HOME> 試薬> 免疫化学> 抗体の作製> 抗体標識キット> oYo-Link 抗体ラベリング試薬

Fc領域を狙い撃ち!部位特異的に抗体を標識できます oYo-Link 抗体ラベリング試薬

掲載日情報:2021/10/27 現在Webページ番号:69769

シンプルかつ迅速に標識できる部位特異的な抗体標識試薬です。実際の操作時間はわずか30秒で、抗体のFc領域にビオチン、クリックケミストリータグ(アジド、DBCOなど)、オリゴヌクレオチド、細胞傷害性薬物(DM1、DM4、VcMMAE、VcMMAF)、HRPなどを部位特異的(Fc領域、最大2カ所)に標識できます。脱塩や濃縮、抗体精製の必要はありません。

高感度アッセイを行われるお客様向けの未反応のoYo-Linkを除去する試薬は、oYo-Capture Magnetic Beadsをご覧下さい。
本製品は研究用です。研究用以外には使用できません。

oYo-Linkのラインナップ一覧(Oligo Custom)
oYo-Linkのラインナップ一覧(クリックケミストリータグ)
oYo-Linkのラインナップ一覧(HRP)
oYo-Linkのラインナップ一覧(ADC)
oYo-Linkのラインナップ一覧(エピトープタグ)
oYo-Linkのラインナップ一覧(ビオチン)
oYo-Linkのラインナップ一覧(蛍光物質)

oYo-Linkのラインナップ一覧(各項目をクリックするとページ内の該当箇所へ移動します)

oYo-Linkとは

oYo-Linkという試薬名の由来

oYo-Linkという試薬名は、上図に示すようにこの抗体標識の視覚的なイメージに由来しています。

原理

oYo-Linkでは、標識物(蛍光物質やChemical、オリゴヌクレオチドなど)に抗体結合ドメインと光架橋側鎖が繋がっています。抗体にoYo-Linkを添加すると、oYo-Link中の抗体結合ドメインが抗体のFc領域に結合します。その後、混合物にUV(365 nm;ブラックライト 抗体への影響についてはFAQのQ-5をご確認下さい)を照射すると、架橋反応(共有結合)が起こり、抗体に標識物が最大2カ所標識されます。

oYo-Linkを用いた標識の原理

部位特異的標識の利点① 抗体活性への影響、均一性

■ 従来の抗体標識試薬の問題点
市販の抗体標識試薬の多くは、抗体のリジン残基側鎖のアミノ基(-NH2基)を介して抗体を標識します。しかし抗体には多くのリジン残基が存在し、抗体ごとにリジン残基の数と位置が異なります。そのため、標識が不均一になったり抗原結合部位に標識される可能性があります。これは抗体の抗原への結合力(抗体価)に悪影響を及ぼす可能性があり、特に酵素など大きな分子を抗体に標識させる場合はその可能性が高まります。また、部位非特異的に標識されるため標識が不均一に生じることは、実験の再現性、機能評価・機能予測において問題となります。ELISA などイムノアッセイにおいて抗体の配向性がランダムになります。


oYo-Link
oYo-Linkでは、抗体のFc領域に部位特異的な標識が可能なため、抗体の抗原結合部位に影響を与えません。現在注目されている抗体-薬物複合体(ADC)では、抗体へのランダムな薬物の標識は、ロット間差や製剤規格設定、有効性の低下などで問題となりますが、部位特異的に2カ所を標識するoYo-Linkでは、これらの課題を克服することができます。

部位特異的標識の利点:部位特異的、2カ所に標識
これまでの抗体標識:ランダム、複数カ所に標識

部位特異的標識の利点② 固相化における均一な配向性

ELISA などイムノアッセイの際、oYo-Linkによってビオチン標識した抗体をストレプトアビジンコートの表面に固相化すると配向性が均一になり、抗原結合部位の密度の改善をもたらすことによって、感度を向上させる可能性があります。

部位特異的標識の利点:抗体の配向性は均一

3分で分かるoYo-Link


目次に戻る

oYo-Linkの特長

■部位特異的

抗体のFc領域のみに最大2カ所共有結合で標識します。抗体の抗原結合部位(可変領域)に影響を与えないため、実験の信頼性と再現性が向上します。

■抗体、バッファーの適合表

幅広い動物種のIgG抗体を標識できます。また、一般的なバッファーに含まれるBSAやTrisの影響、pHによる影響をほぼ受けません。そのため、標識前の脱塩や濃縮、抗体精製の必要はありません(FAQのQ-2を併せてご参照下さい)。標識可能な抗体種、バッファーは以下の一覧をご確認下さい。
画像をクリックすると一覧表をダウンロードできます。

oYo-Linkを用いて標識可能な抗体種一覧

抗体種一覧

oYo-Linkと使用可能なバッファー一覧

バッファー一覧

■シンプルで迅速な標識

試料と混合(約30秒)し、UV照射(365 nm、2時間)することで抗体を標識できます。実験系にも依りますが(FAQのQ-6を併せてご参照下さい)、標識後はカラム精製などを行うことなく、そのまま使用できます(Ready to Use)。



シンプルで迅速な標識ステップ

動画. 本製品を用いた抗体標識のデモ

■前処理することなく標識可能

脱塩、濃度調整することなく標識できます。1反応(1 μl)あたり1 μgの抗体を標識することができます。また、50 μg/mlという低濃度での作業が可能です。

■幅広い標識が可能

oYo-Linkを使用すると、細胞傷害性薬物、ビオチン、クリックケミストリータグ(アジド、DBCOなど)、オリゴヌクレオチド、HRPなど、さまざまな標識物を抗体に付けることができます。


目次に戻る

oYo-Linkのラインナップ

oYo-Linkのラインナップ

*1 マウスIgG1抗体用とその他のIgG 抗体用で試薬が異なります。マウスIgG1抗体用の試薬はマウスIgG1以外では使用できませんのでご注意下さい。他の動物種については、共通して試薬を使用できます。
標識可能な抗体量については標識物によって対応できる抗体量が異なります。詳細は、以下の製品ラインナップの各アイコンをクリックするとご確認いただけます。

商品コードについて

oYo-Linkでは、マウスIgG1抗体用*2,3とその他の抗体(ヒトIgG1~4、マウスIgG2a、2b、3など)用の2種類の製品があります。
マウスIgG1抗体用の製品は商品コードにmIgG1が含まれます。
また、末尾の数字は標識可能な抗体量(例:100=100 μgの抗体の標識が可能)を表します。

oYo-Linkの商品コードのルール

*2 His-12 Tag標識用のoYo-LinkにはマウスIgG1抗体用のラインナップがありません。
*3 マウスIgG1抗体の標識試薬には、専用の試薬(oYo-Link mlgG1)が付属します。oYo-Link mIgG1試薬はマウスIgG1抗体以外の抗体標識には使用できませんのでご注意下さい。


oYo-Link抗体標識試薬では以下の標識ができます。各アイコンをクリックすると価格をご確認いただけます。

オリゴヌクレオチド

10~80 bpの長さのご希望の配列のオリゴヌクレオチド(一本鎖または二本鎖DNA)を合成し、抗体に標識できるoYo-Link Oligo試薬をカスタム作製いたします。
専用注文書にご希望の配列を記載の上、ご注文下さい。
※ 80 bpより長いオリゴヌクレオチドをご希望の場合は、お問合せ下さい。
以下のアイコンをクリックすると価格をご確認いただけます。

oYo-Linkを用いた標識の原理

  #AT1002-xxxss
(一本鎖DNA用、ssDNA)

oYo-Linkを用いた標識の原理

  #AT1002-xxxds
(二本鎖DNA用、dsDNA)

製品詳細・使用例は、oYo-Link Oligo Customをご確認下さい。

クリックケミストリー

アジド、テトラジン、DBCOおよびチオールを抗体に標識できます。
以下のアイコンをクリックすると価格をご確認いただけます。

クリックケミストリータグ(azide)

       #AT3002

クリックケミストリータグ(Tetrazine)

       #AT3004

クリックケミストリータグ(DBCO)

       #AT3003

クリックケミストリータグ(Thiol)

       #AT3001

AzideおよびDBCOの活性は、標識時のUV照射の影響を受けるため、クリック反応後に標識反応を行って下さい。
製品詳細・使用例は、oYo-Link Click-Chemistry & Chemical Conjugationsをご確認下さい。


Click-Chemistry &Couplingプロトコル/ユーザーガイドもご用意しています!

抗体標識ユーザーマニュアル

Azide

UVリンカーユーザーマニュアル

Tetrazine

UVリンカーユーザーマニュアル

DBCO

UVリンカーユーザーマニュアル

Thiol

ビオチン

ビオチンを抗体に標識できます。
以下のアイコンをクリックすると価格をご確認いただけます。

シングルビオチン

       #AT4001

製品詳細・使用例は、oYo-Link Antibody Surface Immobilizationをご確認下さい。


Antibody Surface Immobilization(Single Biotin)プロトコル/ユーザーガイドもご用意しています!

シングルビオチンアプリケーションガイド

Single-Biotin


抗体薬物複合体(ADC)

DM1、DM4、VcMMAEおよびVcMMAFを抗体に標識できます。
以下のアイコンをクリックすると価格をご確認いただけます。

細胞障害性薬物(DM1)

       #AT7002

細胞障害性薬物(DM4)

       #AT7004

細胞障害性薬物(VcMMAE)

       #AT7001

細胞障害性薬物(VcMMAF)

       #AT7003

製品詳細・使用例は、oYo-Link ADCをご確認下さい。
また、お客様のお手持ちの薬剤を標識するカスタムリンカーの合成も承っております。まずは、当社受託・特注品担当(jutaku@funakoshi.co.jp)までお問い合わせ下さい。


エピトープタグ

各種エピトープタグを抗体に標識できます。
以下のアイコンをクリックすると価格一覧をご確認いただけます。

Epitope Tag

エピトープタグの製品ラインナップ
商品コードをクリックすると価格をご確認いただけます。
※ 25 μg包装の製品は、一度のご注文時に4製品以上(任意の組合せ可)のご注文が必要です。

エピトープタグの種類商品コード
His-12 TagAT2002
DYKDDDDK TagAT9002
V5 TagAT9003
S TagAT9004
VSV-G TagAT9005
NWS TagAT9006
S1 TagAT9007
AU1 TagAT9008
AU5 TagAT9009
HSV1 TagAT9010

製品詳細・使用例は、oYo-Link Epitope TagおよびoYo-Link Antibody Surface Immobilization(His-12 Tag)をご確認下さい。


HRP

HRP(Horseradish Peroxidase)を抗体に標識できます。
以下のアイコンをクリックすると価格をご確認いただけます。

HRP

       #AT6002

製品詳細・使用例は、oYo-Link Horseradish Peroxidaseをご確認下さい。


蛍光物質 Coming soon!

蛍光物質(HB-488nm)
蛍光物質(HB-647nm)

製品詳細・使用例は、HyperBright Labeling Reagents をご確認下さい。


目次に戻る

UVリンカー(別売品)

oYo-Linkによる抗体標識には、専用のUVリンカー(#AT8001-D)が必要です。
以下のアイコンをクリックすると価格をご確認いただけます。

UVリンカーアイコン
UVリンカー外観

UVリンカーの仕様についてはLED Photo-Crosslinking Deviceをご確認下さい。また、使用方法についてはユーザーマニュアルをご確認下さい。
UV照射時は氷を使用します。

UVリンカーの貸出デモを実施中です。
デモをご希望の方は申込用紙に必要事項をご記入の上、ご利用の販売店担当者にお渡し下さい。
AlphaThera社 UVリンカー貸出申込用紙


目次に戻る

ユーザーマニュアル

抗体標識ユーザーマニュアル

Antibody Conjugation User Manual

UVリンカーユーザーマニュアル

UV linker User Manual


目次に戻る

FAQ

FAQ (クリックで開閉します)

Q-1. oYo-Linkで標識できる抗体の種類を教えて下さい。
A-1. 使用可能な抗体についてはAntibody Tableをご確認下さい。
oYo-Link mIgG1はマウスIgG1抗体のみ標識できます。他の抗体には使用できません。
オリゴヌクレオチド、シングルビオチン、Azide、Thiol、DBCO、Tetrazine、DM1、DM4、VcMMAE、VcMMAF、HRP標識試薬にはoYo-Link mIgG1があります。


Q-2. バッファーにアルブミンやTrisが含まれていても標識できますか?
A-2. できます。oYo-LinkはIgGの重鎖に特異的に結合するため、アルブミンやTrisがバッファー中に含まれていても標識できます。使用可能なバッファーについてはBuffer Tableをご確認下さい。ただし、通常より高濃度のAzide(>1%)、グリセロール(>50%)、その他の化合物はoYo-Linkの反応を阻害する可能性があります。


Q-3. 抗体にはいくつのoYo-Linkが標識されますか?
A-3. ほとんどの種の抗体で、oYo-Linkにより最大2つ(重鎖毎に1つずつ)標識されます。例えば、ヒトIgG抗体やウサギIgG抗体であれば、抗体につき2つ標識されます(~95%)。ただし、マウスIgG2bやヤギIgGなどでは結合の効率がわずかに低いため、抗体の60~80%が標識され、0個、1個、2個の標識抗体が混在します。抗体の結合効率についてはAntibody Tableをご確認下さい。


Q-4. 標識が成功したかはどのように確認すればよいですか?
A-4. SDS-PAGEで確認できます。メーカーサイトの各製品ページのSupporting dataに例がありますので、ご参照下さい。


Q-5. UV照射(365 nm)は、抗体や抗体の機能に影響はないですか?
A-5. oYo-Linkを用いて標識した抗体と未標識抗体を用いてELISAおよびcell binding assayで結合試験を行っており、結果に違いは確認されていません。なお、一般的にクリーンベンチなどで用いられているUV光(波長:250 nm)は抗体にダメージを与えます。oYo-Linkを用いた抗体標識では推奨波長(365 nm)以外のUV光は照射しないで下さい。


Q-6. 標識後、未反応のoYo-Linkは除去した方が良いでしょうか?
A-6. ほとんどのイムノアッセイの実験で使用する場合、標識後の抗体の精製は不要です。メーカーの標準プロトコルでは、oYo-Linkと抗体とのモル比は5:1です。この条件で反応を行うと抗体の標識効率は最大限となります。しかし、抗体混合物にはわずかながら未反応のoYo-Linkが残ります。この未反応のoYo-Linkは通常、イムノアッセイの洗浄の工程で除去されます。もし高い純度の抗体-標識物が必要な場合は、oYo-Capture Magnetic Beadsをご使用下さい。


Q-7. oYo-Linkで標識可能な抗体の最低量はどれくらいですか?
A-7. 少なくとも1 μgの抗体を使用することをお勧めしますが、少量の抗体でも標識できる可能性があります。


Q-8. 希釈された抗体をoYo-Linkで標識できますか?
A-8. できます。50 μg/mlという低濃度に希釈しても、効率的に抗体を標識することができます。



目次に戻る

おすすめ製品記事

お問い合わせ先

(テクニカルサポート 試薬担当)

reagent@funakoshi.co.jp

製品情報は掲載時点のものですが、価格表内の価格については随時最新のものに更新されます。お問い合わせいただくタイミングにより製品情報・価格などは変更されている場合があります。
表示価格に、消費税等は含まれていません。一部価格が予告なく変更される場合がありますので、あらかじめご了承下さい。