ヒトNT-ProANP定量キット Quantikine Human NT-ProANP ELISA Kit

心房性ナトリウム利尿ペプチド（ANP）は、ナトリウム利尿ペプチドファミリーに属する分泌型ペプチドで、心房心筋細胞やマクロファージ、一部の視床下部ニューロンなど様々な細胞で発現します。

細胞内で貯蔵されているANP(Atrial Natriuretic Peptide)は、膜貫通型酵素のコリンによってプロセシングを受け活性化ANF（心房ナトリウム排出増加因子）となり、レセプターであるNPR-AとNPR-Cに結合します。放出後、ANFは様々な部位でネプリライシン／CD10仲介性切断により不活性化されます。循環ANF濃度の上昇は、高血圧状態の心臓における機械的ストレスの増加によって生じる心不全と関連しています。NT-ProANPとして知られるプロペプチドは、高血圧の初期段階では低濃度で循環し、慢性心不全の際には高濃度で循環します。ANPの多型は、血圧制御や高血圧の変動性と関連しています。早期発症型の心房細動と関連する他のANFのアイソフォームは、タンパク質分解に対して抵抗性を有し、高濃度で循環します。

生物活性型ANFは、ナトリウムや水の排泄を促進することによって血圧を制御します。またANFはアルデステロンやバソプレシン、ACTH, CRH、コルチゾール分泌の阻害など様々な内分泌／代謝効果を発揮するほか、脂肪分解の増強や、テストステロン、LH、インスリンの放出にも効果を発揮します。ANFは活性化マクロファージで上方制御され、微生物クリアランスを促進し、局所的な炎症反応を抑制します。