細胞の温度を測定できる蛍光プローブ「Thermoprobe」取扱開始

掲載日情報:2020/06/12 現在Webページ番号:7701

フナコシ /
フナコシ株式会社
[メーカー略称:FNA]

細胞内小器官の温度を測定できる蛍光プローブ「Diffusive Thermoprobe」および、単一細胞の平均温度を計測できる蛍光プローブ「Particulate Thermoprobe」の取扱を開始しました。
本製品は研究用です。研究用以外には使用できません。


細胞機能と温度

温度は、細胞内におけるあらゆる化学反応を支配する物理量です。生体分子は細胞内の特定の場所において発熱もしくは吸熱反応を行うことで、細胞機能を担っています。そのため、細胞内の温度分布は細胞内分子の熱力学や機能を反映しています。また、医学的見地からは、がん細胞などの病態細胞では亢進した熱発生があることが報告されています。以上のことから、細胞内の温度分布が分かれば、細胞の機能に関する理解が深まるとともに、新規診断、治療法の開発にも貢献すると期待されています。


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Thermoprobeとは

Thermoprobeは、東京大学よりライセンス導入した、世界で初めての細胞の温度変化をモニターできる研究用試薬です。Thermoprobeは、細胞内のイオン強度、pH、タンパク質含有量および粘性により影響を受けず、細胞内の温度変化を正確に計測できます。また、Thermoprobeを用いることにより、これまで得られなかった知見が得られたり、細胞活動のパラメーターとして、新たな実験アプローチが可能になります。Thermoprobeには、用途により2種類あります。


Diffusive Thermoprobeの使用例

Particulate Thermoprobeの使用例

Diffusive Thermoprobeの使用例

生細胞内の温度イメージング

緑:Diffusive Thermoprobe
赤:ミトコンドリア
(a)温度センサーの蛍光像(左)と蛍光寿命像(右)
(b)ミトコンドリア近傍の温度イメージング

Particulate Thermoprobeの使用例

Particulate Thermoprobeをインジェクションした生細胞(COS7細胞)

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Diffusive ThermoprobeとParticulate Thermoprobeの比較

Diffusive ThermoprobeParticulate Thermoprobe
計測対象細胞内小器官の温度細胞1個の平均温度
計測機器蛍光寿命顕微鏡蛍光顕微鏡
温度分解能0.2~0.5℃0.2~0.5℃
空間分解能200 nm
プローブの性状ひも状ゲル状
可溶性水溶性水溶性
形状黄色粉末黄色粉末
純度>99%>99%
使用回数マイクロインジェクション装置に約10回装填可能。1回の装填で、約5,000細胞へのインジェクションに相当。マイクロインジェクション装置に約10回装填可能。1回の装填で、約5,000細胞へのインジェクションに相当。
特性温度上昇により、凝集しない。また、蛍光寿命により計測を行うため、細胞内の局所での正確な温度計測が可能。温度上昇により凝集し、その蛍光強度が細胞に比例する。細胞内局所の温度は計測できず、細胞1個の平均蛍光強度を測定し、比較する。

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お問い合わせ先

(テクニカルサポート 試薬担当)

reagent@funakoshi.co.jp

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