません。

非常に不安定な化合物ですので、お買上げ後、また開封後の保存には十分ご注意下さい。ADAM®は、取り扱い上の注意として、高温、直射日光、皮膚への接触を避け、酸の蒸気には絶対にさらさないようにして下さい。

なお、ADAM®の分解物は脂肪酸とは反応せず、高速クロマトグラフィーカラム溶出の際、カルボン酸とADAM®反応生成物より先に溶出してしまうため、分析上、特に支障はありません。



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HPLCによる脂肪酸分析への応用

1. ADAM®試薬の調製

0.05~0.1 w/v%メタノール溶液、またはアセトン溶液とします。

〔溶解方法〕

ADAM®試薬を0.5~1.0%アセトン溶液とし、その後メタノール、またはアセトンで10倍希釈して下さい。

2. 試料溶液

メタノール溶液、またはアセトン溶液とするのが望ましいですが、エーテル、ヘキサン、クロロホルムなどの溶液でもよく、絶対無水条件を必要としないので、含水溶液または水溶液でも差し支えありません。

但し、試料が水溶液の場合には、ADAM®試薬として0.1~0.2 w/v%メタノール溶液、またはアセトン溶液を用います。試料中のカルボン酸含量は0.05μg/mlから100μg/ml程度で定量可能です。但し、C12:0のピークは、不純物のピークと重なることがありますので、正確を期するためには5μg/ml以上の濃度で測定して下さい。

3. 誘導体化

試料溶液25μlをバイアルびんに採り、これに1.のADAM®試薬25μlを加え、密栓し、室温で約60分間反応させます。乾燥試料の場合は、ADAM®試薬50μlを加えて混合します(内部標準物質を用いる場合、または厳密に定量性を必要としない場合は、10分程度の反応で構いません)。このうち5μlをHPLCカラムに直接注入します。

4. HPLC(高速液体クロマトグラフィー)

一般に逆相系のカラムを用いる方が分離がよく、ODS(C18)よりもOS(C8)の方が全体の溶出が速くなります。溶媒はアセトニトリル-水系でよい結果が得られます。

ADAM®は熱および光に対し不安定な物質のため、加熱溶解は避けて下さい。
逆相系のカラムはメーカーなどにより諸性能が異なるため、溶媒比率や流量は、標準試料等を用いて検討、設定する必要があります。

図1. 標準短鎖飽和脂肪酸ADAM®誘導体のクロマトグラム

図2. 標準長鎖飽和、不飽和脂肪酸ADAM®誘導体のクロマトグラム

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ご 注 意

1. ADAM®は、ロット間で反応性に差が出る可能性があります。何らかの原因で反応量が低下した場合、ADAM®の使用量を増やして使用することも可能です。

2. ADAM®を分注保存する場合は、モレキュラーシーブで脱水したアセトンに溶解し、乾燥して冷凍保存して下さい。

[在庫・価格 :2024年03月29日 15時15分現在]

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納期 文献数
ADAM <9-Anthryldiazomethane>
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説明文
脂肪酸分析用蛍光試薬。M.W.:218.2,測定波長:励起365 nm/蛍光412 nm
CAS No:10401-59-9
法規制等
保存条件 -20℃,暗所保存 法規備考
掲載カタログ ニュース2021年6月1日号 p.6
ニュース2018年11月1日号 p.13

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ADAM <9-Anthryldiazomethane>

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説明文 脂肪酸分析用蛍光試薬。M.W.:218.2,測定波長:励起365 nm/蛍光412 nm
CAS No:10401-59-9
法規制等
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